#教員の危機意識が希薄... #いじめ防止対策推進法
「話を聞いてください」何度も…担任がいじめ放置 女児が不登校に 大津の市立小、教員の薄い意識
2017.4.21
平成25年に大津市立小学校で、当時4年だった女児が他の児童から足をかけられるなどのいじめを受け、担任の男性教諭に被害を訴えたにもかかわらず、この教諭が1カ月以上放置していたことが20日、分かった。
女児はいじめをきっかけに不登校となった。#いじめ防止対策推進法に基づき、市教委と学校が有識者らと調査し、まとめた報告書は「教員の危機意識が希薄」と厳しく批判している。
報告書や市教委への取材によると、女児は25年10月ごろから、同じクラスの複数の児童から運動場で押されたり、教室で足をかけられたりしてけがをすることがあった。
女児が嫌がるあだ名で呼ばれることもあり、やめるよう言っても収まらなかったという。
担任の教諭は保護者から加害児童に注意してほしいとの手紙を受け取り、女児からも「話を聞いてください」と何度か訴えられたが、「#授業が始まるので後で聞きます」といい、対処しなかった。
25年11月下旬に保護者が市の相談機関に訴え、学校側がいじめを認知。
加害児童を指導するとともに、双方の保護者らに報告したが、その後、女児は学校を休みがちになった。
26年9月に、いじめていた児童のうちの1人から足をかけられて、女児は不登校になった。女児は中学校へ進学後も体調不良を訴え、休みがちという。
女児は当時、「加害児童の謝罪の仕方に不満がある」と訴えており、市教委は「指導が不十分だった可能性もある」とし、追加調査を行っている。
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相次ぐいじめ教員薄い意識
女児がいじめ被害を訴えながら担任教授が放置していたことが判明した問題は、教員側の意識の薄さとともに、学校側の対応が女児の不登校の遠因になっていることを浮き彫りにさせた。
いじめは後を絶たず、こうした現状の改善のためには、いじめ調査結果の公表は欠かせない。
■重大事態認知314件
平成23年に大津市立中2年の男子生徒=当時(13)=がいじめを苦に自殺する事件が起きたのを契機に、25年に成立したいじめ防止対策推進法は、子供の生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑いがあるなどの「重大事態」があった場合、学校などが調査組織を立ち上げ調査を行うとしている。
27年度には全国で314件の重大事態を認知。
しかし文部科学省の担当者は「調査結果を見ると、教員が『いじめではない』と判断して対応が遅れたり、情報共有を怠ったりと、学校に不備がある場合が多いと明かす。
調査結果の取り扱いはそれぞれの教育委員会などが決めることになっており、その多くは明らかにされない。
今回の事案も、大津市教委に対する情報公開請求で分かった。
文科省は今年3月、重大事態の調査に関するガイドラインをまとめ「調査結果は児童生徒への影響などを勘案し、特段の支障がなければ公表することが望ましい」としている。
一方、大津市もガイドラインに先立つ2月、調査結果を原則公表することを決定。
越直美市長は今月20日の市総合教育会議で「現状ではまだ教員のいじめに対する認識は不十分」と指摘。
過去の重大事態をふまえて、いじめを認知した際の対応マニュアルを作成する方針を示している。
■「死に至るナイフ」
対策が強化されながら、学校でのいじめは後を絶たない。
23年に自殺した男子生徒の父親は「教員がいじめを重要な問題として見ようとしていない場合が多い」と批判。
その上で「真相究明のための報告書を読むことで、どうしたらいじめをとめられるか考える機会にもなる。
できる限り公開し、『いじめは死に至らせるナイフのようなもの』ということを教員や世間に徹底させてほしい」と話した。
一方、教師にいじめ対策指導などを行う #NPO法人ジェントルハートプロジェクトの小森美登里理事は「発表が前提の調査ならば、いい加減にはならない。事後の対処方法などを綿密に示した報告書の作成を徹底していくべきだ」と指摘している。
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