#終い方(1)... #葬儀関係手続き #届出関係手続き #相続関係手続き
死亡後の手続きは大きく3つに分けられます。
① 「葬儀関係」の手続き 約7日(四十九日などの法要は除く)
② 「届出関係」の手続き 約14日
③「相続関係」の手続き 約10カ月
④その他
① 「葬儀関係」の手続き
①-1.葬儀会社の選択・申込み
病院で亡くなった場合、何の連絡もしなくても、葬儀会社のほうから声を掛けられます。
自宅等で亡くなった場合、近所の葬儀会社やインターネットで検索した葬儀会社で。「葬儀+地域名」で検索。
①-2.遺体の搬送
病院で亡くなった場合、一旦霊安室に安置され、すぐに搬送を求められます。
その際は、葬儀会社に連絡し、自宅などの安置場所へ搬送手配を。
まだ葬儀会社が決まってない場合、搬送のみを依頼。
①-3.葬儀内容等の打ち合わせと周知
安置が済んだら、葬儀会社と通夜と葬儀、告別式について具体的なことを決めます。
例えば、「喪主や世話役の選任」「日時や場所」「葬儀内容」など。
葬儀・告別式の概要は決まったら、勤務先や関係者、ご近所等に周知。
①-4.通夜
通夜は、本来、亡くなられた人と関係が深かった親族のみで、葬儀前に一夜を通して別れを惜しむ式のこと。
最近は、本来の通夜は「仮通夜」として、友人や知人等の弔問を「本通夜」としてます。
また夜通しではなく1~2時間程度で済ませる「半通夜」も増えてます。
①-5.葬儀・告別式
一般的に葬儀は、亡くなった人を送る儀式のこと。
告別式は、友人や知人も含めた一同が亡くなられた人とお別れをする式のこと。
ただし、宗旨や宗派によって葬儀・告別式の方法が異なります。
①-6.火葬
葬儀・告別式を終えたら出棺、火葬場で火葬されます。
その際、火葬許可証が必要になります。
火葬が終えたら、骨上げ・拾骨を行い、火葬場から埋葬許可証を交付してもらいます。
その後、遺骨迎え・精進落としを行ないます。
①-7.初七日
亡くなった日から数えて7日目に行うのが初七日の法要。
葬儀の際にお世話になった親戚などを招いて法要を済ませ、会食して故人を偲びます。
しかし最近は、葬儀当日に初七日を済ませることも多くなってます。
また地域・習俗によってその様が違う場合もあります。
①-8.四十九日
死者は死亡した日を含めて四十九日間、死後の世界で生前の罪状等を裁く審判が7回あるとされています。
すべての審判が終わった際に、遺族は日常生活に戻るために、親戚や故人と親しかった友人・知人を招いて法要を営みます。
近年は、葬儀当日に初七日を済ませることが多く、四十九日が最初の法要ということになります。
①-9.納骨
一般的には、初七日または四十九日あたりで納骨を行ないます。
納骨の時期には、特に期限はありませんが、遅くとも一周忌あたりまでに納骨される人は多いようです。
①-10.年回法要
定められた年に行う追善供養のことです。
亡くなって一年目の命日に行うのが「一周忌」、
二年目の命日に行なうのは「三回忌」です。
以後、七回忌、十三回忌、十七回忌と、三と七の年度に行なうことが多いようです。
一般的には十三回忌までと、その後は三十三回忌の法要を行ない、その三十三回忌が終わると、弔い上げとされています。
② 「届出関係」の手続き
②-1.死亡診断書・死体検案書の手配
治療中に亡くなった場合は、臨終に立ち会った医師が死亡診断書を交付してくれます。
治療中以外の病気で亡くなった場合、医師が死体検案書を交付してくれます。
また不慮の事故等で亡くなった場合は、警察の監察医が死体検案書を交付してくれます。
②-2.死亡届・火葬許可申請書の提出
死亡診断書または死体検案書が入手できたら、死亡届・火葬(改葬)許可申請書を提出します。
これら二つは、提出する時期も場所も同じなので、同時に提出しましょう。
< 死亡届・火葬許可申請書の提出方法 >
提出先 ・故人の死亡地または本籍地等の市区町村役場
提出できる人 ・親族・同居者・家主・地主・後見人など
必要なもの
【死亡届】 :死亡診断所・死体検案書
【火葬許可申請書】 :当日入手した死亡届・印鑑
手数料
【死亡届】 :なし
【火葬許可申請書】 :市区町村によって火葬料の支払いがある
場合もある
留意点 ・死亡届・火葬許可申請書は同時に提出。
<火葬許可申請書の提出~埋葬の書類提出の流れ>
・市区町村から火葬許可証の交付
↓
・火葬場へ火葬許可証の提出
↓
・火葬場から埋葬許可証の交付
↓
・墓地に埋葬許可証の提出
↓
・埋葬
②-3.世帯主の変更届(世帯主が死亡の場合)
世帯主が亡くなり、その世帯に十五歳以上の人が二人以上いる場合は、死亡から十四日以内に世帯主変更届を市区町村に提出し、世帯主を変更する必要があります。
■世帯主変更届の書き方
世帯主変更届の書類用紙は、住民異動届と同一の用紙であることが多い。
しかし、残された世帯員が一人の場合や、複数人いても十五歳以上の人が一人の場合や、また亡くなった人が世帯主でない場合は、世帯主変更届の提出は必要ありません。
自動的に残りの一人または十五歳以上の人が世帯主になります。
<世帯主変更届(住民異動届)の提出方法>
提出先 ・故人が住んでいた市区町村役場
提出できる人 ・新世帯主または同一世帯の人、代理人
必要なもの ・身分証・印鑑・委任状(代理人の場合)
留意点 ・変更後の住民票の写しを取得し、内容確認
②-4.健康保険の資格喪失届と返却
健康保険には、主に「国民健康保険・後期高齢者医療」と「健康保険」の二つがあります。ここでは、それぞれに分けてお伝えします。
●国民健康保険・後期高齢者医療
亡くなった人が自営業者などの場合は、国民健康保険資格喪失届を、七十五歳以上の場合は、後期高齢者医療資格喪失届を提出し、健康保険証等を返却します。
健康保険証等の返却方法
返却先 ・故人が住んでいた市区町村役場
提出書類 ・国民健康保険資格喪失届または後期高齢者医療資格喪失届
返却物 ・国民健康保険被保険者証(世帯主死亡の場合が世帯全員分)
・国民健康保険高齢受給者証(対象者)
・後期高齢者医療被保険者証(対象者)
その他に必要なもの ・死亡を証明する戸籍謄本
・世帯主の印鑑
・提出者の身分証
※後期高齢医療の場合は、追加で以下も必要になります。
・相続人の印鑑・預金通帳(高額医療費がある場合)
・限度額適用・標準負担額減額認定証
・特定疾病療養受療証
※亡くなった人が世帯主でその家族も国民健康保険に加入の場合、返却の際、世帯主を書き
換えて新しい健康保険証を発行してもらいましょう。
●健康保険
亡くなった人が会社員等であった場合は、健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届を年金事務所に提出し、資格を喪失させる必要があります。
一般的には、勤務されていた会社担当者が退職手続きと一緒に行なってもらえます。
健康保険証も会社に提出すれば、会社経由で年金事務所に返却してくれます。
特殊事情で直接返却する場合、各都道府県の協会けんぽに、または会社が加入している保険組合に返却します。
健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届と同時に行なう死亡退職時の手続きもチェックしておきましょう。
死亡退職時のチェックリスト
□ ・健康保険被保険者証の返却はしたか?
□ ・社員証の返却はしたか?
□ ・死亡退職届は提出したか?
□ ・その他、貸与されていた物は返却したか?
□ ・未払い給与、退職金、社内預金、自社持ち株等の清算はしたか?
□ ・会社が求める種類の提出はしたか?(遺族厚生年金等の届出書類等)
②-5. 年金受給停止と未支給年金請求の手続
亡くなった人は、年金を受取れないので、その受給停止の手続きが必要です。
一方、亡くなった月の末日まで年金を受取る資格はあるので、まだ受取っていない年金があれば、それを請求する未支給年金の請求手続きが必要です。
●年金受給停止
年金受給者が亡くなった場合は、年金受給権者死亡届を提出する必要があります。提出手続きが遅れたために、支給された年金は返還しなければなりません。
●未支給年金請求
年金は年六回で、偶数月の十五日に前二ヶ月分が支給されます。死亡した月までは年金を受取ることができます。まだ支給されていない未支給年金は請求すれば、受給資格のある遺族に支払われます。年金受給権者死亡届の提出とともに年金の未支給年金請求を行ないましょう。
未支給年金を受取れる遺族は、配偶者→子→父母→孫→祖父母→兄弟姉妹→それ以外の三親等の順番が付けられています。
<未支給年金の請求方法>
請求先 ・年金事務所、年金相談センター
提出書類 ・未支給年金請求書、年金受給権者死亡届
必要なもの ・故人の年金証書または年金受給権者死亡届
・死亡が確認できる書類(戸籍謄本・死亡診断書・住民票など)
・故人との身分関係が証明できる書類(戸籍謄本等)
・故人の除票と請求者の世帯全員の住民票等
・受取り口座通帳
※別世帯の場合は、生計同一についての別紙の様式など
もらい忘れた年金がないか確認しましょう、「もらい忘れた年金」がある場合は、過去五年分だけでなく、五年超の時効特例分も受取ることができます。
②-6.遺族年金の請求
遺族年金の受取りには「亡くなった人に生計を維持されていた」ことが大前提になっています。
「生計を維持されていた」人とは、死亡当時、亡くなった人と生計を同一にしていて、年収八百五十万円を将来にわたって得られない人のことです。
この大前提をしっかりと踏まえて、以下の項目にお進みください。
またこの項目で書かれていることは、基本的な遺族年金の受取りについてであり、個々の状況により、その内容が異なります。
実際に遺族年金を請求される場合は、ねんきんダイヤル0570-05-1165(ナビダイヤル)または03-6700-1165で、必ずご確認してから行なってください。
遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2つがあります。
それぞれの年金請求についてお伝えします。
●遺族基礎年金の請求
国民年金に加入しているまたは加入していた人が亡くなった場合は、亡くなった人によって「生計を維持されていた」子のいる妻や夫、または子は、年金請求書を提出し遺族年金を受取ることができます。
遺族基礎年金の年額
子がいる配偶者が受取るとき 772,800円+子の加算額
子が受取るとき 772,800円+二人目以降の子の加算額
●遺族厚生年金の請求(遺族基礎年金と合わせて)
会社員等で厚生年金に加入しているまたは加入していた人が死亡した場合は、「妻・子・五十五歳以上の夫」→「五十五歳以上の父母」→「孫」→「五十五歳以上の祖父母」の順位で、遺族厚生年金と遺族基礎年金を合わせて受取ることができます。
遺族厚生年金の年額
遺族基礎年金のように定額でなく、遺族厚生年金は亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分の年金額の四分の三になります。
老齢厚生年金とは、いわゆる老後に支給される年金のことです。
この老齢厚生年金の報酬比例部分は、故人が支払った保険料や納付月数などの条件によって算出されます。
亡くなった人の収入によってその額が異なりますので、年金事務所やねんきんダイヤルで確認してみましょう。
合計で「遺族厚生年金の年額」+「遺族基礎年金の年額」を受取ることができます。
<遺族基礎年金と遺族厚生年金の請求方法>
請求先 【遺族基礎年金のみの場合】お住まいの市区町村役場
【上記以外】 最寄りの年金事務所
提出書類 ・年金請求書(国民年金・厚生年金保険遺族給付)
必要なもの ◎故人と請求者、両方に必要なもの
・年金手帳
・年金証書、恩給証書
・戸籍謄本(死亡日以降)
・健康保険証
◎その他必要なもの
・世帯全員の住民票
・住民票の除票
・死亡診断書のコピー
・所得証明書
・課税証明書
・学生証等
・支給口座の通帳・印鑑
請求できる人 ・給付対象の遺族
■年金請求書(国民年金・厚生年金保険遺族給付)の書き方
https://www.town.soeda.fukuoka.jp/docs/2011102100084/files/nenkin06.pdf
②-7.公共料金等の変更・解約
ここでは、水道光熱費や電話料金などの変更・解約方法をお伝えします。
これらの支払い方法が口座引き落としになっている場合は、本人死亡のため、口座が凍結されると支払いができなくなるので、早めに手続きをしましょう。
●電気・ガス・水道
電話やインターネットからでも変更手続きはできますが、口座凍結のため、支払い方法の変更手続きも必要です。
支払い方法の変更手続きは、サービスセンター等に連絡して必要書類を送ってもらいましょう。その書類に必要事項を記入して、返送すれば手続きは完了です。
東京電力 0120-995-001
東京ガス 0570-002211
東京都水道局(23区) 03-5326-1100
●携帯電話・インターネット
携帯電話の解約は、除籍謄本など死亡が確認できる書類を窓口に持参すればできます。
解約日までの料金を請求されることもありますので、早めに解約手続きをしましょう。
インターネット回線の解約は、電話やインターネットで可能なこともあります。
詳しくは各会社のお客様センターへお問合せください。
●NTT固定電話
NTTの電話加入権は、財産になるので相続手続きが必要になります。
NTTに戸籍謄本等を必要書類に添付すれば、郵送でも手続きできます。
少額ですが、NTTの電話加入権には相続税が掛かりますので、申告時には注意しましょう。
NTT東日本の電話加入権の相続(承継)のホームページ
http://web116.jp/shop/meigi1/mei1_02.html
②-8.免許証・クレジットカード等の返却手続
ここでは、ほとんどの場合、返却が必要になる以下の3つの返却手続きについてお伝えします。
●運転免許証
亡くなった人の運転免許証は、原則として最寄りの警察署などに運転免許証と死亡診断書コピーなどを持参して返却手続きをします。ただし、そのままにしておいても更新手続きをしなければ、自動的にその免許証は失効します。
●パスポート
最寄りのパスポートセンターに、パスポートと死亡診断書コピーなどを持参して返却手続きを行ないます。ちなみにパスポートの有効期限が切れていれば、そのままでもいいでしょう。
●クレジットカード
返却手続きは、カード会社によって異なります。電話で問い合わせて、必要な書類を揃えて提出しましょう。ちなみに故人が使用したカードの未払金は、相続人が支払わなければなりません。最近は公共料金の支払いもクレジット払いにされている人も多いので、注意しましょう。利用明細が気になる場合は、情報開示をしてもらうこともできます。
③「相続関係」の手続き
実際に相続手続きをする際は、必ず弁護士や司法書士等にご確認をお願いいたします。
③-1.遺言書の有無確認
遺言書の種類は、主に3つあります。
「公正証書遺言」
「自筆証書遺言」
「秘密証書遺言」
の3つです。
その種類によって遺言書の有無確認の方法は異なります。
●公正証書遺言の場合
公正証書遺言とは、公証役場で公証人に作成してもらう遺言のことです。
作成時に二人以上の証人が必要ですので、遺言書の内容は秘密にできません。
公正証書遺言の原本は、公正役場に保管されていますので、最寄りの公正役場で遺言検索システムを利用すれば、すぐに遺言書があるかどうかは分かります。
<遺言検索システムの利用方法>
利用できる場所 最寄りの公正役場
利用できる人 相続人、相続人の代理人
必要なもの 戸籍謄本等、本人確認書類、委任状(代理人の場合)
手数料 検索は無料、 閲覧一回200円、 謄本一枚250円
●自筆証書遺言と秘密証書遺言の場合
自筆証書遺言とは、全文を自分で書く遺言のことです。
一方、秘密証書遺言とは、内容を秘密にしたまま、存在のみを公証役場で公証人に証明してもらう遺言のことです。
これらの遺言書は、存在が知らされていない場合でも遺言書が残されていることもあります。
また存在は、知らされていてもその場所まで特定できないこともあります。
そのため、自宅や病院、入所していた施設の大切なものを保管していそうな場所などを探しましょう。
貸金庫を契約している場合は、貸金庫内に遺言賞が残されていることもありますので、確認しましょう。
【公正証書遺言以外の遺言は、検認が必要です。】
公正証書遺言以外の遺言書を発見した場合、
家庭裁判所で検認手続きをしなければ、その遺言書は有効になりません。
検認とは、相続人に対して遺言の存在と内容を知らせるとともに遺言書の形状や状態、日付、署名など遺言書の内容を明確にして、遺言書の偽造や変造を防止するための手続きのことです。
この検認を終えて、はじめて遺言書の内容に沿った相続手続きができるようになります。
③-2.相続人の特定
ここでは、相続人の特定する際のポイントを2つお伝えします。
●戸籍はすべて取得すること
具体的な相続人の特定には、亡くなった人の一生でつくられた全ての戸籍をさかのぼって順番に取得する必要があります。
なぜならば、死亡事項が記されている戸籍謄本だけでは、その人の相続関係が十分に証明できないからです。
戸籍は転籍や法改正、婚姻などにより都度新しくつくられますが、その際に既に抹消された情報は、基本的に新しい戸籍には反映されず、相続人全員の確認ができないのです。
そのため、亡くなった人の一生でつくられた全ての戸籍をさかのぼって順番に取得する必要があるのです。
●遺言書がある場合は、すべては必要ない
正式な遺言書がある場合は、亡くなった人の戸籍(除籍)謄本と相続人あるいは受遺者(遺言で相続人に指名された人)であることの証明のみで足りることもあります。
その理由は、遺言書があるので、相続人が限定され、わざわざ他に相続人がいないことを証明する必要がないからです。
しかし、遺言書の検認には基本的に出生までさかのぼった戸籍が必要になります。
<戸籍の取得方法>
取得できる窓口 本籍があるまたはあった市区町村役場(郵送可)
取得できる人 配偶者。直系血族・代理人(要委任状)など
取得費用 除籍謄本・改製原戸籍謄本 1通750円
戸籍謄本 1通450円
必要なもの 申請書(窓口にあり)・身分証・委任状(代理の場合)
定額小為替・切手貼り返信用封筒(郵送の場合)
【想定外の相続人がいたら?】
戸籍を確認したら、想定外の相続人が見つかるということもあります。
たとえ、想定外の相続人でも、その人を除いて相続手続きを進めることはできません。
手紙を送ったり、面談を取り付けるなどして、状況を説明して協力してもらう必要があります。相手の出方によっては、弁護士などの助けが必要になるかもしれません。
③-3.相続財産(遺産)の調査
相続手続きをするにあたって、どのような相続財産があるかを調べることは非常に重要です。
なぜならば、相続財産全体を把握しなければ、間違った相続手続きをしてしまう恐れも出てくるからです。
相続財産のプラスマイナスによって、その手続きは異なってきますのでしっかりと調査しましょう。
<プラスの相続財産>
・現金・預金など
・不動産
・不動産上の権利(賃借権や抵当権など)
・自動車、バイクなど
・貴金属、骨董品、家具など
・有価証券その他債権(売掛金や貸付金など)
・知的財産権
・生命保険(故人受取りのもの)
・電話加入権
<マイナスの相続財産>
・借金、ローン
・保証債務
・損害賠償
・未納税金
・買掛金
<相続財産でないもの>
・墓地、仏壇
・香典、葬儀費用、埋葬料
・生命保険(故人以外が受取り)
・死亡退職金
●自宅などで相続財産の手がかりを探す
故人の自宅を中心に相続財産の手がかりとなるものを探しましょう。
自宅金庫や引き出し、棚、仏壇など、大切なものを保管していそうな場所を探します。
故人が貸し金庫を契約していれば、もちろん貸金庫も調査します。
本人以外が貸し金庫の中身を確認するのは、戸籍謄本等が必要になります。
相続財産の手がかりとなるもの
通帳、カード、金融機関からの粗品や郵便物
不動産権利書、不動産登記簿謄本、不動産売買契約書
株券、借用書、請求書
上記のものが見つかった場合は、それに書かれている情報を元に直接連絡して、その内容を確認しましょう。
相続財産の種類によっては、確認に戸籍謄本等を求められることもあります。
◆プラスの相続財産として最も多い不動産の調査方法◆
●不動産の調査方法
故人宛に固定資産税納税通知書が届いていたり、故人宅で不動産権利書・登記識別情報通知・不動産売買契約書があれば、その内容から地番や家屋番号を調べて法務局で不動産登記事項証明書を取得して、その不動産の権利関係が確認できます。
不動産登記事項証明書の取得方法
取得できる場所 全国の法務局
取得できる人 誰でも可能
提出書類 申請書
手数料 手数料
また、名寄帳を閲覧することで、同一市区町村内にある故人不動産も確認できますので、念のため、閲覧しましょう。
名寄帳とは、ある人物が持っている不動産の一覧表のことです。
市区町村によって「土地家屋課税台帳」や「固定資産課税台帳」とも呼ばれています。
ただし、法人名義の不動産は、記載されていないので注意しましょう。
<名寄帳の閲覧方法>
取得できる場所 市区町村役場(東京23区は都税事務所)
取得できる人 所有者・相続人など
提出書類 申請書・故人との関係を証する書類・身分証明書など
手数料 市区町村で異なる
③-4.相続方法を決める
相続方法には、単純承認・相続放棄・限定承認の3種類の方法があります。
相続財産の内容によって、どれか1つを選びましょう。
●単純相続
単純承認は、被相続人の権利義務を無限に承継する方法をいいます。つまり、資産遺産も負債遺産もすべて相続することになります。民法では、この単純相続が相続の基本とされています。通常、相続財産の内容が、プラスのほうが多いときに選ばれる相続方法です。
●相続放棄
相続放棄の方法を選ぶと、その人は相続の始めから相続人でなかったものとみなされます。つまり、負債遺産はもちろんですが、資産遺産も承継を放棄することになります。この方法を選択するには「自己の為に相続が開始されたことを知った日」から3ヶ月以内に選択する必要があります。
通常、相続財産の内容が、マイナスのほうが多いときに選ばれる相続方法です。家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出しなければなりません。
●限定承認
限定承認とは、相続によって得たプラス財産の範囲でマイナス財産を弁済し、その後プラス財産が残っていれば、それを相続するという方法です。通常、相続財産の内容が、プラスが多いのか、マイナスが多いのかが、不明なときに限定承認の方法が選ばれます。
この方法を選択するには「自己の為に相続が開始されたことを知った日」から3ヶ月以内に財産目録を作成し、「限定承認申述書」を家庭裁判所に提出することが必要です。
㊟限定承認の注意事項
限定承認は他の相続方法と異なり、相続人が複数いる場合、単独で行うことはできず、
相続人が共同して行うことが必要となります。したがって、相続人の中にひとりでも反対
する人がいる場合には限定承認を行うことはできなくなります。
③-5.故人の所得税申告
確定申告が必要な人が亡くなると、相続人等が亡くなった人の代わりに所得税の準確定申告をすることが必要になります。
通常は、1月1日から死亡日までについて、亡くなった年分の確定申告を行ないます。
3月15日までに亡くなり、前年分の確定申告をしていない場合は、前年分の申告も必要になります。
準確定申告の方法は、相続人等の氏名を記載する付表以外は、通常の確定申告とほぼ同じです。
●準確定申告が必要なケース
・個人事業主、不動産を賃貸していた
・公的年金を受給していた、多額な医療費を支払った
・二箇所以上から給与を貰っていた
・給与や退職金以外の所得がある など
③-6.相続人全員で協議し、遺産分割協議書の作成
遺言書が存在しない場合は、原則として相続人全員で遺産を分ける方法を決めます。
これを一般的に遺産分割協議といいます。
遺産分割協議は、相続人全員で行なう必要があります。
相続人のうち一人でも協議に参加していない場合は、その遺産分割協議は無効です。
全員参加ができない場合や一人でも合意しない者がいる場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができます。
家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てる方法→http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_07_12/
通常その協議で決まったことを遺産分割協議書を作成して、相続人全員の実印を押印して、印鑑証明書を添付します。
遺産分割協議書の内容は「誰が」「何を」「どのようにするのか」という点を明確に記載することがポイントです。
③-7.主な遺産種類の相続手続について
主な遺産種類について具体的な相続の手続き方法が書かれているサイトをお伝えします。
●不動産
http://www.cosmos-sihou.jp/meigi_henkou.html
●銀行口座
http://www.resona-gr.co.jp/resonabank/kojin/faq/sozoku/index.html
●ゆうちょ銀行
http://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/tetuzuki/sozok/kj_tzk_szk_index.html
●株
http://kabu.com/rule/souzoku.html
●生命保険
http://www.sozoku-sodan.net/200/20015/
●自動車
http://www.meihen.e-osusume.com/souzoku.html
●ゴルフ会員権など
http://www.mmjp.or.jp/tubaki-golf/copy.files/sozoku-c.html
③-8.相続税に関する3つのポイント
ここでは、基本的な相続税に関するポイントを3つお伝えします。詳細はそれぞれのリンク先でご確認してください。
●相続財産を評価し、相続税の有無を確認
故人が残した財産が、相続税の決まりに基づくといくらになるのかを計算することを財産評価といいます。
相続税には、この財産評価額はこの金額以下なら相続税が掛からないという非課税枠(基礎控除額)があります。相続財産がこの基礎控除額を超えなければ、相続税に関する手続きは一切必要ありません。
相続税の基礎控除額は、3000万円+(600万円×法定相続人の数)です。
(例)相続人が二人の場合
3000万円+(600万円×法定相続人の数)=4200万円
つまり、相続財産が4200万円までは、非課税で、相続税の手続きは一切必要ない
ということになります。
特に土地の財産評価は、小規模住宅等の特例など、様々な特例が設けられているので、専門家に依頼されることが望ましいでしょう。
●相続税の計算
相続財産の評価額が非課税枠(基礎控除額)を超えている場合は、相続税額を計算する必要があります。
税務署が納税の有無や相続税額を知らせてくれるわけではありません。
超えている額に対して、大まかには以下の税率で税額が計算されます。
【相続税の速算表】
もう少し細かい計算方法を知りたい人は、http://www.tokyozeirishikai.or.jp/general/zei/souzoku/でご確認できます。
また、インターネット上では、自動システムによる簡易的な相続税の計算もできます。
→http://www.harakaikei.com/simulation.html
③-9.遺留分の権利行使
遺留分とは、不平等な遺言書があった場合でも、民法で定められている法定相続人が一定の割合を相続できる財産のことをいいます。
その遺留分の割合は、原則として、法定相続分の二分の一で、父母だけが相続人の場合に限り、法定相続分の三分の一です。
●2つの期限がある
この遺留分の権利を行使することを遺留分減殺請求といいます。この請求の行使には、「時効」と「除斥期間」に2つの期限があります。
時効は1年で、除斥期間は10年です。
つまり、自分に相続が発生したことを知っている場合は1年で、知らなくても相続が発生から10年経過すれば、遺留分を請求することができなります。
●遺留分減殺請求は、兄弟姉妹はできない
遺留分減殺請求をできる権利は、相続人の中でも配偶者、子、親だけです。兄弟姉妹には遺留分の権利がありません。
●黙っていては、遺留分は相続できない
遺留分は、黙っていてもらえる権利ではありません。欲しいと思う人が積極的に請求しなければ取り戻すことはできないのです。具体的には、遺産をもらいすぎの人に対し、「私には遺留分があるので、遺産をもらいすぎの人から遺留分を返してもらう意思があります」と通知することが必要です。
遺留分の権利行使についてはhttp://iryuubun.com/iryubun/index.htmlで詳しく説明されています。
④その他
この項目では、今までにお伝えしたことに加えて、知っておけばきっと役立つであろうことを5つお伝えしています。
④-1.必須書類を複数枚準備しておくと、余分な手間が省けます
亡くなった人の戸籍謄本と住民票(除票)は、原本3通とコピー5通は準備しておきましょう。
それと死亡診断書(死体検案書)も、原本1通とコピー3通を準備しておくていいでしょう。
④-2.葬儀は「生前予約・積み立て」をしておけば、割引になる
不慮の事故死の場合は難しいと思いますが、そろそろお迎えが近い年齢に達したら、葬儀の生前予約や葬儀費用の積み立てをしててほうがいいです。
なぜならば、葬儀に掛かる費用がかなり割引になるからです。最大で20%~30%も割引になる葬儀社もあるようです。
また仏壇や香典返しの割引もしているところもあります。また葬儀の生前予約や積み立てをすることによって、慌てて葬儀社を探す必要もなくなるので、必然的に悪徳葬儀社の被害も受けにくくなります。
さらに生前から葬儀社と関わることで、当人の希望する葬儀内容や遺産相続についても会話をするきっかけになるので、死後の手続きもスムーズになり、当人も安心できるというメリットもあります。
④-3.病院紹介の葬儀社の中にも悪徳業者はいる
●病院紹介を受けるため、多額の費用が掛かっていることもあるから
病院内に専門の詰め所を設けて、1日24時間担当者を在席させる費用
病院に手数料を支払う費用
もちろん、これらの費用は葬儀料金に上乗せされます。
●死後直後の動揺の中、遺族と接触できるから
病室で亡くなってから本当に30分も経過していないのに、葬儀社の営業マンから声を
掛けられることもあるようです。
遺族の気持ちが一番動揺しているときを見計らって葬儀の申込書にサインさせるよう
です。
④-4.香典泥棒と香典返し詐欺に気を付けよう
小規模な葬儀や告別式であれば、親族の顔が分かっているのでないようですが、比較的大きな葬儀や告別式だと、香典泥棒や香典返し詐欺が出没することもあります。
香典泥棒の手口は、受付けの人に「疲れたでしょう。私が交代しましょう」と言い、そのまま受付所にあった多額の香典を待ち去る方法。この香典泥棒は、あらかじめ交代時刻や交代メンバーを決めておくと、防ぐことができます。
また、香典返し詐欺とは、参列者でもないのに、喪服で訪れて香典返しだけを受け取って、そのまま立ち去るという寸借詐欺です。
この詐欺を防ぐには、当日は香典返しの目録だけを渡して、後日香典返しの品を送付する方法にすればいいでしょう。
④-5.葬儀後にはセールス電話や訪問販売が激増する
早いときには、葬儀の翌日からセールス電話が鳴りはじめます。
その内容は、香典返しギフトや墓石、墓地等の販売電話です。多いときには、1日20本近くの電話が入ります。さらに数日経つと、デパートの営業マンも頻繁に訪問してきます。
これらは、葬儀直後でまだまだ落ち付いてない気持ちをさらにイライラさせます。
どこから親族の死亡情報が入手したかは不明ですが、個人情報保護法では、故人の情報は規制対象外のようです。
⑤死後手続きに関わる費用相場
ここでは、業者に依頼した場合の死後手続きに関わる費用相場を4つの種類に分けてお伝えします。
⑤-1.葬儀関連費用 葬儀関連全体費用 20万円~810万円
内訳
葬儀本体費用 20万円~500万円
お寺・お坊さん費用 1万円~188万円
飲食接待費用 1.5万円~450万円
参考サイト:http://www.sougisupport.net/hiyo_average.html
⑤-2.相続手続き費用
専門家でないと難しい不動産名義変更と相続税申告の費用についてお伝えします。
また、市区町村役場へ足を運ぶ時間がない人向けにその代行費用もご用意しました。
不動産名義変更費用 基本料金3~10万円+固定資産評価額の0.4%
参考サイト:http://www.cosmos-sihou.jp/hiyou.html
相続税申告費用 相続財産評価額の0.5~1%(相続税支払いは含まれてません)
参考サイト:http://www.cosmos-sihou.jp/zeirisihousyuu.html
戸籍謄本等収集代行費用 1.5万円+実費
参考サイト:http://koseki-toriyose.net/fee/
その他、遺産分割協議書の作成や銀行口座、調停などの費用は、専門家にお問合せください。
⑤-3.遺品整理費用
遺品整理は、亡くなった人の家具や生活用品などを整理し、部屋をきれいにすることです。
通常は、遺品量が多いので、不用品回収業者ではなく、遺品整理の専門業者へ依頼します。
遺品整理費用の相場 (総額|ただし消費税は別途)
ワンルーム 30,000円~100,000円
1DK 30,000円~120,000円
1LDK・2DK 50,000円~250,000円
2LDK・3DK 90,000円~420,000円
3LDK・4DK 120,000円~680,000円
4LDK・5DK 150,000円~800,000円
⑤-4.特殊清掃費用
特殊清掃とは、孤独死や自殺などで汚れてしまった部屋を消臭・消毒して清掃すること。
ある一定期間、遺体があった部屋では、その死臭が強烈で、通常のハウスクリーニング業者では依頼できません。
そのため、孤独死の増加に伴い、近年では特殊清掃専門業者も登場しています。
特殊清掃費用の相場 55,000円~500,000円 (総額|ただし消費税は別途)
内訳
腐敗体液・汚物撤去 20,000円~250,000円
害虫駆除 15,000円~100,000円
消臭消毒 20,000円~150,000円
⑥死後手続きの中で、やらなければデメリットを受ける3つのこと
死後の手続きの中には、故人への想いは別にしても、どうしてもやらなければならないことや、絶対やったほうがいいことがいくつかあります。
最低でも必ず、下記の3つは行いましょう。
⑥-1.死亡届の提出
市区町村役場へ死亡届の提出は絶対にしなければならないと、戸籍法第86条で定められています。死亡を知っていたにも関わらず、死亡届を提出していなければ、罰せられる可能性があります。
戸籍法第86条:http://www.osoushiki-plaza.com/library/houki/siboutodoke.html
⑥-2.火葬・埋葬
日本では、墓地、埋葬等に関する法律第3条の規定により、原則として、死体(もしくは妊娠7か月以上の胎児)は、死後(もしくは死産後)24時間以内は火葬してはならないとされている。もし、遺体をそのままにしていたら、最悪の場合、死体遺棄罪に問われることもあります。
墓地、埋葬等に関する法律第3条:http://ja.wikipedia.org/wiki/墓地、埋葬等に関する法律
⑥-3.相続手続
もしも、自分に相続が発生していることを知っていて、その手続をしなければ「単純相続」の扱いになります。つまり、亡くなった人の資産も負債もそのまま引き継ぐことになります。その遺産評価額が基礎控除額より多ければ、相続税の支払い義務が発生します。
また借金などのマイナス遺産も引き継ぐことになりますので、その支払い責任も背負うことになります。相続手続きをしていないと、遺産を現金化できないので、どちらにしても現金の準備が必要になるというデメリットが生じてきます。
さらに相続手続をすみやかにしなかったため、その他相続人の出産等で相続人が増えて、自分が相続できる財産額が減ってしまうデメリットも考えられます。
参考サイト:http://souzoku.yabuuchi-office.com/3_8.html
Seul Ong, Yoon Hyun Sang – On The Way To Love
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