#児童への虐待 #高齢者への虐待!!! #オレンジリボン運動

「児童虐待の防止等に関する法律」(通称 児童虐待防止法)は2000年11月に施行されました。

「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」。

2006年4月1日施行。国と地方公共団体、国民の責務、被虐待高齢者の保護措置、養護者への相談・指導・助言などの支援措置を定め、施策の促進と権利擁護を目的としています。

対象の「高齢者」とは65歳以上(介護を要しない者も含む)で、「養護者」とは家族など高齢者を現に養護する者のことです。


児童虐待の防止について

児童虐待相談の対応件数及び虐待による死亡事例件数の推移

虐待死の子ども、0歳が6割超 
背景に「望まない妊娠」


伊藤舞虹2016年9月17日05時00分


2014年度中に虐待で亡くなったと確認された18歳未満の子どもは71人で、無理心中を除けば前年度より8人多い44人に上った。


そのうち0歳児は27人で初めて6割を超え、15人は生後24時間以内に死亡していた。厚生労働省が16日、児童虐待による死亡事例の検証結果を公表した。


 公表は05年から行われ、今回で12回目。
14年度中に発生や発覚した子どもの虐待による死亡事例について、自治体からの報告をもとに検証した。
 無理心中以外では39人が3歳までに亡くなり、9割近くを占めた。主な加害者は実母が28人と最も多く、次いで実父が3人だった。
 亡くなった44人の子どもの実母が抱えていた問題を複数回答で聞くと、「望まない妊娠」が最多の24人で54・5%を占め、過去11回の検証の平均割合(21・7%)を大きく上回った。
そのうち19人は0歳児の親だった。妊婦健診を受けていない実母も18人いた。
虐待をした動機を複数回答で聞くと、「子どもの存在の拒否・否定」(14人)、「保護を怠った」(5人)、「しつけのつもり」(4人)などが挙がった。
 虐待の内容別では、「身体的虐待」が24人、「ネグレクト(育児放棄)」が15人だった。また、14年7月に東京都西東京市の中学2年の男子生徒が養父から虐待を受け、「24時間以内に自殺しろ」と迫られて自殺した事件について、今回の検証で初めて「心理的虐待による死亡」と認定した。
 14年度までの3年間に乳児院や一時保護所などから家庭に戻った後で死亡した14人の事例も分析。
検証チームは「環境の変化が虐待の再発につながりやすい。少なくとも半年程度はとりわけリスクが高まる期間として養育状況を把握し、援助すべきだ」とした。
 望まない妊娠をした母親が孤立したまま出産し、虐待につながった――。
生後24時間以内に死亡した15人を分析すると、こんな背景が浮かぶ。
子どもの虐待死を防ぐには、妊娠中や周産期の母親に対する支援体制の強化が求められる。
生後24時間以内に死亡した15人の加害者は、全員実母だった。14人は望まない妊娠で、11人は母子健康手帳を受け取らず妊婦健診も受けていなかった。
 一方、13人の実父は同居していなかった。このうち5人は実父が特定できず、3人は行方不明などで連絡が取れなかった。
 出産場所は14人が自宅としており、助産師らの立ち会いなしに産んでいた。医療機関で出産した人はおらず、社会とのつながりを持てていなかったようだ。
そのうちの一人、高校2年の女子生徒(当時17)は、自宅のトイレで女児を出産。
そのまま窒息死させてしまった。
妊娠後、家族や学校関係者にも言い出せないまま、大きめの服でおなかを隠し、出産前日まで高校に通っていたという。
 検証に関わった関西大の山縣(やまがた)文治教授(児童福祉)は「父親が逃げてしまうなどして母子が残され孤立してしまうケースが多い。ある意味では母親が被害者の立場」と指摘する。
 子育ての悩みには児童相談所が相談に応じているが、虐待があれば親子を引き離すといった強権的な役割も担う。
山縣教授は「より相談に行きやすい窓口をつくることが重要だ。学校の先生や民生委員など、身近な人が悩みに気づけるような視点を持つことも、自ら相談に行けない親を救うことにつながる」と話す。
児童虐待に対応する児童福祉司らを産院や助産所などに常駐させ、相談窓口につなげる計画だ。(伊藤舞虹)


0歳児、6割超に=14年度児童虐待死は44人-社保審

虐待で死亡した子どもの事例を検証する社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の専門委員会は16日、2014年度の報告書をまとめた。心中を除く児童虐待死は前年度比8人増の44人。うち0歳児は前年度より11人多い27人で、61.4%と過去最高の割合となった。 厚労省は03年7月から、18歳未満の虐待事例を自治体に調査。これをベースに専門委が毎年状況を検証している。 死亡者を年齢別に見ると、0歳児に続き3歳児の7人、1歳児の4人が多かった。0歳児のうち半数以上の15人が生後24時間以内に死亡した乳児で、前年度より11人増えた。  加害者別では実母が28人で最多。実母が抱えていた問題は「望まない・計画していない妊娠」が過去最高の54.5%となった。報告書は妊婦への相談支援の強化を求めている。 虐待の種類で見ると、身体への暴力(24人)と育児放棄などネグレクト(怠慢・拒否)(15人)の合計で全体の8割を超えた。心理的な虐待は調査開始以来初めて確認され、親の暴言を受け自殺した子どもが1人いた。

また、12~14年度、一時保護施設などに入所後、家庭に戻ったが死亡した14人の傾向を分析。3歳以下が9人いたことから、施設側は乳幼児の復帰について慎重に検討するよう求めている。(2016/09/16-18:31)

離婚後の親子~子供の幸せは?


20170211 報道特集


オレンジリボン運動

(児童虐待をなくすための市民運動)ライトアップ


高齢者虐待の防止について

日本は高齢化社会として今、介護や福祉の問題に真剣に向き合っています。

しかし、そのなかで家庭や介護施設における高齢者の虐待が問題に。

家庭内や施設内での高齢者虐待は外部が気付くことが遅れ、発見が遅れてしまう例も少なくありません。


厚労省が発表する資料によると、高齢者虐待は2012年度には約1万5000件。

把握できているだけでもこれだけの高齢者が虐待に苦しんでいます。


高齢者虐待を防止するためには、高齢者の暮らしをしっかりと見守る社会体制だけでなく、介護うつなどが原因となって虐待をしてしまう介護者へのケアも不可欠です。

高齢者にとっても介護者にとっても不幸な事態にならないよう、地域や行政の介護者に対する支援策が求められています。


高齢者の虐待は「身体的虐待」ばかりではない

高齢者の虐待は、身体的なものばかりではありません。厚生労働省では高齢者虐待を「身体的虐待」「介護・世話の放棄・放任」「心理的虐待」「性的虐待」「経済的虐待」の4つに区分しています。


とかく虐待と聞くと身体的虐待をイメージしがちですが、本人の意志に反して財産を勝手に使ったり、毎日暴言を投げかけるという行為も虐待のひとつ。心身にダメージを与え、人としての尊厳を傷つける行為は、すべからく虐待と言えるのです。

実際、厚生労働省が発表している資料によると、虐待を受けていた高齢者約1万5000人がどのような虐待を受けていたのかをまとめた資料によると、身体的虐待が最も多く65パーセント。次いで心理的虐待、経済的虐待を受けていた人もそれぞれ40.4パーセント、23.5パーセントもいるという実態が分かってきます。


誰でも虐待をしてしまう可能性がある

厚労省の区分を見てみると、誰しも介護ストレス等からこうした虐待と見なされる行為をしてしまう可能性があるということを痛感させられます。

高齢者虐待の特徴として、虐待をしている人に「虐待をしている」という自覚あるとは限らないことがあります。


虐待が疑われるケースの10パーセントほどは、高齢者の命に危険がある状態ともいわれており、自覚のなさが虐待を助長することにも繋がりかねません。


高齢者虐待の要因は、

「希薄な近隣関係」

「介護者の社会からの孤立」

「老老介護・単身介護の増加」

「介護者のニーズに合わない介護施策」などの社会環境や、


介護者の

「介護疲れ」

「生活苦」、

「長期にわたる介護ストレス」

「介護に関する知識不足」、


高齢者の

「認知症による言動の混乱」

「身体自立度の低さ」

など多岐にわたります。


家庭内において高齢者虐待をしている虐待者の内訳を見てみると、

41.6パーセントが息子、

18.3パーセントが夫、

16.1パーセントが娘

となっており、

実の息子から虐待を受けるケースが多いという点も注目したいところです。


未婚男女の増加や子供と住居を別にする世帯の増加に伴い、介護の担い手が息子や夫、つまり男性介護者であることも珍しくありません。

これまで仕事に注力してきた男性が慣れない家事や介護をすることは、仕事のように自分の思い通りにことが進まないことからストレスも大きく、虐待に繋がっているのではないかとの見方もあり、男性介護者への支援策も求められていると言えそうです。


どうして虐待が起こるのか?

先ほども、高齢者虐待には社会的要因や人間関係、高齢者や虐待者の状況等様々な要因が考えられるという点について触れてきました。

例えば2006年に行われた「東京都高齢者虐待事例情報調査」を見てみると、虐待されている高齢者のうち、実に約70パーセントの人に認知症症状が認められ、認知症と虐待には深い関係があることが見て取れます。

認知症高齢者への虐待は、介護者に対する適切なサポート体制が整っていないという社会的要因、認知症高齢者本人の言動の混乱からくる介護者への介護負担の増大などが虐待を引き起こしている例と言えるのではないでしょうか?


具体的な虐待事例

虐待の発生には様々な影響を与える要因があるなかで、

先に挙げた「身体的虐待」「心理的虐待」「経済的虐待」「介護・世話の放棄・放任」、それぞれの虐待についてどのようなケースがあるのかを考えてみましょう。


例えば、家族間における介護で、介護をする方にストレスが溜まっていたりすると、つい高齢者を怒鳴ってしまうこともあり得ます。

歳をとれば、同じことを繰り返し話したり、必要以上に心配性になって、その心配事ばかりを口にするのは当たり前の事ですが、それを毎日のように話される家族にとっては精神的ストレスが積もる事例のひとつです。


このようなシチュエーションを想像すると、高齢者が話していても無視してしまう事は珍しくないのではないでしょうか?

しかし実は、このような状況は、「心理的虐待」に当てはまります。


高齢者の預貯金を子どもが預かるというケースもあります。

時が経つにつれ、そのお金がまるで自分のもののように感じるようになり、生活苦やストレスを発散したいという想いから、ちょっとだけ使ってしまおうという気にもなってしまうかもしれません。

しかし、高齢者自身がそれを了承しておらず、高齢者自身が希望する金銭の使用を制限してしまっていれば、これは「経済的虐待」に該当します。


また、認知症症状が重くなる家族を何年も介護する生活が続き、誰にも介護を頼れない状況に追い込まれてしまったとき、徘徊を防止したいという想いからベッドに家族を拘束してしまえばそれは「身体的虐待」となります。


「介護・世話の放棄・放任」についても、意図的であってもそうでなくとも虐待をしている可能性があることを忘れてはいけません。

おねしょがひどいからと言って水分をあまり飲ませないでいる生活が続き、高齢者がひどい脱水症状に陥ってしまうこともあり得ます。

この場合は「おねしょがひどい→水を飲ませない」という対策ではなく他の方法を考えなければいけません。


高齢者に「性的虐待」はあり得ない…とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、よくあるケースとしては高齢者本人の目の前で、近所の人に『うちのおばあちゃんはおねしょがひどくて…』と話し、精神的苦痛を与えることも、日常的に続けば立派な「性的虐待」となるのです。


ご家族の介護をされている方のなかには、資金的に有料老人ホームなど民間が運営する施設への入所は難しく、安価に利用できる特別養護老人ホームへの入居を希望するものの、待機者が多くなかなか入所ができないという方も多いかもしれません。


また、普段はデイサービスやデイケアサービスを利用しているなかで、ショートステイを利用すれば介護負担軽減されると分かっていても、費用面などの問題などからよほどのときにしか利用することができないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?


介護は家族の介護であっても悩みや問題は多く、精神的・心理的な労苦から「介護うつ」に陥る人も多く、社会的にも大きな社会問題として認知されはじめています。


誰にとっても身近な“介護うつ”とその現状

“うつ”は日本人の10人に1人が発症するともいわれているとてもポピュラーな病気でありながら、きちんとケアをしないと自ら命を絶つこともある怖い病気です。

家族の介護を自宅で行うことは、常に介護を必要とする家族を優先し自分自身を犠牲にした暮らしとなることが多いことから、2005年に厚労省が行った調査では介護者の4人に1人が介護うつ状態にあるという驚くべき実態も報告されています。

現に、同居する家族を介護する介護者に日常生活においてストレスがあるかないかを問う設問に対し、ストレスが「ある」を回答した人は全体の約7割となっています。

さらに、主な介護者の悩みやストレスの原因として最も多いのが「家族の病気や介護」であり、介護がいかに精神的に大きな労苦を与えるのかが見て取れます。


介護うつの現状について

子育てと違って終わりの見えない介護だからこそ、介護による負担は大きいもの。自宅で家族の介護をしていると様々な介護にまつわる苦労が生じてきます。

厚生労働省が発表している資料によると、介護で苦労した内容として最も多いのが「排泄介助」。

次いで「入浴介助」や「食事」が上がっており、在宅介護に従事している方は頷ける内容なのではないでしょうか?


こうしたストレスを抱えながらも、自宅で24時間介護のために高齢者に付き添っていると、自分自身の時間を持つことも難しくなり、精神的ストレスを誰かに相談する機会も自然と減ってしまいます。

「気分が落ち込むことが多くなった」「食欲がない」「喜びや楽しみを感じられない」というような症状が見られはじめたら、もしかしたら介護うつかもしれません。


周囲にも気付かれにくい“介護うつ”

「介護をしている人が、介護うつになってしまっている」と、すぐに誰かが気がつけるような環境の場合、介護をする人の介護うつが深刻化することはあまりありません。

なぜなら介護をする人の周りには、常に誰かがいて、介護に関しても日ごろから協力してくれる体制が整っているはずだからです。


こうしたケースと違って怖いのが、介護をする側が介護うつを発症している事を、誰も気が付かない場合です。

在宅介護を担う人の中には、社会との接点がほとんどなく、1人で介護を担っていたり、家族の協力が得られなかったりするなどの理由から介護うつを発症している人が多いだけに、一点集中的に介護の負担がのしかかっている方が少なくありません。


社会からの孤立、自宅内での介護など様々な要因から、介護うつ患者数を正確に把握することは難しいなか、虐待の現状を見ると、深刻な状況に陥っている介護者が多いのではないかと考えられています。


介護うつにならない工夫を

介護うつにならないための工夫・ヒントについての解説


肉体的にも精神的にも、1人で担うことが難しい介護。

だからこそ、家族がいるなら、よく話し合い、できるだけ介護は分担するように協力しあうことが大切です。

介護者と一緒に住んでいるか住んでいないかといったことは関係ありません。


自分のことを「ストレスには強いほうだ」と思っていても、精神的なストレスを全く受けないということはあり得ません。むしろ誰かに頼ることが苦手な場合も多く、そうした場合は突然、介護うつ状態になってしまうことも珍しくないのです。


介護うつを予防するためには、介護にかかる負担を軽減しようと仕事を辞めるという選択肢を選ぶ方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、介護離職は経済的負担の増大、社会との繋がりの減少など様々なデメリットが多いのも事実。

自分自身の時間や世界を持つことは、介護に伴うストレスを上手に発散するためにも大切なことです。


近年、「認知症カフェ」や「介護者の集い」などを自治体や地域のボランティア団体などが主催しているケースも増えつつありますから、こうした活動に勇気を出して参加してみるのも、介護うつを予防するためのひとつの対策。


身近に相談できる人がいない方でも、地域包括支援センターなどに相談し、専門家のサポートを受けましょう。

そして自分の時間を作り、リフレッシュするように心がけていく事が大切です。


高齢者虐待防止法とは

高齢者の虐待が問題視され、それを受けて平成18年に、「高齢者に対する虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」が施行されました。

国、地方公共団体、国民、保険・福祉・医療関係者に、高齢者虐待防止のための責務を与えました。


虐待の認識がない

高齢者虐待防止のための大きな問題点が、虐待を受けている高齢者、および虐待を行っている介護者双方共に、虐待の認識がない場合があるという事です。

厚労省の調査によると、高齢者本人に虐待の自覚がない高齢者が全体の約3割を占めており、虐待をしている虐待者自身の半数以上が虐待をしていると言う自覚がない驚きの事実が浮かび上がってきています。

また、高齢者から虐待をされていると言う意思表示がないケースも半数以上にのぼっていることからも分かる通り、虐待が周囲に気付かれにくい状況にあることも忘れてはいけません。

介護関係者や介護施設に家族を預けている方、行政関係者は、こうした事実をしっかりと認識しながら高齢者側にその認識がなくても、虐待の疑いがある場合は、なんらかの防止策・対策を図る事が求められます。

また、介護をする側に関しては、この法律の存在と詳細をきちんと理解し、日ごろから常に虐待に注意して介護を行う事、そして介護負担を抱え込みすぎず、ストレスを別の場所で上手に発散する事が、高齢者虐待の防止を考える上で重要となってきている。


平成26年度 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果

10年連続で介護施設従事者による虐待が増加…。
各種データから見えてくる、虐待の防止策とは!?

2017/03/22

高齢者への虐待件数は年々増加…。虐待を防ぐ手立てはないのか!?

介護施設において、介護職の従事者による高齢者への虐待が後を絶ちません。

実際問題、データを見てみても介護施設における虐待は増えているのです。

2006年度には相談通報件数273件、虐待判断件数54件だったものが、徐々に増加し、なんと2015年度には、相談通報件数1,640件、虐待判断件数408件となっています。

前年の2014年度には相談通報件数1,120件、虐待判断件数300件だったことから、通報は46.4%増加、虐待と判断された件数は36.0%も増加していることになります。


特に2009年度以降、右肩上がりで虐待件数が増え、抵抗できない高齢者に対しての苛烈な虐待の現実を突きつけられます。

調査開始から10年、虐待は減るどころか増えています。

しかも介護職員によるものが増加しているのですから事態は深刻です。


とくに、都道府県別に見てみると、東京、大阪、兵庫、神奈川、愛知、福岡の虐待件数が多くなっています。

これは、入所者が多いため、必然的に虐待件数も比例して多いものだと考えられます。

中でも大阪府は多く、33件も発生しており、人口の多い東京都の26件を抜いています。

これは一体、何が原因なのでしょうか?抜本的な解決策はないのでしょうか?

これらは、あくまで施設における介護職員による虐待です。


介護を行っている家族などによる虐待も含めれば、相談通報件数は26,688件、虐待判断件数は15,976件と、桁違いの数になってしまいます。

虐待を行っている人に、虐待をしているという自覚があるとは限らず、介護者の社会的孤立や介護ストレスなどによって、高齢者ともども追い詰められ、虐待を行ってしまっていることにつきあたります。


虐待を受けてしまった高齢者のうち、7割が認知症だったというデータもあります。

認知症の人のほうが、虐待を受けやすいという現状があります。


超高齢化社会で認知症患者が増え続け、施設にまかせきりという家族も多い中、また、認知症がどのような病気かわからず介護している職員も多いため、認知症患者に対する虐待が増加しているものだと考えられます。

つまり、認知症介護の基本が理解されていない、介護する側の理解不足も原因のひとつにあるのです。


しかし、反対に認知症患者から何らかの形で傷つけられる介護職員もいるとの声もあり、認知症介護の現場の壮絶さをうかがわせます。

国は要介護者3人に職員1人の設置を義務付けていますが、ゆとりある介護環境の実現のためには、もう少し割合を高めてもいいのかもしれません。


改善が見られていない!?過去に指導があったケースも1割に

引き続き、データを見ていきましょう。

厚生労働省の調査によると、虐待があった施設において、過去にも虐待があったケースはおよそ1割にものぼります。

過去に何らかの指導を受け、それでも改善が行われず、またしても虐待が発生していたケースが28件あったのです。


現場の改善意識、そして経営陣の、なんとしても虐待を防ぐぞという意識の希薄さが、このような事態を引き起こしているものだと考えられます。


この、改善が見られていない、というところに、介護現場の虐待における課題が潜んでいるのではないか?と考えることができます。


なぜ虐待が発生しているのか!?防止策はないのか!?

虐待の発生要因別で見ていきましょう。

厚生労働省の調査によると、「教育・知識・介護術等に関する問題」が246件で65.6%を占めています。

続いて、「職員のストレスや感情コントロールの問題」も101件で26.9%を占めます。


つまり、介護職員自身の問題と、介護職員を取り巻く教育の問題もあるのです。

ですが、これらは一朝一夕に解決できるものともいえません。

介護職員のストレスなどは、本人の努力もありますが、職場環境の改善がもっとも重要です。


やはり介護職員が多忙すぎるというのもひとつにあるのでしょう。

教育・知識・介護技術に関する問題、というのも、現場が多忙すぎて教育に時間をさけないというのがひとつにあると考えられます。

慢性的な人員不足の上、理解不足、知識不足から虐待に走ってしまうことが考えられます。


ですが、これらのことは放置しておけません。

高齢者への虐待はひとつ間違えば命に関わることでもあり、高齢者と、介護している側をどちらも守ることが必要です。


介護施設は、少しでも売上をアップさせて財政基盤にゆとりを持たせ、介護職員にかける時間そのものを増やしていく必要があるでしょう。

虐待を行ってしまう介護職員の側も、追い詰められている側面があることは否めず、時間的、精神的ゆとりがないことから虐待に走ってしまう可能性もあります。


まずは介護の現場におけるゆとりを重視した施策が求められます。

介護施設の、施設職員に対する指導が行き届いていない現状が垣間見えます。

そこには、物心両面における深刻な危機が見て取れます。

介護職員の業務が多忙なことも問題のひとつ!?

一方で、#UAゼンセン日本介護クラフトユニオン( #NCCU )の組合員を対象としたアンケートからは、介護職員の業務への負担が、ストレスとなり、そのはけ口として高齢者への虐待という形で表出してしまうという現状もあります。

実際に介護の現場で働いている人へのアンケートから、介護職員の高いストレスの現状がうかがえます。

多忙で、高ストレス。おまけにあまり給料が高いとはいえない現場。

虐待が起こる下地は揃っているのかもしれません。

また、声が届いていても、経営層だけではどうしようもないのが現状だということも考えられます。

給料アップがすべてを解決するとはいいませんが、介護スタッフの懐にゆとりを持たせて、虐待につながる物心双方のストレスを減らしていくことも重要でしょう。


また、人の心にまで踏み込んでいく必要も生じます。

高齢者から虐待されているという声を上げることはまれであり、データに出ている虐待件数は氷山の一角だという見方もあります。

非常に難しく、介護職員の心のなかやモラルに関する問題ですので、事態は複雑です。


安価な介護施設において薄給で働いていては、虐待は容易に起きてしまいます。

利用者の側も、モラルの高い施設に大切な高齢者を預けるために、お金を積極的に支払い、介護職員の給料を人並みに上げて、環境を改善していくことも重要です。

モラル研修などもあわせて行い、チェック体制を強化して、命を預かる現場の倫理観を高めていくことも重要です。

介護の現場から少しでも虐待を減らすために、できることは何なのか、皆で考えていく必要があります。

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