変わる弔いの形(6) ... #ペット信託とは。#紀州のドンファン「#遺産は愛犬に」 利用法、費用など
ペット信託という2013年に商標登録された制度をご存知ですか。
自身の死後、一緒に暮らしているペットのお世話をして頂く方を定め財産から自身の死後、ペット飼育に掛かる費用を確保しておく為の制度となります。
ペットを飼っている方の高齢化も進んでいる事から他人事ではない話だと思います。
今後需要が増えるであろうペット信託について説明します。
愛するペットと暮らしていて、もし自分に今後何かあり飼育できなくなったらどうしようと考える方は沢山いると思います。
家族に託せる方なら良いのですが、家族には託せない方も沢山います。
そんな愛するペットの為の財産分与のようなもので、飼育に掛かる費用や飼育して頂ける方を前もって準備しておけますので安心できます。
ペットも家族の一員ですから、人間同様に困る事のないよう財産を残す仕組みなのですが、色々なルールや注意事項もあります。
では、実際にペット信託を利用する事によってどんなメリットがあるのでしょうか。
下記に3点の大きなポイントを紹介致します。
①ペットの為のお金が用意できる
遺言書に「財産の一部を渡すから、今後ペットのお世話を頼みます」といった旨を残したとしてもペットの為に正しく使われるのか分かりませんし、相続トラブルに発展する可能性もあります。
ペット信託を利用すれば、そんな心配はなく確実にペットの為に使うお金として確保されます。
②ペットをお世話する人に監視が付くから安心
信託ではペットの世話を頼まれた人は幾つかの守らなければならない義務があります。
善良な管理者の注意を怠ってはならない【善管注意義務】、受益者のため忠実に事務にあたらなければならない【忠実義務】、信託財産とその他を分別して管理しなければならない【分別管理義務】の3つを遵守する必要があります。
これらは弁護士・行政書士・司法書士などを選任【信託管理人】する事ができ、信託内容通り適正に飼育がなされているのか監視をしてくれますので、善意のみでお願いする遺言とは違いキチンとした効力があります。
③死後・生前関係なく何かあった場合は利用できる
死後だけに限らず生前でも老人ホームに入居する事になった場合、怪我をしてしばらく入院する場合、介護が必要になった場合でもペット信託は利用できますので、早い段階で手続きをしておければ万が一の場合でも愛するペットを守る事ができます。
お世話する人を選定しなければならない
デメリットとして挙げられるのは、本当に自分のように大切に飼育してくれる信頼できる人に任せなければならないところです。
また、信頼できる方を見つけても引き受けて頂けるかは分かりません。
大事な命を預かる事の責任は大きいからです。
ボランティア団体により、里親探しをしてくれるようお願いする事も可能となっています。
ペット信託の利用方法は2つ
では、そんなペット信託はどのようにすれば利用できるのでしょうか。
手続きなど方法について紹介致します。
①信託会社へお願いする
信託会社も最近では増えてきて、生前に信託会社へ依頼し飼育に掛かる費用を預けておける仕組みになっています。
弁護士と提携していたり、動物病院と提携していたり手厚い内容です。
里親を探して頂け里親となって頂いた方に謝礼金の支払いを代行してくれます。
詳細は会社により異なるので各社の内容をしっかりと確認しましょう。
②合同会社を設立
また、この方法は驚かれる方もいると思いますが、生前に合同会社(管理会社)を設立しておく方法があります。
一般の会社とは違いますのでそこまで難しく考える必要はないですが、会社設立までの手順について説明を致します。
管理会社を設立し財産を移す
飼い主を代表者とした合同会社(管理会社)を設立し、ペットの飼育に掛かる費用(財産)を前もって会社へ移行しておきます。
この財産については相続とは切り離して考えられるのでペットの為に確保しておく事ができます。
遺言書を書き次の飼い主と契約を結ぶ
現在の飼い主である方は遺言書を作成しておく必要があります。
死後、自信に代わり飼育してくれる飼い主を受益者とする旨を記載した遺言書を作成し、その受益者と信託契約を生前に結んでおかなければなりません。
ペットに毎月必要な費用の支払い方法・飼い主となって頂く謝礼金などを詳細に専門家に依頼し作成しましょう。
ペットの為とは言え、会社設立と聞くと一体幾ら費用が必要になるのか不安ですね。それぞれパターンは違いますので、一概には言えませんが大体の相場を下記に紹介致します。
会社設立費用・契約書作成費用・遺言書作成費用として25~30万円
会社運営費用として月1~4万円
ペット飼育費用として100~400万円
このような費用となりますが、高いと思うか安いと思うかは人それぞれです。
今回のポイントをまとめますと、
・ペット信託とは自身の死後に残されたペットを守る為の制度である
・メリットは財産をペットの為に確保でき、キチンと飼育してくれているか信託管理人に監視してもらえる。また、生前でも自身が飼育できなくなった場合は利用できる
・デメリットは信頼できる方を探すのが大変で、その方も命あるものを預かる責任から引き受けてくれるかは分からない
・信託会社へ全てをお願いするか、自身で生前に管理会社を設立が必要となる
となります。
「紀州のドン・ファン」
「紀州のドン・ファン」の呼び名で知られた会社経営者、野崎幸助さん(77)が 5月24日に亡くなりました。
50億円の遺産があるとも言われる野崎さんは生前、ペットとして犬を可愛がっており、「自分の遺産は犬に相続させる」と話していたと伝えられています。
しかし、いくら家族として一緒に暮らしてきたペットでも、遺産を相続させることは残念ながら、不可能です。
一方で、自分がこの世を去った後、愛するペットの生活がどうなるのか、心配な人は少なくないでしょう。
そこで、自分の遺産を残されたペットのために使う方法があります。
一体、どのような方法なのでしょうか。
●「ペット信託」は財産が飼育費に使われる仕組み
自分の死後、残されたペットのために「ペット信託」という仕組みがあるそうですが、いわゆる遺言書で明記する場合と、どのように違うのでしょうか?
「ペット信託とは、飼い主が自分の死後に備えて、ペットの飼育を任せられる人を定め、その人にペットの飼育費として残す財産を管理するための仕組みのことを言います。
遺言で明記する場合と異なり、確実にペットの飼育のために財産が使用されることになりますし、財産は信託されていますので、相続争いに巻き込まれるということもありません。
ただ、本件の場合、報道によれば、飼い主よりもペットの方が先に死亡しているようですので、いずれにしても、ペット信託を利用することは出来ないかと思います」
その手続き方法もお教えください。
「手続きは信託法に基づいて行われますが、大きく分けて、自分で会社を設立する方法、ペット信託の専門業者に依頼する方法があります。前者の場合、飼い主を代表者とする会社を設立した後、その会社に飼い主の死後にペットの飼養に必要な飼育費用を信託しておきます。
その上で、次の飼い主を受益者とする遺言書を作成するとともに、ペットの飼育の為ということを記載した信託契約書を取り交わします。
また、弁護士などの監督人が、管理会社に移された財産の管理や、新しい飼い主によるペットの飼育状況を監督する制度も設けられています」
●対象は「鳥」や「魚」「爬虫類」でもOK?
ペット信託の対象となるのは、犬や猫以外の動物、たとえば、鳥や魚、爬虫類なども含まれますか?
「対象となる動物には特段の制限はありません。ただ、一般的に愛玩動物として飼育されている犬や猫などと比べると、それ以外の鳥、魚、爬虫類などの場合には、飼育方法の困難さなどから受託者が見つかりにくい、ということはあるかもしれません」
ペット信託のデメリットや心配事はありますか?
「信託のための会社を設立する場合には、初期費用がかかるという点や、始まったばかりの制度なので、運用実績が沢山積み重ねられている訳ではなく、まだ流動的であるという点が挙げられるかと思います」
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