本当は[厳しい/冷たい]#日本の生活保護制度...
「#下流老人」300万人の時代に突入…!?
「生活保護の人」と「隠れた貧困層」の深い溝
2016年10月2日21時17分
保護を受けていない貧困層とのバランスを考え、生活保護の受給者に配るお金を減らす――。
そんな施策がここ数年続いていますが、貧困層全体の暮らしを押し下げる心配があります。
急に打ち切られた生活保護 「また路上生活か」
http://www.asahi.com/articles/ASJ9Y74WNJ9NULFA00G.html
生活保護受けず、車上生活2年 「隠れ貧困層」の実態
http://www.asahi.com/articles/ASJ9N34VBJ9NULFA00D.html
「保護基準の引き下げは、生存権を保障する憲法に反します」。
7月、さいたま市内で生活保護受給者らが通行人に呼びかけた。
2013年度から、食費などにあてる「生活扶助」の基準額が引き下げられた。
物価下落などが理由で、13~15年度に3段階で計6・5%という大幅減だ。
心の病を患い4年前から保護を受ける30代女性は、7万6千円の扶助が約5千円減った。病気で過食と嘔吐(おうと)をくり返し、食費に3万円かかる月もある。
築30年超の木造アパートに一人暮らしだが、真夏も「クーラーは2時間に20分」と決め、風呂は使わず1日おきのシャワーでしのぐ。
「お金が尽きることを本気で心配します」。
全国27地裁で基準引き下げの取り消しを求める集団訴訟が起こっている。
一方、神奈川県の女性(78)は、生活保護受給者のこうした運動に違和感をもつ。
「生活保護の人は社会に甘えているのでは」
もらえる年金は月6万円。
1日2時間のアルバイトと合わせた月収は約10万円。
1万5千円の家賃もそこから払う。
閉店間際のスーパーで割引の総菜を買い、数日続けて食べる。
貯金は50万円。
数年後に働けなくなると見越して月3千円ほどを貯金に回す。
「生活保護が目の前にぶら下がっている状態でがんばっている」。
だからこそ、保護を受ける人もがまんするべきだ、と考える。
生活保護の受給者と、保護を受けていない「隠れた貧困層」との気持ちの溝は埋まらない。
昨年4月、3段階目の基準の引き下げが完了した。
17年に行う次回の基準見直しでも引き下げが検討されそうだ。
だが、生活保護の基準引き下げは、保護を受けていない「隠れた貧困層」にもマイナスの影響を及ぼす。
例えば住民税の非課税ライン。
生活保護の基準引き下げが勘案されれば、課税対象が広がる可能性がある。
子どもの学用品費などを支援する就学援助も、生活保護を参考に対象を決める市町村が多い。
文部科学省によると、15年度当初は基準引き下げの影響で全国27市町村が対象を狭めた。
■受給範囲・財源、課題は山積
「隠れた貧困層」を救えるのか。
花園大の吉永純教授は「保護の守備範囲をもっと広げるべきだ。日本の制度は受給条件が厳しすぎる」と指摘する。
人口に占める生活保護受給者の割合は約1・7%。
吉永氏ら研究者が10年ごろに同様の制度の利用率を調べたところ、フランスは5%超、ドイツ、英国は9%超だった。
英国では1万6千ポンド(約210万円)まで貯金などの資産を持っていても対象になり、車の所有も可能だった。
日本では貯金や収入などで最低生活費の1カ月分を賄えないことが条件だ。
「せめて3カ月分の貯金があっても保護されるようにすべきだ。
余力のある時点で保護を始めれば、自立への道筋も描きやすい。
受給者が増えれば、生活保護への偏見も減るだろう」と吉永氏は話す。
保護の手前で食い止める対策も不可欠だ。
都留文科大の後藤道夫名誉教授がまず挙げるのは #低賃金のワーキングプア対策。
最低賃金を上げ、失業給付を充実させれば、保護が必要な働き手は減る。
その上で低所得者にのしかかる「医療」「住まい」の負担緩和を進める。
低所得者向けに家賃を補助したり、国民健康保険の保険料をゼロにしたりする。
病院受診時の自己負担も、自治体が積極的に肩代わりする――。
どの対策にも財源のカベが立ちはだかる。
「お金がある所に頼るしかない。法人税の増税や高所得者への課税を進めるべきだ」と後藤氏は話す。収入などによる選別をなくし、最低限の生活費をすべての国民に配る「ベーシックインカム」(BI)という案もある。
対象を貧困層に限らないことで、生活保護の受給者を苦しめている偏見がなくなる期待もある。(牧内昇平)
生活保護に関する実態調査 結果報告書 - 総務省
平 成 2 6 年 8 月 総務省行政評価局
http://www.soumu.go.jp/main_content/000305409.pdf
【 #北海道姉妹凍死 】
死の前に3回生活保護窓口訪れ、門前払いされていた
2012.06.28
◆最後の頼みの生活保護を受けられず、死に至るケースも
今年1月、札幌市白石区のマンションの一室で、遺体で発見された40代の姉妹は、生活保護申請が認められず窮乏を極めて亡くなった。
姉の佐野湖末枝さん(42歳)は失業中で昨年末に病死(脳内血腫)しており、知的障害のある妹の恵さん(40歳)は姉の死後に凍死したとみられている。
料金滞納で電気・ガスも止められ、冷蔵庫の中は空っぽだった。
湖末枝さんは体調不良に苦しみながら就職活動や妹の世話をし、3度にわたって白石区役所に窮状を訴えていた。
ところが、最後の頼みの綱の生活保護を受けることができなかったのだ。
この事件を調査している「北海道生活と健康を守る連合会」(道生連)副会長の細川久美子氏は次のように語る。
「姉妹の両親はすでに他界していて、頼る人はいませんでした。
生活費は妹の障害年金(年額約80万円)だけで、家賃は滞納、国民健康保険も未加入です。
区役所の保護課も『厳しい状態』『要保護状態』にあることを認識していました。
2回目の相談のときには、非常用のパンの缶詰が支給されています。
これは通常、お金を落としてしまった生活保護受給者などに対して行われる珍しい措置です」
◆ 「生活保護を受けられない」と思い込まされた
なぜ姉妹は生活保護を受けられなかったのか。
白石区役所は「(本人が)申請の意思を示さなかった」と釈明している。
「困窮している人なら一定の条件で『無差別平等』に生活保護を受ける権利がありますし、誰でも無条件に申請できます。
ですが、区役所の担当者がそのことを本人に知らせたようには思えません。
最後の相談(3回目)のときには、保護の要件として『懸命なる求職活動』が必要なことや、『家賃が高い』ことを伝えています。
しかし、これらは申請の条件ではないのです。
3回も相談に行っていることや困窮の程度から見ても、姉に申請の意思があったことは明らか。
『自分は生活保護を受けられない』と思い込まされてしまい、申請を諦めたものと思われます」(細川氏)
本来は権利であるはずの生活保護申請をさまざまな手口で阻止する役所の「水際作戦」によって、’00年代後半から全国で餓死・孤立死・自殺・心中事件などの悲惨な事件が相次いでいる。
本当に必要でも貰えず死に至ったケースがこんなに!!!
2012.06.29
芸人親族の生活保護「不正受給」疑惑でワイドショーが賑わった。
まるで不正受給の横行で自治体財政が逼迫しているかのようなイメージが植えつけられているが、その総額は全体の0.38%。
その一方で、「受給資格があるのにもらえない」という大きな問題があった!!
そこで今回は、生活保護を受けられず、死に至った例をまとめてみた。
◆京都・母親殺害事件(’06年2月)
認知症の母(86歳)の介護と貧困に追い詰められた無職の男性(54歳)が心中を図り、母親を殺害。男性は行政に相談していたが、生活保護について十分な説明を受けていなかった。
◆北九州・門司区餓死事件(’06年5月)
市営住宅に住む障害者の男性(56歳)が、役所に生活保護の申請書を交付してもらえず餓死。前年にはライフラインが止められており、栄養失調で病院に搬送されていた。
◆秋田・練炭自殺事件(’06年7月)
強い睡眠障害で働けず車上生活を送っていた男性(37歳)が2回生活保護を申請するも却下。「俺が犠牲になって福祉をよくしたい」と市役所の駐車場に停めた車中で練炭自殺。
◆北九州・「おにぎり食べたい」餓死事件(’07年7月)
生活保護を打ち切られた元タクシー運転手(52歳)が直後に餓死。「(辞退届を)書かされ、印まで押させ、自立指導したんか」「おにぎり食べたい」などと日記に書き残していた。
◆北九州・男性孤立死事件(’09年6月)
生活保護の相談に訪れた無職男性(39歳)に対して、福祉事務所が「健康状態は良好」と判断し仕事探しをするよう説得。申請できなかった男性はその後に孤立死した。
◆札幌・姉妹孤立死事件(’12年1月)
失業中の姉(42歳)と知的障害のある妹(40歳)がガスも電気も止められたマンションの一室で病死・凍死。姉は3度も生活保護の相談に行っていたが、申請ができなかった。
「生活保護カットが職務」
若手ケースワーカーの“使命感”
2012.06.30
◆不正受給は全体の0.38%!受給資格があっても門前払いに
都内の区役所で生活保護のケースワーカーとして勤務するかたわら、「全国公的扶助研究会」事務局長も務める渡辺潤氏は、福祉行政の実態についてこう語る。
「役所の中でも福祉は人気のない職場で、『左遷』という扱い。
やりたくてやっている人は非常に少ない。
ですから、『申請を手助けしてくれるのではないか』と期待を抱いて出かけると、やる気のない対応で放置される可能性は十分にあります」。
もっと深刻なのはケースワーカーによる“イジメ”だ。
貧しい人に同情するどころか、今の生活保護バッシングを喜んでいる若手ケースワーカーが増えているという。
「東京都特別区の採用試験に合格した20~30代の若手は、大学を出て競争を勝ち抜いた“エリート”です。恵まれた家庭に育った人が多くて、『挫折して生活が崩れていく』ってことを頭では理解できても実感はできない。むしろ『貧困に陥ったのは自業自得』と考えている人が多いんですよ。今はどこの自治体も財政が厳しいので、『自分の仕事は生活保護をカットすること』という“使命感”に燃えている人もいます」(渡辺氏)
実は不正受給は言われているほど横行しているわけではない。
’10年度の統計によると、不正受給額の合計は128億7425万円で、総額の0.38%。
しかもこのなかにはさほど悪質とは呼べない事例も含まれている。
「現場の感覚で言えば確信犯的な人はごく少数です。高校生など未成年のアルバイト収入は申告しないでいいと誤解していたケースが多いですね。4年前からは預金口座に加えて課税調査も行うようになりました」(同)
生活保護申請門前払い“水際作戦” 3つのパターン...
2012.07.01
◆ 「働けない人が対象」という誤解
生活保護法に詳しくない人が役所に行くと、あれこれ言いくるめられて申請書をもらえず、ただの「相談」として処理されてしまう場合が多い。
路上生活者などに対する支援を行っている「自立生活サポートセンター・もやい」の稲葉剛代表理事は、申請させない「水際作戦」の主要3パターンについて次のように解説する。
「1つ目は、『住まいがないので受けられません』というもの。
これは路上生活者などに対して使われます。
これは誤解で、住民票がなくても生活保護は申請できます。
2つ目は『あなたは働けるから受けられません』。
この間の報道では“生活保護は働けない人が対象”という誤解を生む表現が使われていますが、仕事が見つからなくて働けない失業状態であれば生活保護を受けられます。
ところが役所の窓口ではこのことを説明せずに『働けるんだからハローワークに行ってもうちょっと頑張りなさい』と追い返してしまう。
3つ目は『家族に養ってもらいなさい』。
’06年の日弁連の調査では、違法な『水際作戦』の可能性が高いと判断された118件のうち、この対応が最多の49件でした。
ですが、扶養義務者による扶養は生活保護の要件ではないし、申請させない理由にはなりません」
女性申請者に「体を売ればいい」
生活保護受給窓口の冷たい対応
2012.06.25
◆多くは窓口で追い返される生活保護申請の“狭き門”
「簡単に受給でき、不正受給が横行」
「働くより受給したほうが楽で得」etc.
過熱する報道に、当の生活保護受給者たちは困惑を隠せない。
自身も生活保護受給者で、同じような境遇の人の相談に乗っている田中秀雄さん(仮名・57歳)は「報道されているのは稀なケース。
多くの場合、受給にこぎ着けるまでが、まず大変なんです」と語る。
「生活保護の受給申請に行っても、必ずといっていいほど窓口で『働きなさい』と突っぱねられます。受給申請に行く頃には、住所や携帯電話もなくなっている場合も多い。そんな状態で雇ってくれるところはどこもありません。仕方なく受給申請に行っても、役所の人は『何しに来た』と罵倒するなど高圧的な態度を取って、わざと申請者を怒らせて自ら帰らせることもあります。女性に対しては『体を売ればいい』と暴言を放つ例もあると聞きますが、これも怒らせるためなのかもしれません」
これまで3回、生活保護の申請窓口に行ったが申請させてもらえなかったという久保田健二さん(仮名・62歳)はこう語る。
「『稼働年齢(働くことができる年齢)なので受けられない』とウソの説明をされました。
『まずは仕事を見つけてきてください』と。
でも、仕事がどうしても見つからずに家賃も払えず、困っているのです。
助けてくれる親族もいません。
アパートを追い出された後に再び相談に行くと、『住所がない人には出せない。住み込みの仕事があるでしょう』と言われました」
「100円の花を飾ったら嫌味」
生活保護受給者を“監視”する職員
2012.06.27
◆100円の花を飾ったら「余裕あるな」とイヤミ
生活保護 運よく受給にこぎつけたとしても、生保受給者の苦悩は続く。
鈴木幸枝さん(仮名・69歳)は「ケースワーカーに常に監視されているような気がして、息がつまる……」とこぼす。
ケースワーカーとは、生活に困っている人の相談に乗り、自立支援を行う職員。
生活保護受給者を家庭訪問し、生活状況を調査することも業務のうちだ。
「100円の花を飾ったら『花なんか買う余裕があるとは』とイヤミを言われ……。
訪問は2~3か月に一度ですが、何を言われるかと気になって、壊れたものを買い直すのも躊躇してしまいます」
決算期の3月は、受給者にとって気が気ではない月。
青木繁さん(仮名・74歳)は「行政は何とか生活保護を打ち切ろう、減額しようとしてきます」と振り返る。
「46歳の息子はずっと就職活動をしていたのですが、職に就けず生活保護を受けていました。ところが、今年3月に『4月中に働かないなら保護を打ち切る』と通告されたのです。支援団体の『生活と健康を守る会』のメンバーの方と掛け合い、打ち切りは避けられましたが、もう少しで親子ともども路頭に迷うところでした」
生活保護受給者が口をそろえて訴えるのが、受給自体を悪とするような昨今の報道だ。
「『保護を受けるのではなく、家族が面倒を見ればいい』という主張もありますが、私のように夫の暴力から逃げて来た女性も多い。そういう人に親族の扶養を求めるのは酷です」(高橋和代さん・仮名・54歳)。
自身も生活保護受給者で、同じような境遇の人の相談に乗っている田中秀雄さん(仮名・57歳)は「私が相談を受けていた生活保護受給者の方は、アパートを飛び出して首を吊ってしまった」と悔しがる。
「ここ最近の生活保護バッシングで、路上生活をしている相談者の方も『今は申請をしたくない』と及び腰。本当に助けが必要な人が申請すらできない空気に、危機感を抱いています」
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