#処方薬の過信や継続服用は禁止!!! 【 #医者が自分で飲まない薬 #生活習慣病と処方薬 】
●生活習慣病と処方薬
中高年になると、血圧の薬を毎日飲んでいる人も多いだろう。
だが、その薬が本当に効いているのか、逆に副作用がないのかをよく見極めて処方されているケースは意外に少ない。
「高血圧の薬は歴史も古く、たびたび大規模な調査が行われ、論文も多い。しかしわかっていることは、わずかに寿命を延ばすほど効果があると認められるのは、サイアザイド系利尿剤という古いタイプの降圧剤だけだということです。
つまりARBなど最新の降圧剤は薬価が高いだけで、古くからある薬より寿命を延ばす効果も少ないのです。
こう語るのは新潟大学名誉教授の岡田正彦氏。
「ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)と呼ばれる血圧を下げる薬は薬価も高く、処方されている量も多い。'14年度の医療用医薬品国内売上高ランキングを見ると、売上高トップ10のうち3つもARBが入っています。しかし、これらの薬が本当に必要かどうか、大いに疑問です」
ちなみに売上高の多い降圧剤とは、
ブロプレス(武田薬品、946億円、'14年度=以下同)、
オルメテック(第一三共、763億円)、
ミカルディス(アステラス製薬、612億円)の3種。
このうち、いくつかを服用したことのある人も多いだろう。
「血圧が上がりすぎると脳出血の恐れがありますが、逆に下がりすぎると今度は血管が詰まって、脳梗塞になる。また、めまいが起こって失神する危険性もあります」(岡田氏)
長尾クリニック院長の長尾和宏氏も、安易な降圧剤の使用に反対だ。
「降圧剤は副作用がないと言われていますが、血圧を下げるということは生命力を下げるということ。仕事や生活の意欲が低下したり、性欲が減退したりするなど、生活の質に関わることもあります。薬を飲み続けていると、血圧は下がったけれど、うつ病のようになってしまったという人もいる。これでは逆に寿命を縮めてしまいます」
現在、売れているARBが発売される前、高血圧の治療で主に使われていたのはACE阻害薬というタイプの薬だった。
しかし、ACE阻害薬の特許切れが近づき、大きな利益が得られなくなった製薬会社は、次のドル箱としてARBを開発し、それが「新しく、安全で、効果が高い薬である」という大キャンペーンを行った。結果、医療界では、ARBが降圧剤治療のスタンダードとなったのだ。
生活習慣に関わる病気の薬は、製薬業界にとって大きなビジネスになるので、多かれ少なかれ似たような構造的問題が生じてくる。
現在、日本で一番売れている薬。それがプラビックスだ。
抗血栓薬で、血液をサラサラにする効果があり、心筋梗塞や脳梗塞の再発予防に使われている。前出の岡田氏が解説する。
「心筋梗塞のステント治療(血管に金属を入れて広げる治療)の後に、この薬を飲むと再発が大きく防げるということがわかっています。
しかし、脳梗塞の予防効果は、実はきちんと確認されていません。
血液サラサラというのが患者さんに受けているのでしょう。
脳出血など副作用の心配があり、薬価が高いのも問題です。
私はどうしても必要な患者さんにだけ、アスピリンかジェネリックのシロスタゾールを処方しています」
●糖尿病の薬
糖尿病の薬も長期間、服用することが多いので要注意だ。薬剤師の深井良祐氏が語る。
「糖尿病については、血糖値を下げたほうがいいというのはゆるぎない事実。しかし、薬を使って無理矢理下げようとすると、低血糖の症状が出てかえって危険な場合もあります。厳格に血糖値をコントロールしすぎて、逆に死亡率が高くなったという研究報告もあります。
ジャヌビア、エクア、アマリールなどがメジャーな薬ですが、処方されたからといって、同時に何種類も飲むのはやめたほうがいい」
若い患者の場合は、低血糖になると手が震えたり、動悸がしたりするが、高齢者の低血糖は症状が出にくい。低血糖は心筋梗塞を起こす危険もあるので、注意したい。
ナビタスクリニックの佐藤智彦氏は、糖尿病薬としてはアクトスが「とくに使いづらい危険な薬」だという。
「心臓に問題のある患者に使用すると、心不全を起こすことがあるので気を使います」
●高脂血症
高脂血症の原因になるコレステロールはどうだろう?
現在、「スタチン系」と呼ばれる薬が処方されることが多いが、この薬の効果のほどは「かなり怪しい」と、小野沢滋・前北里大学病院トータルサポートセンター長は語る。
「『このままでは将来心筋梗塞になるかもしれない』と患者の不安を煽り、定期的な外来受診と食事制限を行い、スタチン系の薬を処方する。しかし、これらの薬は飲む必要がなく、費用対効果も悪い。合併症がなければ、薬を飲もうが飲むまいが、高脂血症のリスクはまったく変わりません」
前出の佐藤氏もスタチン系のクレストールは「横紋筋融解症を起こすことがある」と警鐘を鳴らす。
「薬を飲み始めてから、だるい、筋肉痛があるという場合は要注意です。横紋筋が融解し、筋細胞中の成分が血中に流出すると、腎不全を発症し、死に至る場合もあります」
●認知症薬の副作用
高齢化が進むにつれて、爆発的に使用量が増えているのが認知症薬だ。
現在、最も多く使用されている認知症薬はアリセプトだが、この薬は処方を間違えると症状を悪化させることも多い。
認知症治療に詳しい名古屋フォレストクリニックの河野和彦院長が解説する。
「認知症にはアルツハイマー型、レビー小体型、脳血管性など色々な種類があり、症状によって薬の種類や処方量を細かく調整する必要があります。にもかかわらず、日本ではアリセプトを機械的に処方する医師が多い。
アリセプトは適切に使えば効果的だが、一部の型の認知症にしか効かない上に、その他の認知症に使うと、逆に症状を悪化させる危険性もあります」
アリセプトの副作用としてよく指摘されるのは、患者が興奮状態になって、暴言を吐いたり、暴力的になったりするということだ。
とりわけすでに怒りっぽい症状が出ている認知症患者に、過剰投与すると手が付けられないほど暴れることがある。
ならば投与量を調整すればよさそうなものだが、そうもいかない。
アリセプトは用量の規定があり、最初は3mg、1~2週間後に5mg、さらに病状の進行に合わせて10mgにすると決められている。
医師の判断で用量を変化させると、薬のレセプト(診療報酬明細書)審査が通らず、病院は健保組合から医療費の支払いを受けられない仕組みになっているのだ。
「こういう増量規定のある薬は珍しい。しかし、患者の様子を見て投与量を調整することで、暴力的になることを抑えることができるのは事実です。厚労省はただちにこの規定を改善すべきでしょう」(河野氏)
このように、医師が適切な処方をしようとしても、厚労省や製薬会社側の都合で、患者の状態が悪化するという事態も生じているのだ。
●うつ病
うつ病は「心の風邪」といわれるほど一般的な病気になったが、患者の増加は SSRI という新しい抗うつ剤が生まれた'90年代に重なる。
医療ジャーナリストの田辺功氏が語る。
「海外でも日本でも、SSRIが出てからうつ病患者が2倍、3倍と増えていった。現代社会はなにかとストレスが多く、気が滅入ることもある。そこで精神科に出向くと、『心の風邪ですね』と言われてSSRIを処方される。
パキシル、デプロメール、ルボックスなどが代表的な薬ですが、これらはセロトニンという脳内物質に関わる薬で、脳内の環境を変えてしまいます。
うつ状態は改善されても、どんな副作用があるかわからないので恐ろしい。
また、わかりやすい副作用として消化管の出血なども報告されています」
他にも注意が必要な精神薬はある。
例えば、統合失調症などに処方されるジプレキサや向精神薬のセロクエルは、糖尿病患者が服用すると血糖値が跳ね上がる危険性がある。
しんクリニック院長の辛浩基氏が語る。
「血糖値が500以上になって、糖尿病性ケトアシドーシスという非常に危険な状態になることがあります。精神科の医者が、単純に『ポピュラーな薬だから』という理由だけでこれらの薬を処方すると、患者が糖尿病持ちだった場合、命を落とす危険性もあるのです」
●睡眠薬
医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏は睡眠薬の投与に懐疑的だ。
「エチゾラムのような睡眠薬は朝まで薬が残り、ボーッとしてしまったり、転倒してそのまま寝たきりになったりする人もいます」
他にもマイスリー、ハルシオンといった短期間作用型の睡眠剤もよく使われる。
医薬ビジランスセンター理事長(内科医)の浜六郎氏が、その副作用を語る。
「前向健忘といって、酒に酔って前の日のことをまったく覚えていないのと同じような状態になります。その人の普段の状態からは想像がつかないほど性格が変わったり、事故を起こしたり、人を傷つけたり、場合によっては人を殺しても自分のやったことを全く覚えていないということが起きる。
また、これらの薬は続けて服用していると、1日飲まなかっただけで、翌日痙攣を起こすこともある」
●鎮痛剤
身近な鎮痛剤にも落とし穴はある。
「つい先日も『お腹がひどく痛くなり、吐血した』という患者さんが来ました。
よく話を聞いてみると、その方はひどい頭痛持ちで、痛み止めにロキソニンを常用していることがわかりました。
胃カメラで見てみると、胃の粘膜が真っ赤にただれて出血していた」
こう語るのは前出の佐藤氏。
ロキソニンは頭痛や生理痛など、幅広い痛みを抑えてくれる鎮痛剤としてポピュラーな薬だ。しかし、この薬にも重大な副作用があるという。
「頭痛持ちの人が痛み止めとして日常的に使用している場合が多いのですが、効き目がシャープな分、胃の粘膜も荒らしやすい。空きっ腹に飲んだりすると、胃潰瘍になったり、腎臓を傷めたりします。吐血したり、血の混じった黒い便が出たりして病院に駆け込んで、初めて薬の飲みすぎだとわかったというケースはよくあります」(佐藤氏)
そのロキソニン、今年3月には、厚生労働省が「重大な副作用」の項目に「小腸・大腸の狭窄・閉塞」を追加するように改訂指示を出した。
軽い気持ちで痛み止めを飲み続けていたら腸閉塞になる——病院で処方されたからといって、安易に薬を飲んでいては思わぬ副作用を招くことになる可能性があるのだ。
前出の田辺氏が語る。
「誰も注意してこなかっただけで、これまでに頭痛持ちの人が腸閉塞で死亡した例もあったかもしれません。因果関係がわからなかったから問題にならなかっただけで、そのような可能性は無きにしもあらずなのです」
ポピュラーな薬であればあるほど、医師や病院は安易に処方しやすい。
「一般的な薬だから、これさえ出しておけば安心だろう」と飲み方の注意や副作用について十分な説明をしないまま出してしまうケースが多いのだ。
だが、そのような薬を何も考えずに飲み続けていると寿命を縮めることになる。
●「はげ薬」でがんになる?
アレルギー性鼻炎やアトピーでしばしば処方されるセレスタミンも注意が必要だ。
これは抗ヒスタミン剤とステロイドの合剤だが、「医師が単なる抗ヒスタミン剤だと勘違いして処方することがある」(浜氏)という。
「実は長時間作用型ステロイドのリンデロンが入っており、副腎の働きを抑えてしまう。半年、1年と長期間使って薬をやめると、自前のステロイドホルモンが出なくなっているために、禁断症状として血圧が下がってショック状態になることがあります」(浜氏)
また、糖尿病の患者がセレスタミンを使用すると「ステロイドの影響で血糖値が300、400と急上昇することがある」(辛氏)ので要注意だ。
胃の調子が悪いからといって、恒常的にPPIと呼ばれる胃酸を抑える薬を飲んではいけない。
「ネキシウムやタケプロンが代表的な薬ですが、確かにこれは胃が痛いとか胸のあたりがチリチリするという患者さんにはよく効くので、出してくれと言われることが多く、医師も再発防止にもなると思って処方する。
しかし、長期間飲むと骨粗鬆症が進行して骨折しやすくなるという海外の調査研究があります。予想外の副作用があるので、服用は短期間(2~3ヵ月)にしておいたほうがいい」(岡田氏)
前立腺肥大の症状改善に用いられるアボルブは、男性ホルモンの作用を弱める薬剤。
しかし「インターネット上では前立腺がんを少なくするなどという情報が飛び交っているが、実は悪性度の高いがんが逆に増える」と前出の浜氏は忠告する。
「これは特に男性にとって発癌作用のある女性ホルモンが増えることと関係があります」
アボルブと同じ成分がザガーロという名で、また似た成分がプロペシアという名で、男性型脱毛症に使用が許可されているが、「その効果はザガーロで10%ほど頭髪が増えるという程度」(浜氏)。はげを気にして、がんになっては元も子もない。
●統合失調症薬使用の85人死亡 NPO法人調査
2016年6月21日 21時17分 朝日デジタル
統合失調症治療薬「ゼプリオン」を使用していた85人が死亡していたと、NPO法人「地域精神保健福祉機構」が21日、発表した。
2013年11月の発売から今年2月までの国への副作用報告を分析したという。
因果関係は不明で、使用患者の全例調査をすべきだと厚生労働省に求めた。
この薬はヤンセンファーマ(東京都)が製造販売する注射薬。
85人の死因は不明が最も多く、心疾患、自殺、誤嚥(ごえん)・窒息が続いた。
同社は「指摘は真摯(しんし)に受け止めるが、薬は安全かつ有効だと考えている。
適正な使用が広がるよう情報提供を続けたい」としている。現在の使用者は約1万2千人。
厚労省は「適正使用が続くよう啓発を続ける」としている。
同薬は投与が1カ月に1度でよく、利用しやすい薬と知られているという。
このように何千種類もの薬が氾濫している現在、
医者や病院がすべての薬の副作用や危険性を把握しているとは限らない。
病院が医療費の点数がつくからといって
何も考えずに処方した薬を飲み続けることで、寿命を縮めることだってある。
まずは自分のお薬手帳を見て、
なんとなく安易に飲み続けている薬がないか確かめよう。
そのうえで、信頼できる医者と相談しながら、
飲み続けるべき薬、やめてもいい薬を仕分けする——
それが健康への第一歩だ。
薬の副作用が原因で死ぬ人は交通事故死の約20倍!
私たちが病院に行って身体の不調を訴えれば、お医者さんから処方箋(せん)をもらって、調剤薬局で薬を買うことができます。
また、ドラッグストアや薬局が街には数多くあって、さまざまな薬を簡単に手に入れることができます。いずれも、身体の不調を改善したい、症状を止めたいと薬の作用を期待して購入します。
しかし、薬には必ずプラス(効果)とマイナス(副作用=毒性)があって、マイナスの方が大きく出てしまうケースが多くあります。重篤な副作用が出た場合は死に至ります。
欧米では副作用死に関する調査研究も行なわれており、米国では、年間、推計10万6000人が副作用で死亡(全米医師会報、トロント大学のチームの研究報告)と具体的な数まで出ています。
世界一、薬を飲むのが好きな国なのに、残念ながら日本ではこのような「副作用死」に関する調査研究はなされていません。そうなると推測するしかありませんが、単純に人口が米国の4割として(米国3・09億人に対し日本1・27億人)、副作用死は米国10万6000人の4割=4万2400人という単純な計算にはならないと思います。私は少なく見ても6万〜7万人。もしかしたら、10万人を超す可能性もあると見ています。
平成25年中の日本の交通事故死者数は、4373人ですから、約15倍〜22倍以上という数の方が、薬の副作用で亡くなっている計算になるのです。
最大の理由は欧米では〝1剤処方〟が基本。多くても2剤であるのに対し、日本では5剤以上の処方が当たり前になっているからです。
とくに、窓口の自己負担率が1割になる75歳以上の高齢者には10剤以上を処方することもよくあります。
体力が低下し、本来選択的に薬を処方しないといけない年代の方たちが目を覆いたくなるような〝薬漬け〟にされているのです。
その結果、多くのおじいちゃん、おばあちゃんが命を落としていることは、容易に察しがつきます。
アメリカの賢人医師が若いドクター向けに書いた名著『ドクターズルール 医師の心得集』(クリフトン・K・ミーダー編、福井次矢訳・南江堂刊)には、医師が持つべき「薬に関する心得」として次のような提言が出てきます。
①4剤以上飲まされている患者さんは、医学の知識が及ばない危険な状態にある。
②薬の数が増えれば増えるほど、副作用のリスクは加速度的に増す。
③処方を中止しても、患者さんの状態が悪くなるような薬はほとんどない。
④可能ならば、薬の処方を全部やめる。それができないなら、できるだけ薬を出さないよう 026 にする。
⑤効いているのか疑問に思った薬はたぶん、効かない薬だ。
この中でとくに興味深いのは①、最初に「4剤以上飲まされている患者さんは医学の知識が及ばない危険な状態にある」と断定していることです。
もしそうだとしたら、いったいどれだけの日本人が「医学の知識が及ばない状態」にあるのでしょう?
4剤以上服用している日本人は、おそらく5〜6人に1人はいると思われるので2000万〜2500万人が医学の知識の及ばない状態、言い換えれば、いつ副作用死してもおかしくない状態にあるのです。
②の「薬の数が増えれば増えるほど、副作用のリスクは加速度的に増す」ということも、肝に銘じておくべきことです。現在の日本では、10剤以上の併用も珍しいことではなくなっているからです。
いまだかつて地球上で10種類以上の薬を20年以上も飲み続けると、どうなるのかという実験が行われたことはありません。
そのため、どんなことになるかわからないまま、壮大なスケールで国民の薬漬けが進行しているのが今の日本の現状なのです。
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