よく考えたい... ある事例(6) #安楽死 #尊厳死 #安楽死関連法案...

安楽死選んだ有名DJ

2017.3.5

イタリア北部ミラノ近郊で名の知れたディスクジョッキー、通称ファーボ氏(40)が2月末、ジュネーブ近郊の安楽死専門病院で幇助(ほうじょ)付き自殺を遂げた。

 ファーボ氏は4年前の6月のある夜、自動車事故を起こし、失明と四肢のまひに加えて絶え間ない激痛という後遺症を背負うことになり、生きる望みを断たれた。だが、イタリアには延命治療措置の放棄を希望する遺言制度がなく、安楽死援助団体のサポートでスイスへ「自発的自殺の途」についたわけである。

 スイスには毎年約200人のがん末期患者を主体とするイタリア人が安楽死を求めて赴くが、スイスの病院側の厳しい審査と話し合いの結果、40%が再び帰国するといわれている。

 安楽死専門病院は人道的見地から措置を施すのであって、決して営利目的で安易に受け入れているわけでない。また、イタリアの刑法には禁錮5~12年の「自殺幇助罪」があり、公然とスイスに付き添っていくことはできない。

 だが、今回の一件の影響は大きく、世論調査機関AWGによると、20年前のイタリアで「安楽死」への賛成は僅か10%だったのに対し、今回は条件付きを含め74%が「賛成」と答えた。

 国会も長い間たなざらしにしてきた「安楽死関連法案」を近く審議する予定となった。

日本では法的に殺人に当たる安楽死の一方で広がる「尊厳死」

2014.11.07

11月1日、アメリカ・オレゴン州に住むブリタニー・メイナードさんは、医師から処方された薬を服用し29年という短い生涯に幕を下ろした。

 今年1月、多形成膠芽腫(たけいせいこうがしゅ)という悪性の脳腫瘍と診断されたブリタニーさん。直後に腫瘍の切除手術を受けたが、4月になって再発が判明。同時に余命6か月という残酷すぎる宣告を受けた。

 いくつもの病院を回り必死に治療法を探すも、彼女の容態は深刻で手の施しようがなく、その間も激しい頭痛とひきつけのような発作に見舞われる日々。これ以上苦しみが続くことと、脳の病気のために愛する夫や家族の顔も理解できなくなってしまうことを恐れた彼女は、インターネットを通じて、全世界に向けて安楽死することを宣言、それを実行に移したのだった。刑事訴訟法に詳しい元最高検察庁検事で、筑波大学名誉教授・土本武司氏はこう解説する。

「オランダやベルギーなど、世界には安楽死を認める法律をもつ国があります。また、米国内でも、オレゴン州やワシントン州など5つの州で安楽死に関する法律が定められています。オレゴン州の法律では、余命6か月未満で責任能力のある成人の末期患者が、医師に処方された薬を自己投与して自殺することを認めています。

 従来の考えによれば、自殺を目的にする人に致死量の薬剤を与えた医師は“自殺のほう助”をしたとして処罰されますが、この法律はその医師を罪に問わないと規定しているんです」


 現在日本では安楽死は認められていない。たとえ本人や家族が強く望んだとしても、そうした医師の行為は殺人や嘱託殺人などに当たる。
一方、日本国内では近年、安楽死とは異なる“尊厳死”が広まっている。


「人為的に薬物などを投与して死期を早める“安楽死”に対して、人工呼吸や胃ろうなどの延命措置を行わず、死を自然な経過に任せるというのが“尊厳死”。例えば末期のがんであれば、過剰な抗がん剤の投与で最期まで苦しむのではなく、緩和ケアを受けながら自然に死を迎えるというものです」(前出・土本氏)


こうした尊厳死は、“最初から”延命措置を行わない場合をいう。

逆にいえば、ひとたび措置を開始した後、患者が中止を望んで医師が人工呼吸器を外した場合、医師は殺人罪に問われる可能性が出てくるのだ。


 そこで今年3月、超党派議員による『 #尊厳死法制化を考える議員連盟 』は、治る可能性のない末期の患者が延命措置を望まない場合、医師が措置を中止しても法的責任を問わない、という尊厳死法案の素案を作成した。


「しかし、“患者が本当に死を免れない状況にあるとどう判断するのか”などといった議論があり、国会提出は先送りされている状態です。

尊厳死を望む宣言書の『#リビングウィル』や、#終末期医療という言葉の広まりとともに、漫然と長く生きるよりその質を重んじるという尊厳死の考えは一般にも浸透しました。

ところが、尊厳死でさえ法整備に向けては多くの議論が噴出します。

#安楽死ともなれば、それが日本で現実になるのは、遠い未来のことでしょう」(前出・土本氏)


安楽死と尊厳死の違いとは

2017.03.17


日本で「死に方」の議論が過熱している。

これまでタブー視されてきた「安楽死」の“解禁論”も叫ばれ始めた。

作家・筒井康隆氏(82)が、月刊誌『SAPIO』(小学館刊)に寄稿した論考「日本でも早く安楽死法を通してもらうしかない」(2017年2月号)も大きな反響を呼んだ。

この論考に注目した、日本尊厳死協会副理事長の長尾和宏医師(58)の要望で、終末期医療と尊厳死、安楽死を巡る二人の対談が実現した。


長尾:先生ご自身は、理想の死に方ってありますか?

筒井:15年くらい前に、自分が死んだという想定で、著名人が架空の死亡記事を書く『 #私の死亡記事 』という本が文藝春秋から出て、私も書きました。杖をついて原宿を歩き回り、気に入らない若者を杖でぶん殴っていたら、最後は若者たちの返り討ちに遭い、袋だたきにされて死ぬと。若い頃はそんなことを書いたんだけど、やっぱり痛い目に遭うのは嫌(笑い)。

長尾:袋だたきにされても、そう簡単に死ぬとは限りませんからね。

筒井:そうなんですよ。だから、やっぱり一番理想なのは、安楽死が法制化されることなんですね。

長尾:いや、私は安楽死に反対ですよ。ところで先生の最期はがんを想定されていますか? 認知症ですか?

筒井:認知症にならない自信はありますね。MRIで脳を診てくれたお医者さんが、「少なくとも90歳まで脳は大丈夫」と太鼓判を押してくれた。頭ははっきりとしているのだから、やはり安楽死がいい。がんにしても、尊厳死だと苦痛が伴うこともあるわけですよね。


──医師が薬物を投与することで患者を死に至らしめる「#積極的安楽死」は、日本では認められていない。
一方、「尊厳死」は回復の見込みのない患者が延命治療を拒否して亡くなることを指す。


長尾氏は「尊厳死には苦痛が伴う」という筒井氏の言葉に敏感に反応した。

長尾:それが違うんです。

筒井:違うんですか?

長尾:『SAPIO』の論考でも、尊厳死は〈治療を絶つことによる苦痛が伴うから安楽死ではない〉と書かれていますが、それは間違いです。無理に延命治療をやるから苦痛が起きる。延命治療をやめて、緩和ケアに専念すると苦痛がなくなって穏やかに死ねます。これが尊厳死なんです。

筒井:本当?

長尾:本当です。医師の多くは、延命治療を断つと苦痛が増すと信じているけど、実際は延命治療を最後までやるから苦痛が大きくなる。


 ここに尊厳死協会の私の会員証がありまして、裏に宣言書が書かれているんですが、自分が意思を示せない状態になった場合、無駄な延命治療はやめてくれ、モルヒネを打つなど十分な緩和ケアをしてくれという意思を示すものです。


筒井:それはいいですね。

長尾:先生は『SAPIO』で〈苦痛を和らげる薬を貰いながら死ぬ方がずっとまし〉と書かれています。それこそ我が国では安楽死ではなく、尊厳死なんです。

筒井:日本では尊厳死は許されているんですか?

長尾:法制化されていないのでグレーゾーンといえます。ただ現実には、在宅医療だと尊厳死は可能です。私は在宅で1000人の尊厳死を看取ってきて、逮捕されたことはありません。


だけど、病院の先生はやりたがらない。病院には人の目がたくさんあって、尊厳死を行なった場合に、その医者に恨みを持つ看護師などが警察に密告したら、逮捕される可能性がある。


筒井:在宅医療でも、家族がチクるってことはないんですか。

長尾:家では医者と看護師と患者、家族の距離がものすごく近いんですよ。在宅医療の中で一体感が生まれるので、そういうリスクは少ないんです。だから、末期がんの人を100人受け持ったら、95%は最期まで在宅で看取ることができる。

筒井:在宅で死ぬのと、病院で死ぬのとでは、費用はどのぐらい違いますか。

長尾:一般に在宅のほうが安いです。高額になった場合、在宅でも病院でも、高額医療の自己負担額は上限が決まっているので、同じになります。しかし、尊厳死(平穏死)がどういうものか、世間ではまだまだ知られていない。#リビングウィル(*注)も同様です。

【*注:終末期医療に関する意思を、生前にあらかじめ記しておく文書】


筒井:安楽死の議論にも誤解が多い。『文藝春秋』(2017年3月号)に「安楽死は是か非か」という記事が載っていますが、アンケートに答えている著名人の大半が、安楽死について勘違いしているように見えます。


 この記事で社会学者の上野千鶴子さんは、〈生まれる時も生まれ方も選べないのに、死に時と死に方を選ぶのは人間の傲慢〉といっていますが、痛いのや苦しいのは誰でも嫌なもの。子供でも「死ぬときは、楽に死にたい」と思うでしょう。それを傲慢だというほうが傲慢です。

長尾:上野さんは、どうやら尊厳死について誤解されているようです。著書『おひとりさまの最期』では、「#在宅ひとり死」と名付け、24時間対応の訪問医療などを用いた在宅医療を提言している。それはつまり、「尊厳死」そのものなのですが、一方の『文藝春秋』のアンケートでは尊厳死にも安楽死にも反対と答えています。どうも主張が一貫していないように思います。

筒井:他にも、アンケートでは「認知症になったら安楽死したい」という人がいるけど、現実的にできるわけがないじゃないですか。認知症になってから自分で意思を伝えられるはずがないし、家族が許すわけがない。

長尾:だからこそのリビングウィルなんですけどね。

筒井:彼らにはこの記事を読んで、もう少し深く考えてほしいね。

覚えておきたい「尊厳死の3要件」「安楽死の4要件」

2010.12.12

未曾有の高齢化社会の到来を前に、人間が人間としての尊厳を保ちながら死ぬ「尊厳死」、患者の求めに応じ、医師などが積極的あるいは消極的手段によって死に至らしめる「安楽死」に注目が集まっている。尊厳死と安楽死を満たす要件は以下の通りだ。


●「治療行為の中止(=尊厳死)」の3要件

【1】患者が治癒不可能な病気に冒され、回復の見込みがなく、死が避けられない末期状態にある。

【2】治癒行為の中止を求める患者の意思表示か、家族による患者の意思の推定がある。

【3】「自然の死」を迎えさせる目的に沿った決定である。


●「安楽死」の4要件

【1】患者が耐え難い肉体的苦痛に苦しんでいる。

【2】死が避けられず、死期が迫っている。

【3】肉体的苦痛を除去・緩和するために方法を尽くし、ほかに代替手段がない。

【4】生命の短縮を承諾する患者の明示の意思表示がある。

(「安楽死」「尊厳死」ともに1995年3月の東海大安楽死事件・横浜地裁判決による)


そこまで言って委員会NP 2017年3月26日 170326 1話

そこまで言って委員会NP 2017年3月26日 170326 2話

#サイコパス...



IU(아이유) _ Because I'm A Girl(여자라서) _ MV

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