#年末年始に極貧生活を強いられる人たち...

何かとカネがかかる年末年始だが、正月の楽しみといえば、うまい食い物にうまい酒。

食卓に並ぶカズノコやカニ、豪華なおせち料理を想像すれば、気分も上がるというもの。

だがしかし、正月だからこそ、

普段よりも「極貧の生活」を強いられる人々もいる2019年。

年末年始、“極貧生活”を強いられる人たち

「正月はねえ、炊き出しに並ぶか、それでもダメなら寝て過ごすしかないよ」

 東京・JR神田駅周辺で路上生活するホームレスの中林さん(仮名)にとってみれば、寒い寒いこの時期、そして正月はまさに生きるか死ぬかのサバイバル。

神田駅といえば、サラリーマンの聖地でもあるため、にぎわうのは平日だけ。

年末年始、休み期間などは“商売”もあがったりだ。

「平日は、一日600円分くらいの空き缶が集まるね。でも大型の休みになるとてんでダメ。近くの明神さん(神田明神)なら人出も多いけど、カネになるようなものは落ちてない。さすがに我々だって残飯漁りはしないからね……」

 一般的な会社員にとっては年末年始の休みは待ち遠しいものなのかもしれないが、そうではない人たちも多数いる。


フリーターの雄大さん(26歳・仮名)も、年末年始は極貧生活を強いられる一人。

雄大さんが普段やっているのは日払いのバイトばかり。

引っ越しに事務所移転作業、交通量や渋滞の長さを測る調査などのアルバイトは、年末年始には皆無。

その日暮らしの単発アルバイターたちにとってみれば、仕事がなくなる正月は、うれしいというより悲劇である。

「暖房ももったいないから、毛布をまいて日がな一日漫画を見ているか、携帯でゲームをしています。コンビニのバイトでもすれば? って言われるけど、給料がいいから最近は若い高校生などが殺到していて、俺らは行きづらい。クリスマスのケーキ売りなんてバイトもあったけど、我々が売ってると……ほら、売れないでしょ、辛気臭くてさ」


「三が日過ぎに、やっと正月気分が楽しめる」

 雄大さんは普段、閉店間際のスーパーで安売りしている弁当や総菜などを食べているというが、正月が近づくと商品棚にも変化が見られるという。


「クリスマスを過ぎると、スーパーには正月用品ばかりが並び、普段売っているような総菜や弁当が少なくなるんですね。だから、夜のタイムセールまで商品が残らず、飢え死に寸前にまで追い込まれたことがある。正月三が日は総菜弁当は撤去され、カズノコや刺身、肉など高級品ばかり並び、とてもじゃないが手を出せない。三が日過ぎに、かまぼこや昆布巻きなどが安くなるため、やっと正月気分が楽しめる」


同様に、この時期はスーパーの試食コーナーも撤去される。

節約のためにと日常的に訪れる役所などの給水コーナーも閉まっており、仕事納め前までにペットボトル数本分のストックを用意するともいうから、正月はまさにサバイバルだ。


「#年末年始の連休なんかいらねぇ!」という人たちの深刻事情

新しい年、2019年が明け、例年なら休みも残り僅かだが、この年末年始は三が日をはさみ前後が週末のため、正月休みが「9連休」という幸せな人も少なくないだろう。

 実家に帰るもよし、海外に旅行に行くもよし、思い切って寝正月を満喫するのもよし。

しかし「休み」といえば問答無用で楽しい、

うれしいと思うのは限られた人だけなのかもしれない。

正月休み、大型連休を手放しで喜べないどころか、できれば「連休なんてなければよい」などという人々もいる。


大型連休は手取りが減るので困る

「休日があればあるほど生活ができなくなる。人力飛行機みたいなもので、漕がなければ堕ちてしまう。派遣社員なんて、そんな生活なんですよ。9連休もあれば、単純に手取りが5万以上減る。2月3月は人並みの生活を送れるかどうか不安です」


 東京都下の自動車工場に派遣社員として勤務する内村さん(仮名・40代)は、かつて某大手自動車メーカーの工員として働いていたが、赤字解消のために工場が閉鎖され、職も失った。

それからすぐに派遣社員として別メーカーの自動車製造工場に行くことになったが、年齢的に派遣先の社員に昇格することも厳しく、月給制ではなく日給制で10年以上働き続けている。

「派遣会社のメンバーでも最年長。ほかの派遣社員の労務管理をやったりするので、勤務ごとに数千円の手当てが出るのが救いですが、休日となればそれもゼロ。最近は残業がダメ、なんて風潮があって、残業で小銭を稼ぐこともできない。非正規にとって、休みはうれしくもなんともない」


収入がある公務員でもツラい

 うって変わって、都内の某省庁に勤務する松井さん(仮名・30代)は、独身かつ高給取りということもあり、さぞかしハッピーな年末年始を過ごすのかと思いきや、現実は甘くないのだとため息をつく。

「緊急事態が発生するといつでも飛んでいかなければならないという仕事柄、年末年始の待機要員に選ばれるのは決まって独身者。しかも私の場合は実家も都内にあるため、わざわざ正月に帰るなんてこともしない。実家に帰れば『結婚しろ』と母親が呪文のように言ってくる。ほとんどの友人は結婚してるし、部下は帰省してるし、実家も帰りづらい。去年は無理やり仕事を作って登庁し、居合わせた部下と飲みに行きました。あ、もちろん勤務はつけていません。みなさんの税金ですからね」


確かに、  #年末年始はなぜか家族や親族で過ごさなければならないという感覚がある。

この慣習こそが長期休暇を「嫌なもの」にさせている節はないだろうか?


家族・親族から根掘り葉掘り聞かれるのがツラい

「アラサー超えてすでにアラフォー。

弟は結婚し、兄である俺の代わりに実家を継ぐことになった。

そもそも弟は、公務員になり嫁も子もいて堅実派。

正月にみんなで集まれば、俺なんて居場所がない。

弟のモノになる予定の実家にはすでに俺の部屋はなく、何でもかんでも弟と比較されて。

正月は本家である実家に集うのが“親族の掟”みたいになっているので、行かなきゃ行かないでうるさい。

9連休もあれば、三泊くらいはしないと、何をやっているんだ、友達はいないはず、仕事もないはず、と根掘り葉掘り聞かれて。せめて三日間は我慢しないと……」

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