#老後の住まい(10)... #単身高齢者の賃貸入居で新制度... #リバースモーゲージ...

単身高齢者・障害者の賃貸住宅への入居を支援する新たな制度

中野区は2019年1月から、単身高齢者・障害者の賃貸住宅への入居を支援する新たな制度をスタートさせる。

民間の見守りサービスを安価に受けられるよう費用面から支援していく。

入居者が亡くなってしまった場合、家財の後片づけや原状回復などにかかる費用を家主に補助する。

中野区によると、こうした自治体の取り組みは全国で初めてだという。

中野区に1人で暮らす高齢者の人口は、2015年の時点で2万1915人。

推計では2030年までに3万人を超える見通しだ。

一方、家賃の滞納や孤独死などへの懸念から高齢者らが賃貸契約を断られてしまうケースは多い。

オーナーの不安を解消し、よりスムーズに入居できる環境の整備が急務だ。

新たな制度では、区が協定を結んだ事業者が安否確認の電話を週2回かけていく。

その結果は登録した親族や友人などにも共有されるため、もし異変が起きれば誰かがすぐに察知できる。

初回の登録料（1万6200円）は中野区が全額を補助。

本人の負担は月額利用料の1944円のみとなる。

入居者が亡くなると、葬儀や後片付け、原状回復などの手配を中野区が実施。

これらの経費として最大で100万円を家主に補償する。

制度の対象者は、区内の民間賃貸住宅に単身で住んでいる、あるいはこれから住み始める高齢者など。

前年の所得額が256万8000円以下（単身高齢者の公営住宅入居資格と同等）という要件もある。今年3月までにおよそ40件の利用が見込まれている。

中野区の酒井直人区長は、「区民が孤独死しないよう、まずは見守りによって支えていく形で対策に取り組むべきと考えた」と説明。

「この制度は入居者、オーナーの両者にとってメリットがある」としている。

#リバースモーゲージ...

リバースモーゲージとは、簡単にいうと、「持ち家（自宅）を担保として銀行や自治体から融資を受けて、借りたお金は死亡時に自宅を売却することで一括返済する仕組み」のこと。

アメリカでは1960年代から導入された制度で、日本でも1981年に武蔵野市が全国に先駆けて、この仕組みを導入した。

リバースモーゲージを使った融資には、毎月、あるいは毎年一定額が融資される「年金方式」と、融資可能額の範囲内で、まとまった金額を一括して融資を受ける「一括融資方式」、そして決められた金額枠の中で、いつでも好きなだけ融資を受けることができる「随時融資方式」の3つがあります。

有料老人ホームへの入居費用には、入居時にある程度まとまった額が必要なことが多いので、かつてはその入居金を捻出するための自宅を売却するケースが多く見られた。

しかし、リバースモーゲージを利用すれば、契約者の生存中は自宅を所有したまま融資が受けられる。

自宅があれば、老人ホームの入居後も週末だけは自宅に戻って家族と過ごしたりと、ライフスタイルの幅を広げることができる。

リバースモーゲージは、「逆抵当融資方式」と呼ばれ、所有している不動産の価値評価に基づき設定された貸付限度額の範囲内で、毎月、あるいは一括して融資を受けることができる。

受けた融資は、有料老人ホームや高齢者向け賃貸住宅などの入居費用や、介護費用として充てる、あるいは住替費用にしたり、旅行に使ったりと、その使い道はさまざま(*1)。

そして、契約の終了～契約者の死亡～をもって担保となった不動産を売却し一括返済する。

(*1)契約金融機関などによって、予め利用目的が制限されている場合がある。

一般の住宅ローンですと、銀行などの金融機関から貸付けられたお金で住宅を購入し、毎月一定額を返済していきますが、リバースモーゲージはその逆で、すでに所有している不動産を元に、毎月一定額の融資を受けるかたちになる。

まさにリバース（逆の）モーゲージ（担保）という意味そのもの。

リバースモーゲージを利用する場合には、担保とした自宅に住み続けなくてはならないといった条件が付帯していることがありますが、そうした得た資金で老人ホームやケアハウスに入居した場合、誰も住む人がいなくなった自宅が放置されてしまいます。

しかし近年、一般金融機関が取扱いを始めた新しいタイプのリバースモーゲージでは、融資を受けて老人ホームなどに入ったあとの誰も住まなくなった自宅を他人に貸し、家賃収入を得るという使い方もできるようになった。

厚生労働省の調べでは、65歳以上の単身あるいは夫婦のみで暮らす世帯は、1970年代では96万世帯で全世帯のわずか3％だったものが、2010年には1081世帯で全体の20％に達し、2020年にはこれが30％超となる見通しとのデータもある。

急速に高齢化が進む中、自宅を所有したまま融資が受けられるリバースモーゲージに、いま注目が集まっている。