#精神神経用剤のデパス #抗不安剤のソラナックス #メイラックス #薬物依存に注意―厚労省...

厚生労働省は21日、精神神経用剤の「エチゾラム」(販売名:デパス錠)や(催眠鎮痛や抗不安に用いる「アルプラゾラム」(販売名:ソラナックス錠、コンスタン錠など)・「ロフラゼプ酸エチル」(販売名:メイラックス錠など)などでは、薬物依存を生じることがあるため「用量・使用期間に注意する」ことや、刺激興奮・錯乱などが現れることがあるため「観察を十分に行い、異常があれば投与中止などの処置を行う」ことなどを、医療機関に注意喚起しました

2017年3月23日

厚労省は、両医薬品を含めて多数の成分についてこうしたリスクがあることから、「使用上の注意」を速やかに改訂する必要があると判断。

製薬メーカーに速やかな改訂を指示しています。

具体的な医薬品の成分と、「使用上の注意」の改訂内容は以下のとおりです。


◆精神神経用剤

▽エチゾラム(販売名:デパス錠、同細粒ほか):「連用により薬物依存を生じることがあり、漫然とした継続投与による長期使用を避ける。投与継続に当たって治療上の必要性を十分に検討する」旨を【重要な基本的注意】に明確化。また、【重大な副作用】として「薬物依存」があるため、

▼用量・使用期間に注意した慎重投与▽連用中の急激な投与量減少による不安、不眠、痙攣、悪心、幻覚、妄想、興奮、錯乱、抑うつ状態などの離脱症状に注意(慎重な減量)―などの点を明らかにする。

 

◆催眠鎮静剤、抗不安剤

以下の薬剤について、「連用により薬物依存を生じることがあり、漫然とした継続投与による長期使用を避ける。投与継続に当たって治療上の必要性を十分に検討する」旨を【重要な基本的注意】に明確化する。

また、【重大な副作用】として「薬物依存」があることを明確化し、

▼用量・使用期間に注意した慎重投与

▼アルコール中毒・薬物依存の傾向・既往のある患者、重篤な神経症患者への特段の注意

▼連用中の急激な投与量減少による不安、不眠、痙攣、悪心、幻覚、妄想、興奮、錯乱、抑うつ状態などの離脱症状に注意(慎重な減量)―などの点を明らかにする。

 

さらに(※)の薬剤では、「刺激興奮、錯乱などが現れることがあるため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与中止などの適切な処置を行う」旨も明確にする。


▽アモバルビタール(販売名:アモバルビタール、イソミタール原末)

▽アルプラゾラム(販売名:ソラナックス錠、コンスタン錠ほか)※

▽ロフラゼプ酸エチル(販売名:メイラックス錠ほか)※

▽エスゾピクロン(販売名:ルネスタ錠)

▽エスタゾラム(販売名:ユーロジン錠ほか)※

▽オキサゾラム(販売名:セレナール錠ほか)

▽クアゼパム(販売名:ドラール錠ほか)※

▽クロキサゾラム(販売名:セパゾン錠ほか)※

▽クロラゼプ酸二カリウム(販売名:メンドンカプセル)※

▽クロルジアゼポキシド(販売名:バランス錠、コントール錠ほか)※

▽ジアゼパム(経口剤、注射剤)(販売名:セルシン錠、ホリゾン錠ほか)※

▽セコバルビタールナトリウム(販売名:アイオナール)

▽ゾピクロン(販売名:アモバン錠、アモバンテス錠ほか)

▽ゾルピデム酒石酸塩(販売名:マイスリー錠ほか)

▽トリアゾラム(販売名:ハルシオン錠ほか)※

▽トリクロホスナトリウム(販売名:トリクロリールシロップ)

▽ブロモバレリル尿素(販売名:ブロバリンほか)

▽ニトラゼパム(販売名:ベンザリン錠、ネルボン錠ほか)※

▽ニメタゼパム(販売名:エリミン錠)※

▽ハロキサゾラム(販売名:ソメリン錠ほか)

▽クロチアゼパム(販売名:リーゼ錠ほか)

▽フェノバルビタール(経口剤)(販売名:フェノバルビタール散ほか)

▽フェノバルビタールナトリウム(坐剤)(販売名:ワコビタール坐剤、ルピアール坐剤)

▽フェノバルビタール(注射剤)(販売名:フェノバール注射液)

▽フェニトイン・フェノバルビタール(販売名:アレビアチン)

▽フェニトイン・フェノバルビタール・ 安息香酸ナトリウムカフェイン(販売名:ヒダントールD配合錠)

▽フェノバルビタールナトリウム(注射剤)(販売名:ノーベルバール静注用)

▽フルジアゼパム(販売名:エリスパン錠、同細粒)※

▽フルタゾラム(販売名:コレミナール錠、同細粒)※

▽フルトプラゼパム(販売名:レスタス錠)※

▽フルニトラゼパム(経口剤)(販売名:サイレース錠、ロヒプノール錠ほか)※

▽ブロマゼパム(経口剤)(販売名:レキソタン錠、セニラン錠ほか)※

▽フルラゼパム塩酸塩(販売名:ダルメートカプセル)

▽ブロチゾラム(販売名:レンドルミン錠、ソレントミン錠ほか)※

▽ペントバルビタールカルシウム(販売名:ラボナ錠)

▽抱水クロラール(販売名:抱水クロラール)

▽メキサゾラム(販売名:メレックス錠、同細粒)※

▽メダゼパム(販売名:レスミット錠ほか)※

▽リルマザホン塩酸塩水和物(販売名:リスミー錠ほか)※

▽ロラゼパム(販売名:ワイパックス錠ほか)※

▽ロルメタゼパム(販売名:エバミール錠、ロラメット錠)※

 

◆抗てんかん剤

▽ラモトリギン(販売名:ラミクタール錠25mgほか):併用に留意する薬剤として、同じ抗てんかん薬の「ペランパネル」(販売名:フィコンパ錠)と「ラコサミド」(ビムパット錠)を追加

次の薬剤について、【重大な副作用】として「薬物依存」があるため「用量・使用期間に注意した慎重投与」が必要な旨を明確にする(※は上記と同様)。


▽クロナゼパム(販売名:リボトリール錠、ランドセン錠、同細粒)※

▽クロバザム(販売名:マイスタン錠、同細粒)

▽ジアゼパム(坐剤)(販売名:ダイアップ坐剤)※

▽プリミドン(販売名:プリミドン錠ほか)

▽ミダゾラム(てんかん重積状態の効能を有する製剤)(販売名:ミダゾラム注)

 

◆痔疾用剤

▽硫酸アルミニウムカリウム水和物・タンニン酸(販売名:ジオン注ほか):新たな重大な副作用などとして「直腸腟瘻」(女性の前側の痔核に注射する際、直腸壁全層を注射針が穿通し、腟とその近傍に刺入・注射した場合に発生する)を追加。投与後は定期的に観察を行い、瘻孔が認められた場合には、手術等の適切な処置を行うことが求められる


< 薬生安発 0321 第1号    平 成 2 9 年 3 月 2 1 日 >

睡眠薬や抗不安薬44種類「規定量で薬物依存の恐れ」

朝日新聞デジタル 3/21(火)

 睡眠薬や抗不安薬、抗てんかん薬として処方される「ベンゾジアゼピン(BZ)系」という薬などについて、規定量でも薬物依存に陥る恐れがあるので長期使用を避けることなどを明記するよう、厚生労働省は21日、日本製薬団体連合会などに対し、使用上の注意の改訂を指示し、医療関係者らに注意を呼びかけた。

 対象はエチゾラムやアルプラゾラムなど44種類の薬。BZ系薬は短期の使用では高い効果を得られるが、薬をやめられない依存性や、やめたときに不安、不眠などの離脱症状が生じることがあるとされる。日本では広く使われているが、欧米では処方が控えられ、長期的な使用も制限されている。

 厚労省は、「承認用量の範囲内でも、薬物依存が生じる。漫然とした継続投与による長期使用を避けること」「投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと」などと使用上の注意に明記することを求めている。(黒田壮吉)



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