#自立支援(2)... #地域共生社会へ 一体的な福祉サービスが提供できるか?

「地域共生社会」は机上の空論か…。

2016/12/27 17:00

2016年6月に政府が閣議決定した「ニッポン一億総活躍プラン」。

経済成長や働き方改革のほか介護の環境整備などに言及したプランのなかに盛り込まれた「地域共生社会」とは、「子供・高齢者・障害者などすべての人々が地域、暮らし、生きがいを共に創り、高めあうことができる社会」のこと。

縦割りを排し、高齢者、障害者、子供を一体的にサポートする

今年7月、厚生労働省は塩崎厚労相をトップとする「地域共生社会実現本部」を発足させました。

発足に際し、塩崎厚労相は「高齢者に限らない地域包括ケアを構築する。

日本がかつて持っていたコミュニティの強さを取り戻す」と発言。

さらに、公的福祉サービスを「これまでの縦割りを『丸ごと』に変える。

福祉の哲学のパラダイムシフトを起こす」と力説しました。


「地域共生社会実現本部」の設立趣旨には、「『他人事』になりがちな地域づくりを地域住民が『我が事』のこととして主体的に取り組んでいただく仕組みを作っていくとともに、市町村においては、地域づくりの取り組みの支援と、公的な福祉サービスへのつなぎを含めた『丸ごと』の総合相談支援の体制整備を進めていく必要がある」とあります。


まずはじめに、

地域住民が「我が事」として取り組む仕組みと、
市町村が「丸ごと」相談支援できる体制

の2つに分けて見ていきます。


【地域住民が「我が事」として取り組む仕組みづくり】


キープレイヤーとなるのが #地域包括支援センター です。


地域包括支援センターでは高齢者からのあらゆる相談に応えていますが、今後は高齢者だけでなく、障害者や子育て世帯なども含めて相談を受け付けます。

また、高齢者の社会参加の推進などを図るため、地域生活支援コーディネーターの配置を進め、関係者間のネットワーク構築や不足しているサービス開発に取り組みます。


【市町村が「丸ごと」相談支援できる体制の整備】


「基準該当サービス」とは、障害福祉サービス事業所としての指定を受けていない事業所のサービスであっても、介護保険サービス事業所としての指定を受けていれば、市町村の判断により、障害福祉サービスとして給付を行うことができる仕組みのこと。


ひとつの事業所で介護保険サービスとしてのデイサービスと障害福祉サービスとしてのデイサービスを同時に提供することが可能です。


介護保険には「基準該当サービス」はなく、両制度間の格差が問題となっています。

高齢者、障害者、子供の間における福祉サービスの提供が一元化されることとなれば、資格の見直しも必要です。

例えば、高齢者介護を担う介護福祉士が子供の面倒をみるケースもあり得るわけです。

そのため、医療、福祉資格に共通の基礎課程の創設などが盛り込まれているのです。


現状、高齢者は介護保険法、障害者は障害者総合支援法、子供は児童福祉法などにより福祉サービスが提供されています。

しかし、これが制度ごとの縦割りによるサービス提供となっていることが指摘されており、福祉ニーズの多様化、複雑化に適していないという声も上がっています。

例えば、高齢で障害を持っているケースでは、高齢者と障害者、両方に該当する課題を有する場合もあります。

厚生労働省のデータによると、障害者全体における65歳以上の割合は50%。高齢化も相まって、障害を持つ高齢者の人数は年々増えています。


障害を持つ人が65歳を超えて介護保険が優先されるようになると(これを「介護保険優先原則」という)、これまで慣れ親しんだ障害福祉事業所を利用できないこともあります。

障害福祉サービスの事業所として指定を受けていても、介護保険サービスを提供できないという縦割り行政によるところが多く、この場合は、介護サービスと障害福祉サービスを一体的に提供することが求められます。


地域包括支援センターの役割と意義を見直す必要もある


「地域共生社会」を実現するためには、まずはキープレイヤーとなる地域包括支援センターが地域住民を巻き込んだうえで基盤を作れるかどうかが論点になるでしょう。

地域包括支援センターは、地域づくりに資する総合相談業務や地域ケア会議といった中核業務にシフトすべきという意見も出るなか、「地域共生社会」の実現に向けて、存在意義を再定義する必要があるのではないでしょうか。


今後の傾向としては地域づくりの担い手はボランティアがメインになりつつあり、どのように育成していくかも課題となるでしょう。

高齢者ボランティアの養成などを支援する地域生活支援コーディネーターは、2018年までに全市区町村に配置が義務づけられていますが、実際に育成できるのかといった不安要素もあるようです。


しかし、今年4月時点では、約4割の市区町村に配置されておらず、人手が不足しているという現状があります

したがって、現時点では、地域包括支援センターを核とした「地域共生社会」の構築は容易ではないといえます。


厚生労働省内および各団体間の利害調整が課題に


ここまで見てきたように、「地域共生社会」の実現には、介護保険サービスや障害福祉サービスを横断して受けられるようになることが欠かせません。

とはいえ、“「丸ごと」の総合相談支援”を提供するためには人の手が必要です。

今一度、サービスを提供する側の報酬についても再考する必要があるでしょう。


しかしながら、介護保険は老健局、障害福祉は社会・援護局といったように、厚生労働省内でも担当部署が異なります。

厚生労働省としては医療・福祉のニーズが増える今後に備えて、複数の医療・福祉資格を取りやすくすることも検討しているようですが、やはり各団体との利害調整がハードルとなるでしょう。

縦割りを排し新しい福祉をつくるという意気込みは評価できる、という声も上がるなか、厚生労働省は上述したさまざまな課題を乗り越えられるのでしょうか。

2020年を目途に検討が進む「地域共生社会」の未来から目を離せません。

地域共生社会へ向け工程表を発表 公的サービスに依存しない社会めざす

2017年02月20日

厚生労働省は7日、地域住民と社会資源がつながりを持つ「地域共生社会」の実現に向けた5年間の工程表を発表した。

介護保険など公的サービスの担い手不足を背景に、住民や専門職を有効活用することが狙い。

小さな圏域ごとに生活課題を発見し、解決する体制づくりを市町村に求める。

その体制づくりを促すため、社会福祉法、生活困窮者自立支援法などを順次改正する。

公的な福祉サービスだけに依存しない社会を2020年代初頭には実現したい考えだ。  

工程表は省内幹部で構成する「我が事・丸ごと地域共生社会実現本部」(本部長=塩崎恭久・厚労大臣)が同日決めた。

塩崎大臣は昨年7月の同本部発足時から、「地域共生社会は今後のさまざまな福祉改革のコンセプトだ」と強調している。  

同日、国会に提出した介護保険法等改正法案には、地域共生社会関連として社会福祉法、障害者総合支援法、児童福祉法の改正事項を盛り込んだ。

17年度から21年度までの5カ年に及ぶ改革の第一歩を踏み出した。

社会福祉法には、地域福祉の理念に「地域住民による生活課題の把握、専門機関との連携」を追加した。

また、市町村の努力義務として「生活課題の解決に向けた体制整備」を規定した。  

市町村が同法に基づいて作る地域福祉計画は策定を努力義務にする。

現在、市町村の約7割が策定済みだが、福祉の各分野に共通の事項を追加することで他の福祉計画の上位に位置付ける。  

訪問や通所の福祉サービスは、縦割りの規制を緩和する。

例えば、障害者総合支援法の事業として指定された事業所が、介護保険法でも指定を受けやすくなるよう特例を設ける。

児童福祉法も同様だ。

特例に基づく事業所を「共生型サービス事業所」と呼ぶ。  

現在、事業を始めるには各法の人員配置や利用者数などの基準を満たし、自治体から指定を受けることが必要だ。

しかし、人口減により職員や利用者を基準通り確保できない地域もあり、柔軟な扱いが求められていた。  

これらは6月18日までの今国会で成立を目指す。

施行は18年4月1日。

社会福祉法に追加した「市町村による体制整備」については、全国的に整備する方策を施行3年後に見直す規定を盛り込んだ。  

厚労省が唱える「我が事」は「他人事」の反対語で、住民同士のつながりを重視する。日常の困りごとに気付き、解決につなげようというものだ。  

「丸ごと」はその気付きを受け止める側の体制を指す。

年齢や障害の有無で縦割りになった制度の狭間に、困りごとが放置されないよう相談機関同士の連携を強化する。  

社会福祉法改正で促す「市町村による体制整備」は、住民同士が交流するための拠点を設けること、住民自らが相談に応じることなどを想定する。  

「我が事」の意識づくりや、「丸ごと」に関係するのは地域包括支援センター、社会福祉協議会、民生・児童委員など。

新たな相談機関は設けない。  

16年度からのモデル事業や、生活困窮者自立支援法の見直し(18年)を経て既存の相談窓口を機能強化する。  

また、専門職不足も深刻なことから、保健医療福祉の国家資格は、17年度から共通基礎課程の創設を検討し、21年度をめどに導入する。

複数の国家資格を取得する際に、類似した課程を重複して学ばずに済むよう合理化し、人材を有効活用する考えだ。



소름 돋는 실력의 24살 여대생! ‘추억의 책장을 넘기면’ @보컬 전쟁, 신의 목소리-5회 20160504


#ソーシャルワーカー #シューイチ。

The boughs that bear most hang lowest.

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