#終い方(3)... #子供に迷惑をかけたくない #お葬式のときの揉めごと #相続トラブル
「相続税が全ての人にかかるものではない」ということをご存知と思います。
相続税控除というものがあって、基礎控除3000万円+600万円×法定相続人数を越えていなければ遺産に対して相続税は発生しません。
そして、あまり知られていませんが、亡くなった方の葬儀にかかった費用は、相続税控除額に加算されます。
例えば法定相続人が5人で、葬儀費用が200万円とすると、基礎控除3000万円+600万円×5=6000万円に加えて、200万円が加算され、6200万円を超えなければ相続税は払わなくていいわけです。
そこで、頭のいい人が考えた節税対策が「生前に購入した墓、仏壇、仏具は相続税控除の対象になる」という税法を応用する方法です。
具体的にはお仏壇のお鈴(あのチーンと鳴らすやつです)を金で作って高額にしてしまうのです。
金ののべ棒を持っていると相続財産と見なされますが、お鈴の形に加工するだけで相続税の対象から外されるわけですね。
デパートの仏具売り場に行ってみればわかりますが、金でできた手のひらサイズのお鈴が数百万円で売られています。
ちなみにこれらは純金ではなく18金で作られていることが多いようです。
なぜか分かりますか?
純金で作ると柔らかくて叩いたときに凹んでしまう可能性があるため、仏具として認定されないからだそうです。
以前、税理士さんと話したときに、「この理屈で行くと墓石を金で作っても相続税控除になるのか」ということが、冗談半分で話題に出たことがあります。
結論は税務署が判断するしない以前に、「絶対に盗まれるだろう」という当然の結論でした。
お葬式の場でのいざこざについてです。
取っ組み合いや、ののしり合いは、お金持ちの葬儀の現場に限定すれば、ほとんどありません。 大体、揉めるときはお金が原因です。
しかし、資産家は弁護士や信託銀行を通してきっちりした遺言書を作っておくケースが多いです。
最近は終活ブームということもあり、さらにその意識は高まっています。
遺言書がある以上、亡くなってから遺族が騒いだところで、誰がいくらもらうという結論がひっくり返るわけではありません。
故人の遺志に不満があったとしても本人は亡くなっていますから、文句の言いようもありません。
あえてみっともない醜態をさらすことは無駄なのです。
仮に遺族同士の交渉の余地が残っている場合でも、お葬式に影響があるような暴れっぷりは今後の交渉の際、マイナスになってしまうでしょう。
ちなみに葬儀の進行を妨害するのは刑法188条条違反です。
適用されることはめったにありませんが。この場合もわざわざ揉めることは得策ではないのです。
とはいえ、表面上いざこざがなくても、親族がそれぞれ内心どう思っているか、ということに関して葬儀屋さんは気づいています。
葬儀を滞りなく終わらせるためには、誰がキーパーソンか、どういう派閥構成になっているか、ということを一応押さえておかなくてはなりません。
そのため葬儀屋さんは漂う「空気」にも敏感になっています。
葬儀前の歓談を行っている座席の位置、言葉の言い回し、話しかけている声のトーンなどからなんとなく関係性が分かります。
例えば誰からも好かれそうな好人物にもかかわらず、どうも周囲の扱いが冷たいので不思議に思っていたら、その人物が婚外子だったというケースがあります。
どのケースでも「くせ者」は、法定相続人その人ではなく、法定相続人の配偶者であることが多いです。
直接の血縁はないが、間接的な利害関係はあるからですね。
他には一般参列席で尋常ではないくらい嘆き悲しんでいる女性がいて、それなのに親族が誰もその人のことを知らないという「ワケあり」のケースもあります。
一方で遺産のほとんどを公共の組織に寄付したにもかかわらず、親族から愛情を持って見送られる方もたくさんいらっしゃいます。
「子供に迷惑をかけたくない」。最近、ご自身の葬儀の相談にいらっしゃる方が言うキーワードです。
「迷惑」と言っては語弊がありますが、確かに親が亡くなったことで大変な思いをするお子さんは多いです。
みなさんも「もし親が死んだら、自分はどうすればいい?」ということを一度は考えた経験があるのではないでしょうか。
親の葬儀で迷惑をかけられない方法
子供が被る迷惑の度合いで、親が自分自身のお葬式に対して取るべき態度を評価するとこんな感じになります。
○:良く調べて自分のお葬式のやり方を決めておく
△:子供に全て任せてしまう
×:出来もしないお葬式のリクエストを言い残す
子供にとって一番ありがたいのは親自身がお葬式の内容を「ちゃんと」決めているケースです。
こういう親は自分自身のお葬式の内容をエンディングノートに書き記しており、依頼すると決めている葬儀屋さんの連絡先やお葬式の見積もりなどを残しています。
そして、ここまでお葬式の事を決めている人は遺言書を作成して相続で子供たちが揉めないようにしている場合が多いです。
いわゆる「終活」をちゃんとやっているわけですね。
こういう親を持つと子供には迷惑がかかりません。
あの名優も「終活」!? 残された迷惑な遺言
“△”の「子供に全て任せる」と聞いて、いやいやそれは困るよ、と思われる方も多いと思います。
しかし“×”の「出来もしないお葬式のリクエストを言い残す」よりはずっとマシなのです。
だいたいの“×”の人は、無頓着なのか縁起が悪いと思っているのか、お葬式の知識が絶対的に不足しており、よく調べずにイメージだけでお葬式を語りがちです。
その結果、交友関係が広いにもかかわらず、「誰にも知らせるな」と言い残す、遺族の同意が取れていないのに「遺骨をまけ」と言い残すなど、残された遺族を困らせてしまうケースが多いのです。
ちなみに上記の事例は俳優の故・三國連太郎さんが実際にやってしまったことです。
できもしないことを言い残されると、遺族はお葬式の時に苦労するだけでなく、ずっと望みをかなえてあげられなかったという罪悪感を引きずることになります。
親が亡くなったとき、迷惑をかけられないため、子供がまずできること。
それは、親御さんに、葬儀屋さんの主催するお葬式のセミナーに参加してもらうことです。
葬儀のリアルで、正しい知識を知ってもらいましょう。
事実、最近は葬儀セミナーブームでほとんどの葬儀屋さんがお葬式のセミナーを行っています。
空前の葬儀セミナーブーム。親の上手な誘い出し方は?
セミナーには健康不安を持つようになると行きづらくなるので、元気なうちに早めに参加してもらうべきです。
そうは言ってもお葬式のセミナーを勧めるってハードル高いなぁと、感じた方も多いでしょう。
確かに、ズバリお葬式というセミナーもありますが、最近は「相続」や「エンディングノート」をテーマにしてハードルを下げて参加しやすいように工夫しているセミナーも多いのです。
ここでお葬式の知識を得てもらいましょう。
それから、終活に対して男性は腰が重く、女性は積極的です。
まず母親をそそのかして、父親を口説かせると成功率が高まります。
さて、お葬式のセミナーに参加するもう一つのメリットは、セミナーを主催している葬儀屋さんの良し悪しを見分けることができるということです。
なぜお葬式に塩は必要なのか!!!
「塩をまいておけ!」
先日、ネット上で葬儀後のある出来事が話題になりました。
きっかけは2017年5月14日の朝日新聞朝刊のある男性の投稿。
その男性は葬儀後、喪服姿のまま飲食店に入って食事を済ませ、店を出る際に、店主が店員に「塩をまいておけ!」と言っているのを聞いたとのこと。
店主の振る舞いの是非がネット上で話題になり、最終的にはテレビでも採り上げられました。
店主の気持ちを想像すると、葬式帰りの奴が店の中に入ってきた。
縁起が悪くて不愉快だ。
塩には穢(けが)れを取り除く効果があると言われているので塩をまいたということなのでしょう。
この店主、お代を払った客を不愉快にさせているわけですから、理由はどうであれ商売人としては失格だと思います。
どうしても気に入らなければ男性がいなくなってから塩をまくこともできたはずですから。
余談ですが、私の勤める葬儀社が新しい葬儀会館を建てた頃の話です。
新しい会館ができて半年くらい経ったころ、近所のある飲食店からお歳暮が届いたことがあります。
理由を聞いたところ、葬儀会館ができたことで、お葬式の参列帰りにお店に立ち寄る人が増えて売り上げがアップしたからその御礼とのこと。
気にしない人は全く気にしないということなのでしょう。
この穢れと塩に関する問題、読者の中には非科学的と笑い飛ばす方もいらっしゃると思いますが、実はなかなか根深い問題なのです。
日本人は人の死に恐怖を感じ、忌むべきものとして嫌ってきました。
そして人の死を穢(けが)れの一つとしてとらえ、その穢れを清める方法を生み出してきたのです。
その一つが塩を使うという方法です。
お葬式に参列された経験のある方なら御存じだと思いますが、お葬式ではお礼状や返礼品と一緒に「#清め塩」というものを渡されることが多いです。
これは粉薬の分包のような小さな袋に塩を入れたものです。
それを自宅に帰る前に、封を切って体にふりかけたり、地面にまいて踏んだりするわけです。
ちなみにふりかける方法は服の繊維を傷める可能性があるので、その地域の作法で決まっているのでない限り、踏む方法をお勧めします。
日本の葬儀の約8割は仏教形式で、帰りに塩をもらうことが一般化しているのですが、この塩で穢れを清めるという習慣はそもそも神道の作法でした。
神道は穢れを非常に意識します。
そのため神道のお葬式の場合、神社によっては棺を霊柩車に納める直前に霊柩車のお祓いをしたり、火葬炉にお棺を納める際に火葬炉のお祓いをしたりすることもあるくらいです。
そして、神道の塩で清めるという方法が、仏教に伝播したのだと言われています。
つまり元々仏教には塩で清めるという発想はなかったのです。
その証拠に日本で最も信者が多いと言われる浄土真宗では、人の死は穢れではないので塩は不要という姿勢を取っています。
そのため私は浄土真宗のお葬式の場合、開式前の説明の時に、今日は浄土真宗のお葬式なので塩は配りません、ということをちゃんと説明します。
そう言わないと後から塩をもらえなかった、というクレームが参列者から入るからです。
日頃は科学的・合理的に振る舞う人も、お葬式の時は生理的にやっぱり塩がほしいと思ってしまうことが多いようです。
この人の死を穢れと感じる感覚は、人の死を扱う葬祭業者への差別と根っこではつながっています。
そのためこの感覚が薄れていって欲しいと思う反面、穢れを清めたいという気持ちがお葬式を行うモチベーションになっている側面もあるというのが悩ましいところです。
霊柩車の変化で新たな問題も…
葬儀の車両で皆さんがイメージするのはいわゆる宮型霊柩車と言われるものでしょう。
車の上に屋根が乗っているあれですね。
この車の原型ができたのは大正時代だと言われています。
モータリゼーションによって火葬場までの葬列が組めなくなったために普及したそうです。
霊柩車を見たら親指を隠せと言われていたころもありました。
親の死に目に会えなくなるからということらしいです。
霊柩車を見るとなぜ親の死に目に会えないのか、親指を隠せばなぜそれが避けられるのかという理由はよくわかりません。
ただ、これらの考え方自体が、そもそも漠然とした死への嫌悪感を表していること、そしてその感情は必ずしも理屈の通ったものではないことを示していると思います。
しかし、都内ではこの宮型霊柩車を見かけることはほとんどなくなりました。
現代人にとってはあまりにも仰々しいデザインですし、悪趣味と感じる人も多いからです。
地方に行くとまだ龍を一匹丸ごと載せている車に出合うこともありますが、おそらく全国的にこのような霊柩車は廃れていくのでしょう。
最近の霊柩車は一見、ご遺体を載せているとは分からないデザインがほとんどです。
エスティマのようなボックスカーでスモークシートが貼られています。
近くを通り過ぎても気づかない方が多いのではないでしょうか。
そのため忌み嫌われることはなくなりましたが、別の問題も発生しています。
出棺の時に火葬場に向かう際は、霊柩車を先頭に親族の乗ったマイクロバスや自家用車が数珠つなぎで車列を組みます。
いかにも霊柩車という車が先頭を走っていた頃は列に割り込む車というのはなかったのですが、今は霊柩車だとわからないので結構割り込まれて車列がどんどん分断されるということが多くなりました。
さて、参列できない親族の家の前を出棺の際にわざと通るというエピソードも。
例えば病院で亡くなった直後、一度自宅のマンションに帰らせてあげたいものの十分な安置スペースがないので外部の専用安置施設に故人を預けるような場合、途中で自宅マンションの周辺をゆっくりと周回したことがあります。
葬儀場から火葬場に行く間に、喪主であるご主人が、亡くなった奥様と初めて出会った思い出の場所を通っていったこともあります。
また、桜が咲く直前に亡くなってしまったおばあちゃんのために、満開の桜並木の下で1分間霊柩車を停車させたこともありました。最後のお花見です。
当然、火葬場には何時までに到着しなければいけないという厳格なルールがあり、都内は渋滞することが多いので、本来最短距離を走らなければいけません。
しかし、霊柩車の運転手を含めて葬儀社のスタッフは少しでも遺族の悲しみを和らげることができれば、という気持ちがあるので、あえてこういうことをします。
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