生きにくさを抱えた人びと(5) ..... #生き方 男 vs 女 #女の40代の生き方って若い頃とは全然違うでしょ。

<40代男のケース>

さっき久しぶりに泣いた。

悲しかった訳では、なくただ空しくて泣いた。

両親は10年前に交通事故で他界。

妹はとうの昔に東北の田舎に嫁いだ。

親戚付き合いは無い。

はっきり言って天涯孤独。

今日は仕事が早く終わり松屋で早めの夕飯を終えてTUTAYAでDVD借りて映画見てた。

見ながら少し寝てしまい起きた時は深夜0時。

小腹が空いたのでコンビニにおでんと日本酒まるを買いにいったんだけど、むなしすぎる。

なんというか悲惨。自分が悲惨すぎて泣けてきたんだよ。

正直結婚とか興味は無く、別に生涯一人で生きていこうと思っていた。

でもやっぱり無理かも。

こんな糞みたいな日常があと40年も続くと思うと絶望しかない。

結婚して子供いるやつが偉いとは思わないが、やっぱり次の代に血を繋ぐという事はすごく大事で必要な事だと思う。

そうしないと人類が滅びる。

そういう観点から見ると俺は世間から全く必要とされていない存在だ。

死ぬまでの人生を生きているだけ。

地球にとって無駄でしかない。

これを読んでる若者がいるかわからないが、結婚はしておけ。

家族を大事にしろ。

無理をしてでも子供は作れ。

一生独身でいいとか言ってるやつ今からお見合いパーティーに参加しろ。

人生のパートナーを見つけろ。

40代から本当の地獄が始まるぞ。

週末の休みの予定は無い。

こんな日が続くと思うと吐き気がする。

どうすればいいんだよ。


<夜の街で働く女のケース>
月400万稼ぐ銀座の最年少ママと不安を抱えて働き続けるガールズバー店員


有名大学を出れば、普通に一般企業に就職して手堅い人生を送っていくことが大半の人の道だろう。

しかし大学を出てホステスになるという選択をする人も増えていると言う。

今の大卒ホステス事情の最前線を垣間見る。


「今は……月収で、サラリーマンの方の平均年収くらいもらっています。うしろめたさ? もちろんありますけど、私に『昼の仕事のほうがいいんじゃないの?』って言ってくる人には、『じゃあアナタがホステスやってみれば?』って思っちゃうかな…」


そう語るのは、現在銀座のクラブ界隈で、お店の女の子を管理する「ママ」の座に最年少で就く、クラブ「Monterey」の桐島とうかさん、24歳。

学習院大学卒の彼女は昨年の11月にこのお店でママに就任し、今の銀座の最年少ママとして看板を張っている。

「水商売に足を踏み込んだきっかけは、学生時代の事業の失敗でした。大学1年の時に起業したんですが、上手くいかなくて、その負債を取り戻すためにその年の夏から親に内緒でホステスを始めたんです」


彼女の両親は共に公務員。

堅実な家庭で育った。

子育てにも厳しく、高校生時代はアルバイト自体禁止で、水商売なんてもってのほかだったという。

「最初は六本木のクラブで仕事を始めました。週4~5日やって、1か月で200万円ほど稼げたこともあって、事業で失敗した負債はすぐに返済できたんです。お客さんと話して楽しませることに向いていたんだと思う」


負債は完済したが、ホステスは向いていると感じたとうかさんはそのまま夜の仕事にのめり込んでいくことに。

「もともと稼ぐって行為が好きなんです。稼いだ給料を投資とギャンブルに突っ込んだ時もあるし、負けが込んだ月はそれをガソリンにして、めちゃめちゃに働けましたね(笑)」


そんな彼女にも就活を考える時期が訪れた。

そのとき、自分のお客さんから、会社勤めの厳しさを目の当たりにしたと語る。

「某大手銀行の、40歳くらいの部長クラスの方のお話をきいたんです。月収は当時の私の1/3ほどで、任されている重要な仕事は書類のハンコ押し。それに夢がないなと思っちゃって……。堅実に働くという未来に違和感を覚えました」


しかし夜の仕事に対する引け目を拭いきれない彼女は、周りの大学生と同じように就活をした。

内定も獲得、内定式まで出たが違和感は消えず、卒業前に内定を辞退。

『銀座でママになる』という目標を立て、家族の反対を押し切ってホステス専業を決意する。

「親に従って昼の仕事を選んでいたら、後悔することは明白でした。『銀座に定年はない』って言われるから、好きなことを納得するまでってやろうと決意しましたね。」


その後彼女はママになるため努力を重ねる。

新聞、週刊誌には必ず目を通し、月に2500人に営業メールを送った。

その結果、銀座でママの座を勝ち取るまでになった。

将来の結婚観について彼女はこう語る。


「結婚したいかどうかって…したいに決まってるじゃないですか(笑) 

でも合コンをしたとしたら、夜の仕事の話は言えないです。

誇りは持ってますけど、引く気持ちもわかるし……」


結婚はしたいが、今は難しいと感じているそう。


最後に仕事においての目標について聞いてみると。

「『お金がそんなに欲しいの?』とか聞かれたときは、じゃあ逆に『いくらあったら足りますか?』って聞き返したくなります。

1億円貰ったって、東京でマンション買えばなくなるでしょう。

それにこれからは、お金じゃ買えない仕事もしたいです。

クラブは企業の方が、日頃の疲れを癒したり、時には重要な商談の場として使われます。

だからこそ来てくれる方には、頂戴する金額以上のものを返したい。

そうすることで、世間の人が持っている、『夜の仕事は下品』という偏見を変えたいです」


一方、大学を卒業して水商売を選ぶも、将来に不安を抱えながら働く子もいる。


中野区のガールズバーで働くアミさん(仮名)は、年齢はとうかさんと同じ24歳で、都内の有名私立大学を卒業している。

「お姉ちゃんも水商売をやっていた影響で、私も偏見がなく、大学一年生の春から始めました。卒業後は新卒で一度百貨店に就職したんですが、月15万くらいしかもらえなくて。東京で一人では暮らしていけず、ガールズバーに戻りました」


彼女は週5日出勤して、少ない月でも30万円程を稼いでいたという。

それは全て自分で使っていたが、贅沢しているとは思っていなかった。


「卒業後は彼氏の家に転がり込んで、月3万だけ払って住まわせてもらってました。でも百貨店の仕事がきつくて辞めてしまい、夜に戻ってから彼氏と上手くいってないです。別れて引っ越したいけど、貯金なんてしたことないし……。」


十分な収入はある彼女だが、休みの日には何をしているかと聞くと、淡々とこう答えてくれた。

「夜をやっているせいで、休みの日も昼は寝ているし、起きたら自分のお店に飲みに行っちゃうんです。だからどんどん自分の環境が、狭くなっている気がします。最近楽しかったことは、お店の子と行ったディズニー。それ位かな」


一般企業の友人と自分を比べてしまうと不安を感じることも多いという。


「同じ店で働く30前半の同僚に指名が減ってゆく様子を横目で見て、自分の将来に感じる不安も増えます。私には『自分の店を持ちたい』っていう目標もないし……。何にも考えていないんです」


とうかさんにも聞いたように、彼女の将来の夢を聞くと「結婚」だという。


「うちのお店って、辞めていく子は大抵お客さんと結婚して辞めるんです。私もそうやって結婚していくしか、道はないかなって思ってます。ずっとこの仕事をやっていくつもりもないし…てか、できないでしょう。でも、今は辞める理由がないから続けてます。」


彼女にもとうかさんと同じく、将来について伺った。

「周りの友人も、自分みたいな子は多いです。昼とかけもちしてたけど、いつのまにかこっち一本になって、何となく不安抱えて……。夢とか目標とかって、持つだけでもすごく難しいと思うんです」

夜の街に夢を見出せたとうかさんと、思い悩むアミさんの明と暗。

二人の未来が明るければと、願ってやまない。

<クズ男が続く女のケース>

付き合う男がクズばかり…3人続いたら自分の“男スカウター”を疑え

【西原理恵子×花房観音×生島マリカ】対談より...


【西原理恵子】

1964(昭和39)年、高知県生れ。武蔵野美術大学卒。1988年、週刊ヤングサンデー『ちくろ幼稚園』でデビュー。1997(平成9)年に『ぼくんち』で文藝春秋漫画賞、2005年には『上京ものがたり』『毎日かあさん』で手塚治虫文化賞短編賞を受賞。『女の子ものがたり』『いけちゃんとぼく』『この世でいちばん大事な「カネ」の話』『生きる悪知恵』など著書多数。

【花房観音】

京都女子大学中退。2010年「花祀り」で、第1回団鬼六大賞を受賞し、デビュー。映画会社、旅行会社などを経て、現在もバスガイドを務める。「まつりのあと」(光文社新書)が絶賛発売中。2016年10月4日には生島マリカ氏と「生身の女2人/濃厚トークライブ」を新潮講座にて開催予定

【生島マリカ】

1971年、神戸市生まれ。最終学歴小学校卒。在日2世。複雑な血筋の両親のもとに生まれる。父親の再婚を機に13歳で家を追い出され、単独ストリート・チルドレンとなる。3度の結婚と離婚を繰り返し、2度の癌を経験。自分が死ねば、同じく天涯孤独になる一人息子への遺言を兼ね、文章を書き始める。2012年夏、真言宗某寺にて得度。著書に『不死身の花―夜の街を生き抜いた元ストリート・チルドレンの私―』(新潮社)


* * *

2016.08.16   生暖かい空気が猛暑の訪れを告げた某夜。麻布十番の隠れ家バーに、漫画家の西原理恵子、作家の花房観音、作家の生島マリカが現れた。

以前からそれぞれと交流のある生島が、西原の大ファンである花房を初めて本人と引き合わせる会だという。

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――3人並ぶとすごい迫力です。失礼を承知で申し上げると、「クズ男にひっかかった経験」が皆さんに共通する創作の原点のように思えるのですが。

生島:確かに、我々にクズを語らせたらトップレベルの自負ありますね。

西原:うん。間違ってない。私の10代は高知の田舎で、「お前ら道路公団の出先機関か!」ってくらい暴走族が我が物顔で道路占拠してて。「手取り8万円しかなくても、ソアラ乗ってる男がカッコいい!」みたいな時代でしたから。

 中学生で初体験。いきなり中出しされて子供できたら逃げられた! とか、知能指数0みたいな話ばっかりの中で、ご多分に漏れず私もそれなりのクズと付き合っておりました(笑)。

で、こんなクソみたいな男は嫌だ、逃げなあかんって苦労して難関美大に受かったはずなのに……懲りずに無職の男と付き合って……。

「何のために東京来たんや~~~!」って、あの頃の自分を牛刀で切り刻んでやりたい。

生島:牛刀ですか(笑)。

西原:“男に大事にされない恋愛”が当たり前の思春期を過ごすと、愛する人とのセックスが尊いものだと知らないで育つんですよ。

 そもそも、ウチは父親の借金や暴力がひどくて、私の貯金40万持って「これで大逆転するわ!」って丸亀競艇に行ってしまうような人だったから。シワシワの1万円を母親と奪い合ってるの見て「お父さん、それは死んだ方がいいわ」と思いましたよ。でも、後に自分の夫にも同じことされるんですよね……。


あの頃、周りのお母さんたちも普通に旦那に殴られてた。

男が女を殴っても良いって空気は、今とは比べ物にならないくらいあったけどね。


生島:80年代くらいまでは、そうでしたよね……。

花房:田舎は特に。今みたいにDVだ、セクハラだって概念はまったくなかったですもんね。私の田舎の知り合いも、妊娠→結婚→旦那の浮気か暴力で離婚って人、たくさんいます。

西原:だから、上京してすぐの頃はカルチャーショックが多すぎました。だって、東京ってまず無職の人があんまりいないじゃないですか。仕事で出会う人はみんな教養があって、優しくて、殴らなくて、遅刻しなくて、貯金があって、嘘をつかない……。でも、いざそういう人の存在を知っても、好きになる男の価値観は治らない

ずっとアル中や無職まがいのばっかり。


 ただ、その一つ一つにきちんと責任を取ってきたから、人生の夕暮れ期に入った今、やっとまともで、素敵な彼氏(高須院長)が来てくれたんだとは思う。

生島:西原さんの場合、ほんと、そうですね。私も14歳の頃に付き合っていた男の人にバカラの角灰皿で頭を割られたことがありました。14歳ですよ! しかも相手は30歳年上で45歳の結構な経営者。別れたいって言っただけで。今の時代なら逮捕されて社会的地位を失ってますよ、完全に(笑)。あとはそれぞれ鼻骨、あばら3回ずつ骨折と、両手にも刃物の怪我が。深い付き合いになった人にはわりと暴力を振るわれてきましたし、14歳で性奴隷になった経験もあるから……。

西原&花房:性奴隷!


初体験を捧げた相手に迫られ、消費者金融


生島:だから人のことは言えませんけど(笑)。クズな男にはずいぶん人生を費やしてきた。花房さんも、初体験から強烈ですよね。

花房:最初が一番ひどかったです。自分が24歳で相手は22歳上の自称放送作家、ほぼ無職のオッサンだったんですが、「男を知らん」という理由で興味を持たれたんです。劣等感が強くて、まったくモテなかった私は、興味持ってもらえただけで嬉しくて。今思えば、そういう弱みにつけ込まれてしまった。身体の関係を持つ直前に「俺、金ないねん。60万円必要やねん」と。

西原:また絶妙な金額やな!

花房:私が就職したばかりだったので「自分はフリーランスだから借りられないけど、お前は正社員だから借りられる。代わりに借りてくれ」と。消費者金融を3件回って60万円渡して、からの初エッチでしたね。暴力はなかったけれどすごく威圧的な人で、自分の意見を言うと怒鳴られて否定される。言葉を発することもできなくなりました。ある種の洗脳状態で結局20代のほとんどをその人に捧げてしまったんです……。しかも、いつもフェラチオだけで、「セックスしたければ、金を出せ」と。付き合ってる間、挿入込みのセックスは数えるほどしかしてないんです。キスだって2回だけですしね。


――所謂、風俗のタケノコ剥ぎの逆バージョン……。

花房:ええ。「借用書を書いて欲しい」と言ったら、「俺のことが信用できないのか!」って逆ギレするから、何も言えなくって。最終的に300万を超えました。保証人を親にしていたので、実家や職場に連絡が来るようになって。もうどうにもならず、親に立て替えてもらって。実家に帰ることでやっと別れられたんです。

 ちなみにそのクズから返してもらえたお金は、3万円だけ(笑)。思い出すたび、当時の自分に「目を覚ませ!」って5時間くらい説教したくなります。

西原:5時間じゃ足りんでしょ。牛刀が必要。


「立派なクズは、ネタにして金に換えれば良い」

生島:でも、それ「借用書あるある」ですよね。私も何遍も男の人にお金を貸しましたけど、一度も借用書は書いてもらわなかったなぁ。まあ、お二人に比べたら金額的にはしょぼいです。なので、あげたつもりで貸していました。中には返してくれたのもいたし。

西原:マリカちゃんは、えぐい記憶多そうだわ。

生島:17歳のときだったかな。私の財布から彼氏がこっそりお金を抜いているのを見てしまったときの絶望。あれは辛かった。でも、その時はその人が好きで失いたくないから、その場で咎められないんです。「お金欲しいんなら、ちゃんと言ってね」とか、誤魔化してしまう。でも、ちゃんと言わなきゃと思いやんわり言ったら「取ってねえよ、俺を疑うのかよ!」って逆ギレされて。いや、見たし(笑)。

花房:分かります。女にたかる男って、返す気がないんですよね。ただ私の場合、若い頃に良いセックスをできなかった、楽しい青春時代を送れなかったという鬱積した思いが小説を書く原動力になっているのは間違いない。今はそういう意味で「ネタを提供してくれたんだ」と思えるようにはなりましたね。そこに至るまでは、憎悪と殺意で毎日呪い続けていたし、自殺をずっと考えてました。

西原:私たちの救いはそこね。立派なクズは、ネタにして金に換えれば良い。


――何百万円も借金を背負う前に、誰かに相談したりしなかったんですか?

花房:友人には散々別れろと言われていました。でも、そういう時って、人の意見に聞く耳持てない。「この人しかいない」って思い込んでしまっているから。男は私にとっての「神」だったんです。

 周りを見てても思うんですが、DVされたり、男に貢いでしまう女性って呼び寄せてしまう原因が自分にもあるんですよ。

そこを指摘してくれる人がいるなら、耳をちゃんと傾けたほうがいい。もちろん、暴力振るう男が悪いのは当たり前なんですけど、毅然とした態度がいかに大事なことか、今になって分かります。なめられて、つけこまれて、とことんしゃぶりつくされるから。

本物のクズ男は良心もないし罪悪感も抱かないから、女が追い詰められて自殺したって平気なんです。改心なんかしない。こちらが逃げるしかないんです。

生島:「この人しかいない」って思い込みは、大概間違ってますよね。世の中は広いですから、今、辛い目にあっているなら、誰よりまず自分のことを大事に考えて欲しいです。男は他にもいる!

西原:たまに漫画を見て、自分の人生振り返るじゃないですか。全員が赤ペン先生ならぬ、赤チンポ先生ですよ。

生島:赤チン…ポですか(笑)!?

西原:自分のあそこが真っ赤っ赤になってね、傾向と対策どころの話じゃないですよ。ただね、色んな教訓をくれる赤チンポたちだけど、現在進行形で「赤チンポ3人続いてるな」と思う人は、今すぐ自分の「男スカウター」が壊れてると自覚した方が良いですね。あなたの男選びは間違ってますから、誰かに客観的な意見をもらってください。

花房:クズにひっかかる女は、ブレーキが壊れてる車みたいなもの。普通の車なら止まれるところも、気がついたらぶつかるまで突っ走ってしまう。でも、故障を自覚すれば、後は直せば良いんですから。


――クズ男との生活や体験が作品を書く直接のきっかけになったことはありましたか?

花房:私の場合は、貢いでた男が自称放送作家だったので、卒論を見せたことがあったんです。当時はまだ小説家になりたいなんて思ってもいなかったんですが、「君には文章の才能はない」と全否定されて。それがショックで。10年以上何も書けなくなりました。借金返済のために工場のラインで地味に働き、35歳で何とかお金を貯めて無理矢理京都に戻って……バスガイドの仕事をするようになってからですかね。ようやく自分を取り戻し、小説を書く気力も出て来たのは。

「才能がない」と言った男を見返したい! って気持ちも原動力のひとつでしたし、溜まりに溜まった怨念のような性欲ですよね。コンビニでイチャついてる大学生カップルを見ると、「こいつらこの後、家でセックスすんのか!」って腹立たしいくらい、恋愛とセックスに対しての渇望……それが人より全然あるので(笑)。男に当たり前に愛され、大事にされて生きてきた女には、きっと想像もつかないほどの暗い怨念が未だにあります。

西原:それはもう、確実に良い文学になりそうだよね。

生島:怨念かぁ。私もそれが近いのかな。家族の問題、結婚、離婚、DV、病気、レイプ……「書かなければ気が狂って死んでしまう」ってとこまで追いつめられて『不死身の花』が生まれたので。

西原:ほんと我々、「あの道、この道、肉ひだ慕情」やねぇ。

男にしろ、お金にしろ、何かに依存すると引き返せなくなるんですよね。“コンコルド効果”ってやつ。これまで投資したお金、時間、努力、苦労が無駄になるから、このまま続けても損失にしかならないことが分かっているのに、辞められない。

花房:貢ぐという行為は、完全に男への依存でした。気持ちいいんですよ、男のために何かするのが。

西原:取り返したいって欲が、また依存に拍車かけて深みにハマるでしょ。そこから抜けるには、自分で立つ。自立しかないのよ。

花房:そうですね。団鬼六賞を頂いたときの受賞スピーチでも「この賞金じゃ(貢いだ金額に)全然足りないので、もっと頑張ります」と言いました。

生島:ええなぁ……私、まだぜんぜん足らんわ(笑)!

花房:いや、私もまだ足りないですけど、気持ちとして。

西原:私は……ギリギリ取り返したかな。

生島&花房:確かに!


サイバラ御殿は「不幸のパピコ館(やかた)」

西原:いや、だって夫(鴨志田氏)は重度のアル中で、末期がんで……死ぬ間際まで、本当に最悪のクソだったからね。自分の不幸を描いた漫画ででっかい家建てて、もう一軒は夫の死んだお金で建てた。だから、西原家は「不幸のパピコ館(やかた)」と呼ばれています(笑)。こういうこと言うと、娘が「お母さん! お父さんの死をネタにして!」って怒るんですけど。

生島:不謹慎な母親(笑)。でも、私ときどき西原さんの娘さんと2人でご飯を食べに行くことがあるからわかるけど、彼女はちゃんと理解してますよ。

西原:そうかな。ただ、こうやって外ではボロクソ言いますけど、私から父親の悪口を子供たちに言ったことはないんですよ。というのも、私の母親、というかあの年代の女の人ってさ、「あんたらの幸せを考えて」とか「あんたらがいるから」って子供のせいにするじゃん。「私は何も悪くないのに! なんでこんなに耐えて、苦労しなきゃいけないのよ!」って。すぐ悲劇のヒロインぶるじゃない。けど、ぶっちゃけ「それはお前の頭が悪いせいやないの?」と思うわけですよ。人のせいちゃうやろ、と。


仕事は寝て取れじゃない。寝て教われ!

――クズから逃れるには自立することが肝心……これは、「出会いがない」と嘆く婚活中の女性にも言えることかもしれません。


西原:そういう人には、「とりあえず手当たり次第くわえとけ!」って言いたいですね。静かに、水面下でパクパクと。不味かったら、ぺぇっと吐き出してしまえばいい。仕事もしたい女性は、仕事のできる男のチンポくわえなさい。基本的に男の人って教えたがりだから、自分という商品のどこを特化したらいいか、教えてくれます。仕事は寝て取れじゃない。寝て、教えてもらって、自分のものにすれば良い。キャッチ&リリースですよ。


20代に3人くらいと付き合って、4人目と結婚して、その人がダメだったら「あぁ! もうこの世の終わりだわ~」みたいに思うのかもしれない。けど、世の中に、男はその人だけじゃないからね。

生島:「私にはこの人しかいない症候群」。これ、ほんま危険ですね。

西原:危険だよ。それと、いまだに結婚を人生のゴールと考えてる女子が多いでしょ。けど、「最大の優先権は卵子にある!」ってことも、声を大にして言いたい。夫は後からでも変えられるけど、卵子は無理だから。子供が欲しいのかどうか、年齢によって人生戦略も変えていかないと。


ステップアップが必要不可欠なワケ

――1人の男に固執しない生き方。なかなか、難しい気もします。

西原:現実はそうじゃないから。就職しても、結婚しても、自分自身がステップアップしていかないと、女は生きていけない。夫が浮気したり、病気になったり、人生、明日何が起こるかは誰にも分からないんですよ。特に年がいくにつれ、女性は全包囲の装備が必要になってくる。語学できて簿記できて家事も完璧で……って役満は無理でも、せめて満貫くらいの装備はつねに目指すべきなの。可愛いだけ、英語できるだけじゃ子供連れて80歳まで生きていけないですよ。

花房:学歴でも美貌でもなく、自分を養う力。何をやっても食べていける力って重要ですよね。それが自信にもつながる。そしたら自分を取り巻く状況も変わります。

西原:この20年、私はそれだけを目指して生きてきたから。

生島:私は……ほんの少しの運には恵まれたけど、ちゃんと学校へ行って勉強して、学歴ほしかったなあ。でも、働かなきゃ食えなかったから。社会に出てから、よく運がいいとかって言われましたけれど、実際、あたしって運がいいのか悪いのかって考えるときありますよ。今でも。

西原:マリカちゃんは飛び抜けて綺麗だったから。若いうちはそれで良かったの。でも、女の40代の生き方って若い頃とは全然違うでしょ。間違って欲しくないのが、私は高須先生がいなくても、子供に家も、教育も与えられたし、生活水準は変わらない。「金くれくれ」言う女だったら、高須先生に好かれなかったと思いますよ。娘にも、「医者と結婚したかったら、自分も医者になるくらいの気概を持て」と言ってます。年収1千万の暮らしがしたかったら、500万自分で稼げばすぐに500万稼げる男が来るから。

花房:「くれくれ女子」多いですよね。今、モテ本って一杯でてるけど、あれって不特定多数の人に好かれたいってことじゃないですか。それより、一人に大事にされる。一人にとって良い女になる。ここを目指す方が早いと思う。モテはいらない。たくさんの男にちやほやされても、相手できるのは限られてるから。

生島:そもそもマニュアル本で落とせるような男は、たいした男じゃないですよ。いい男はマニュアルの外に。これは女にも言えることですが。

花房:ほんとモテ本読んで、モテたら苦労ない(笑)。

西原:いやいや、あれは恐喝産業だから。恐喝ビジネス!

西原:人の不安を駆り立てて、「これじゃダメです。モテないです」って本は「こんなんしてたら、ハゲるぞ~」ってのと一緒なんですよ。モテ本もだけど、子育て本もそんなのばっかりでしょ。「こんな子育てしたら、キレる子になります」って。悩んでる人や心の弱い人に漬け込んでる。今流行ってる「引き寄せの法則」シリーズもね。ほんと、うまいことやったわ~って感心したんですよ。男も、宝石も、犬も、マンションも……思ってることは全部引き寄せられるって。で、思うように手に入らないのは、「あなたの引き寄せ方が間違っているから」ですって! すごすぎでしょ。もう美味しすぎる市場!……引き寄せ本買う人たちの名簿が欲しい!

生島:ちょっと! 良い話かと思ったら、生臭い話になってるから(笑)。

西原:これに引っかかって騙されるのは、騙される人が悪いよ。だって、タブレット一個で世界中から情報を探せる時代に、思うだけで引き寄せられる言ってるんだもん。詐欺師にとって、こんな楽なことない。

花房:ターゲットが老人なら「オレオレ」で、結婚したい女には「引き寄せ」。詐欺の形もだいぶ変わってきてますね。スピリチュアル系の「幸せになりたい」商売もすごいもん。石買ったり、神社行ったり。私、バスガイドをやってるから、人よりパワースポットと呼ばれる神社とかに行ってるけど、なんだかな。

生島:男を見極めるスカウターが壊れてるのも問題。だけど、しょーもない詐欺に引っかかるのはもっと切ないなぁ。やっぱね、何かにつけて男に「おねが~い、よろしくね~」って甘えてばかりの女っていうのは、男とは自分のために何かしてくれる存在でしかないの。男のために積極的に何かしようとはしない。だから、しょーもない男に引っかかることもなければ失敗もしない。でも、男に自分から「まかせて、やってあげる」って甘やかしちゃう女は苦労するんですよ。あたしがやってあげなきゃ症候群。愛されもしたけど。あれ、これって錯覚かな(笑)?


「タカる男はカモれる女を見分ける嗅覚だけはハンパじゃない」

西原:だから教育って大事なんです。私も赤チンポ先生だらけだったけど、男の人でもいるじゃないですか? 痛い女の子とばっかり付き合う人。それで子供できちゃって結婚でもしようものなら、たいがい奥さんは狂ってるから、別れることになる。でも養育費はめっちゃ払わされて。

その狂った奥さんも金もらっておきながら、子供にずっと元旦那の悪口吹き込みまくって育てるの。そうやって育てられた子供も、母親と同じように狂っていくんだよね。

生島:最悪なループ。でも、いるいる。しかも、そこそこちゃんとした家で育って、教育も受けて、社会的地位も財産もあって、肩書きを持った人でもそういう人っていますね。男女問わず。外から見たら立派な家庭。でも中はぐずぐずに腐ってて、家族全員が病んでる。

西原:私の持論だけど、貧乏と暴力とろくでなしは伝染するんです。

生島:最悪なループからの、負のスパイラル。腐ったリンゴの横にあるリンゴは順々に腐っていきますもんね。逃げ出すか、主犯のリンゴについた原因菌を取り除かない限り、周りの健康なリンゴも腐るから。

西原:そう。貧困と暴力、ろくでなしってワンセットの雪山みたいになってて。酸素は薄いわ、もう愛の北壁みたいなところで「どうすんの、ここ景色が全部白いけどー!」みたいなね。で、そういう状況で自分の手が2本しかないってことに気がつくんです。家事、仕事と子供で精一杯。もう思考停止しないとやってられなくなる。

花房:生まれつきスカウターが壊れてる人もいれば、そういう状況下で壊れる人もいるでしょうね。それに、金たかったりDVしたりする人って、できる相手を見極める臭覚だけはやたら優れてる。

西原:あれは野生の本能だから。野生のライオンも、エサを狩る時は足が遅い老鹿とか、病気や出産中で弱ってる相手を狙うでしょ。元気な奴なんて絶対狙わない。つまり人間でも、補食するタイプの奴は、弱ってるところを巧みに狙ってくるんです。深川通り魔事件の川俣軍司も、米兵とか刺さないでしょ? 女、子供だけ。そこが社会ではなかなか理解されていないと思う。

死んだ夫は、どんなにベロベロで大暴れしてるような時も、銀座のクラブの女とか、偉い人にはおべっか使えてたんですよ。あれを見て、アル中とか病気のせいじゃなくて、心の汚い、悪魔のような人間だと思ったもんですよ。

生島:これ娘さん見たら「マリカさん! お母さん、お父さんのこと悪魔とか言ってる」って、また怒りますよ(笑)。

西原:そういう病気の人がいるってことを広めて、今、同じような状況の人が逃げ遅れないようにしないと。

生島:だいたい暴れたり殴る男って、ボッコボッコにしばいといて、後でごめんなモードになるからね。ムスッとしてたらまたキレるし。でも、そんなにすぐ笑って許せるかって。


「魂を汚さない生き方」が逆転力を生んだ

花房:マリカさんは、結構言い返したり、やり返したりしそうですよね?

生島:そう思われがちですけど、私、親が年をとってからの子で、古風に育ってるせいか、男に手を上げるってのはできない。ケンカになると、大概相手の方がヒステリックになりますよ。

花房:私の知人で長らくDVされてた子は、ある日ぷつっと切れて、旦那のことハサミでめった刺しにしましたね。まず、旦那の制服を切り刻んで。

生島:いや、それは危ないでしょ(笑)! 殺人未遂じゃないですか。

西原:「シャイニング」ね。

花房:でも、それでぴたっとDVが止まったんです。まぁ最終的には離婚しましたけど(笑)。その男のDVは、制服を着るような固い仕事のストレス、そのストレスに見合う給料じゃないってところから来てた部分がかなりあったと思うんです。周り見てても、稼ぎが少ない男のほうが余裕ないからか嫉妬深くなって、支配的になることが多い気がします。

西原:やっぱり、貧困というストレスの中にろくでなしは蔓延していくんですよ。

生島:確かに、社会的地位があると、それが抑止力になりますもんね。でも、金持ちにも病んでる人はいますよ。

花房:貧乏だと離婚もできないですしね……。夫のDVや浮気でどんなに苦しんでいても、どうして別れないの? って聞いたら、生活ができないって。相談だけでも弁護士に駆け込むとか、いろいろ知識があれば違ってくるのに。結局、夫も金ないから慰謝料もろくに払えないし、養育費なんてもってのほか。離婚後にお金をもらえなくて負のスパイラルに陥る人、たくさんいますよね。

生島:私もそうでしたよ。子供が中学に上がるまでは我慢、我慢って。ただね、魂を汚さないじゃないけど、お金に屈しない生き方をしてきた自負はあります。経済的な理由で、自分の中でとっくにダメになってる男に依って我慢するくらいなら、貧しくても自分で稼いでやるって。そうやって息子を育てあげたし、何回貧乏になっても這い上がってきた。生活のために、お金のために、立場のために我慢っていうのはなかったな。自分の気持ちに嘘ついたり、相手に嘘つくのも嫌だし。自分の人生を諦めたりできなくて何回も玉の輿から降りました。しかも手ぶらで(笑)。

――ホステスでトップに上りつめて贅の限りをつくし、資産家の1人息子や大物経済ヤクザの子息と結婚。DVや浮気で別れて、極貧から今、作家として自叙伝を出し、暮らしぶりもいい……マリカさんは這い上がるどころか、逆転してますよね。

生島:ジェットコースターみたいってよく言われます。でもね、傑物に好かれるには「金に負けない」って意地や心意気は絶対必要だと思うんです。なめんなよ、と。札束ごときで私を縛れると思うなよと。したら、相手も「おっ、なんだ」となるじゃないですか。西原さんも、お金目当ての女じゃないから高須先生と今の関係がある、とおっしゃってたけど、結果そうなのは経験で身に染みてます。私、3回も4回も結婚したのに、一回も慰謝料もらってないですから。

花房:え? 一度ももらってないんですか?

生島:もらってないですよー。養育費だって一円も。全員から慰謝料もらってれば、ビルくらい建てられたんじゃないかな。次からはもらいます。もう年だし(笑)。

西原:マリカちゃんはアギーレ法律事務所行って、過払い請求してきなさい(笑)。あなたは例外だから。


「くれくれ女」はいつか事故る

西原:でもさ、考えさせられる話だよね。東京の女のコたちを見てると、みんな「くれくれ」言って、守ってもらうのが当たり前になってるでしょ。守られてはだめなの。パートナーとは戦友で、フェアトレードじゃないと。どちらかが負担になってはダメ。そういう関係では、いつか事故が起きるんです。

長い人生、突然の嵐がやってきた時に、自分の力で生きていけるように、人間としてのキャリアアップをして欲しい。

幸せは自分から取りに行って下さい。そのためには、(小声で)多少汚いこともしてね。「衣食足りてチンポを知る!」ですよ。

花房:すごい格言、部屋に飾りたいです。「くれくれ」言ってると、依存することに慣れて卑屈な人間にしかなれないですもんね。

生島:今、貧困の中にいても、他人を妬まず、お金に負けないで生きていけば、いつか自分で立てるようになると思います。

西原:そう。だからマツエクがどうとか、引き寄せがどうとか言ってないで、もっと生きる知恵をつけて下さい。最後に愛は勝たへんで~!



[MV] Ra.D(라디) _ Thank you(고마워 고마워)


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