変わる弔いの形(3) ... #ちゃんと泣ける葬儀やりませんか? #涙活...

遺族が大変なだけの葬式はやめて、もっと自由な。

たとえば仕出しはカップラーメンでもいいから、ゆっくり故人を偲ぶお葬式。


そんな新しい葬儀の形はないかと模索しているのが「#鎌倉自宅葬儀社」。

残された遺族があまり気を遣うことなく、とことん泣けるように。

場所は「自宅」がいいそうだ。

きっかけは、おじいさんの死

馬場さんは13年間、フリーランスで葬儀ビジネスを経験してきた異色の人。

長く葬儀に携わってきた馬場さんの価値観を揺さぶったのは、祖父の死だった。

「業界に入って10年くらい経って、初めて親族の死に携わったんです。それまでは第三者が亡くなることは理解できるんですけど、親戚が亡くなったことがないので、遺族の気持ちがわからなかったんです」


初めての喪主側での葬儀は式場で慌ただしく進められ、戸惑いもあったという。

「葬儀を取り仕切ってわかったのは、遺族もしっかりお別れをしたいんだけど、寺やお客さんなどいろいろな方面に気を使うし、それどころじゃないんですね。僕も悲しんでいる暇はなく、これが喪主の気持ちなんだとやっと理解できたんです。これは結構きついなと」


遺族が泣ける「自宅葬」というかたち

結局、「ちゃんと泣けずじまい」のまま式が終わってしまったという。

葬儀が終わって落ち着いて1週間ほど経ったころ、祖母たちと話をしている時に初めて、突然、涙がでてきた。


「泣けるって、死を理解するというか、気持ちの整理がつくことなんです。気持ちいいじゃないですか。式の最中に涙を流せる葬儀をつくることができたら、それはすごい葬儀社だと思ったんです」


泣くことによって心を癒やすことを「グリーフ・ケア」と呼ぶ。


興味をもった馬場さんは、感動的な詩や映像作品などで意識的に涙を流しストレス解消を図る「涙活」(るいかつ)に参加するようになる。


「最初は絶対に泣くものかと思った。でもある動画を見せられたんです。歌手・Kさんの歌で、MVにでてくるおじいさんが祖父そっくりでした。一気に泣いてしまった。つい自分に重ねてしまって…」



K 『ハラボジの手紙』

遺族がちゃんと泣ける葬儀。

それはある種テンプレート化された式場の葬儀では実現できないのではないか。

そう考えた馬場さんは「自宅葬」をオーダーメイドで提供するビジネスを思いつく。

葬式はゆっくりでいい。もっと自由でいい。


馬場さんが提案する自宅葬の特徴の1つが、約1週間という葬儀のスケジュールの長さだ。

式場で行う一般的な葬儀は、葬儀社や会場の都合もあり、多くの場合4日程度ですべての行程を終わらせるという。


一方、馬場さんは遺族から葬儀の依頼があった場合、まず「今日は何もしないでください」と伝えるそうだ。


「何もしないで、一旦考えを整理してもらう。亡くなったことを理解し、冷静になる時間がないと、何が何だかわからない心理状態でお金の話をしなければいけなくなる」


ゆっくりヒアリングすることで、葬儀を思い出深いものにするための演出ができるという。

例えば過去には、好きだった童謡をピアノで演奏しながら出棺したり、通夜の最中にサプライズで故人へのバースデーケーキを用意したこともあった。


組み立てると簡易祭壇にもなるシンプルな棺。コンパクトで、自宅での葬儀に適している。


馬場さんの願いは、葬儀にかけるお金の金額ではなく、意味のある使い方を考えてもらうことだという。

「鎌倉自宅葬儀社がターゲットとして考えていたのは、ベンツに乗る人よりも、プリウスに乗る人。かっこよさや見栄よりも、性能を重視する人。極端な話、仕出しはカップラーメンでもいいんです。故人を偲ぶものであればなんでも」


葬式はあくまでも遺族のためのものという原則が、馬場さんの考え方の根底にある。


自宅葬は選択肢の1つ。

6畳一間でもできるシンプルな家族葬のイメージを広めていきたいと馬場さんは語った。


「葬式は要らない」というのは寂しい

もともと日本の葬儀は自宅葬が当たり前だった。

1980年代以降、都心部では住宅問題や地域との連携の難しさから自宅葬が廃れ、代わりに式場での豪華な葬儀が一般的になった。


そこから徐々に「高額な葬儀は無駄」という風潮が進み、葬式は要らないという発想のもと、とことんシンプルな「直葬」というトレンドが生まれた。

これは葬儀をしない「火葬のみ」のスタイル。


2014年の鎌倉新書の調査では、関東圏における直葬の割合は20%を超えているという。


しかし馬場さんは、行き過ぎた簡略化には賛同しない。

「金銭的な理由は別として、葬式は無意味なものだから燃やすだけでいいよっていう感覚は、やっぱりわびしい。亡くなった方を偲ぶことができないと、弔いきれずに後悔すると思うんです」




葬祭業(そうさいぎょう)は、葬儀や祭事の執行を請け負う事業である。

葬儀のみを行う場合は葬儀業ともいうが、石材店や生花店・造花店など葬儀にかかわる業種が兼業することも多く、近年では他業種から参入するケースもある。

葬儀・葬祭の執行には公的な資格等は必要が無く国や地方公共団体の許認可や届出は不要であり、誰が何処でも葬儀社や葬祭業を名乗り営業を行う事が可能である。

厚生労働省の技能認定である葬祭ディレクターや仏事コーディネーター等などの民間資格があるが、これらが無ければ業務が出来ないわけではないために、葬儀に関する民間資格は30近く乱立され、資格商売の様も呈している。


なお、搬送車・霊柩車などを用いて業として遺体の搬送を行う行為は貨物自動車運送事業(霊きゅう限定)に該当するため、貨物自動車運送事業の許可(いわゆる緑ナンバー登録)が必要であり、自家用車(白ナンバー)及びレンタカーの霊柩車は存在しない。


参入業態形態は以下を挙げている

葬祭専門事業者 - 事業者数の2/3を占め、それらの99%が100人以下の中小事業者

冠婚葬祭業者

農業協同組合

生活協同組合

電鉄グループ

ホテル

葬祭業周辺業者 (墓地・墓石、仏壇・仏具、生花、ギフト、霊柩運送業等)

都市部では全国チェーンの葬祭会館が「画一化された葬儀」を儀式として行う傾向があるが、主に地方部では「地元の葬儀屋さん」が「地元のしきたりを重視した葬儀」を行う場合が多い。


葬儀屋の仕事内容

葬儀社によっても異なりますが、仕事の内容は下記のように多岐に渡ります。

亡くなってから通夜・告別式・火葬までの間にしなければならないことは、葬儀社の仕事としてそのほとんどがカバーされています。


遺体の搬送

遺体のケア(ドライアイス・エンバーミングなど)

遺体の安置・納棺

枕飾り設置

僧侶の手配

通夜・告別式の設営(祭壇含む)

線香・ローソクなど消耗品の手配

棺・死装束の手配

遺影の手配

通夜・告別式の司会進行

供花・供物の手配

料理の手配

霊柩車、移動用車両の手配

火葬場・骨壺の手配

会葬御礼・香典返しの手配

プラン料金に含まれる葬儀屋の仕事


葬儀社にはあらゆることをお願いできますが、気になるのはやはり料金のことです。

○○プランなどのセット料金に何がどこまで含まれるのかは、葬儀社によっても異なります。


一般的には、【葬儀本体の費用】の以下項目が含まれることがほとんどです。

遺体の搬送

遺体のケア(ドライアイス・量の制限あり)

遺体の安置・納棺

枕飾り設置

通夜・告別式の設営(祭壇含む)

線香・ローソクなど消耗品の手配

遺影

通夜・告別式の司会進行

霊柩車

火葬場・骨壺の手配


人数によって変動する飲食関係や会葬返礼品(香典返し)、個人によって異なる宗教者へのお礼(お布施や戒名料)などは、ほとんどの場合、プランには含まれません。

ただし、葬儀社によって含まれる場合もありますので必ず確認が必要です。


各種手配、役所への届け出代行も

葬儀社にもよりますが、葬儀に関係する以下の手続きは代行してもらえます。


供花・供物の手配

遺影用写真の引き延ばしの手配

ドライアイスの手配

死亡通知状の手配

飲食物の手配

返礼品(香典返し)の手配

新聞の死亡広告の手配

宗教者の手配

喪服の貸し出しの手配


また、役所への死亡届の提出(埋)火葬許可の申請と受け取りも、葬儀社に代行を頼めます。

慌ただしい中、遺族が役所に行く時間を見つけるのも大変なので、葬儀社に依頼するケースが多いようです。



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