「誰も独りぼっちでは死なせない」1人の看護師が始めた活動に多くの人々が共感...
#リビングウイル #LW #グリーフワークの12の段階 #エンゼルケア
Emotion 2017.01.20
http://spotlight-media.jp/article/371178147666728901
1986年、オレゴン州ユージーンで看護師をしていたサンドラは終末期の患者が7人を受け持っていました。
それは、冷たい雨が降りしきる雨の夜のことでした。
サンドラさんが夜の巡回を始めた時、一番最初に確認に行った終末期の年配男性が、とてもか細い声でサンドラさんに「一緒にいてもらえませんか?」と言ってきました。
彼はかなり年老いていて、かなり弱々しく、かなり不安そうでした。
サンドラさんは、「もちろんいいですよ!他の患者さんをチェックしたらすぐに戻ってきますから、ちょっと待っててくださいね。」と言って巡回を続けました。
サンドラさんは、他の6人の終末期の患者たちの脈拍をチェックしたり点滴薬を取り替えたり、トイレ補助をしたり、すべての巡回を終えるのに1時間半かかってしまいました。
そしてあの男性患者の所に戻ったサンドラさんが最初に目にしたのは、ベッドの端から垂れ下がっていた男性の冷たくなった青白い手でした。
既に彼は息を引き取っていたのです。
この男性は多臓器不全でした。
この男性がいずれ死ぬのは避けられない運命だったのですが、サンドラさんは”一緒にいてほしい”という彼の人生最期の願いを聞き入れてあげられなかったことをとても後悔しました。
独りぼっちでで死なせてしまったことを、彼女はとても後悔したのです。
その記憶が、サンドラさんにはずっと消せなかったそうです。彼女の後悔の記憶として、頭から離れなかったそうです。
サンドラさんはその夜以来、病院の仲間たちと話し合い、身寄りのない死間際の患者さんたちに、交代でずっと付き添うようになりました。
やがてサンドラさんは、本格的にボランティア団体「No One Dies Alone(誰も独りぼっちで死なせない)」を結成しました。「No one die alone」が正式に稼働し始めたのは、2001年11月からのことでした。
この活動に参加しているボランティアの人々の動機は様々です。
ボランティア活動を行っている心臓カテーテル検査室の看護師の1人は、ハイテク環境とケアにもかかわらず、多くの人たちが独りぼっちで死亡しているのを何度も見てきました。そのため、彼はもう一度 、”初心にかえるため"にこの活動に参加したそうです。
ボランティア登録には様々な条件をクリアしなければなりませんが、看護師だけではなく、大工、行政責任者、警備員、秘書、料理人など様々な職業の人たちが参加しているそうです。
ボランティアの多くの人たちが、患者と最期の瞬間を共有できたことに対する感動があると述べています。
サンドラさんの手記
基本的にこのボランティアは48~72時間以内に死亡するかもしれないとされた付き添いが誰もいない患者さんに行われるそうです。ボランティアたちは自分が付き添いができる時間帯をインターネットで登録しておくそうです。その条件は2時間以上付き添いが可能であること。ボランティアは特別なバッチをつけ、患者の手を握ってベッドの傍で付き添います。彼らのサービスは無償です。
ボランティア登録する際には、結核検査、身元調査などが行われ、最終的に付き添った患者たちに対する秘密厳守の書類に署名が求められるということです。
#リビング・ウイル(LW)
治る見込みがなく、死期が近いときの医療についての希望をあらかじめ書面に記しておくものです。
協会のLWである「尊厳死の宣言書」は、
「不治かつ末期での延命措置の中止」
「十分な緩和医療の実施」
「回復不能な遷延性意識障害(持続的植物状態)での生命維持装置の取りやめ」
の3項目を、署名した本人の意思として表明しています。
グリーフワークの「12の段階」
#悲嘆を乗り越える12の段階提言者アルフォンスデーケン
人間が悲嘆を乗り越えていくまでの経過は、12の段階に分けられると言われています。
この12の段階を提言したのが、アルフォンス・デーケンです。
彼はドイツに生まれ、1959年に日本に来日しました。
上智大学で教鞭をとる一方で、生死学の権威として、厚生労働省のオブザーバーとして、「死」に対するテーマの有識者会議などにも参加していました。
癌の告知をしなかった時代に、「癌患者への告知は行うべきだ」という考えを、日本国内で唱え、生死学においては日本の代表的な人物です。
彼が提唱した12段階が以下のとおりです。
12段階の詳細
<第一段階>:精神的打撃と麻痺状態
愛する人の死という衝撃によって一時的に現実感覚が麻痺する。
感情、理性ともに、相手の死を否定する。
身近な死に直面した恐怖による極度のパニック。
不当な苦しみを負わされたという感情から強い怒りを感じる。
周囲の人々や個人に対して、やり場のない思いを敵意としてぶつける。
悲嘆の行為を代表する反応で、過去の行いを悔やみ自分を責める。
空想や仮想の中で、まだ故人が生きているかのように思い込み、そのように振る舞う。
<第八段階>:孤独感と抑鬱
取り残されてしまったという孤独感で抑鬱状態になる。
日々の生活を見失った空虚さから、どうしていのかわからなくなる。
<第十段階>:あきらめ、受容
自分の置かれた状況を「明らか」に見つめ、勇気を持っ
て現実に直面しようとする。
ユーモアと笑いは健康的な生活を送る上で欠かせないもので、この復活は悲嘆を乗り越えつつあるしるし。
以前の自分に戻るのではなく、苦悩に満ちた悲嘆のプロセルを経て、より成熟した人格者として生まれ変わる。
この12の段階が、悲嘆のプロセスとされていますが、そのプロセスは前後することもあり、また同時に起こることもあり、さらには段階を飛び越える場合もあると言われています。
死期を迎えた高齢者は、死亡1週間前から身体に変化を来すとされます。
【死亡1週間前】
・睡眠時間が長くなる
・夢と現実を行き来している
・声をかけても目を覚まさない
【そのほかの変化】
・食べ物や水を飲み込めなくなる
・つじつまの合わないことを言い始める
・手足を動かすなど落ち着かなくなる
・呼吸のリズムが不規則になる
・息をすると同時に肩や顎が動くようになる
・手足の先が冷たくなる
・脈が弱くなる
エンゼルケア
〜看護師が患者さんに関わる最期のケアです
2016年10月3日 更新
長い闘病生活、または突然の死。
すべての人間が迎える「死」の瞬間には患者さんが頑張った形跡、跡が残っています。
エンゼルケアの手順
使用する物品などは各施設により違いがあるかと思いますが、一般的なエンゼルケアは以下の手順になります。
1 医療器具や治療器具を取り除く
生体監視モニターや輸液などの治療でした器具などを、患者さんの身体から取り除きます。
抜針後はしっかりと圧迫止血をするようにしましょう。
患者さんの身体から不要な物を取り除いたら、しばらく患者さんと家族との時間を作ることが大切です。
突然の死、長い闘病生活の末の死、家族の思いは様々ですが、まずは患者さんの家族に「死」と向き合う時間を作ることは大切です。
腹部を圧迫し、尿や便を排出させます。
無理に排出させる必要はなく、腹部を圧迫して、排出があれば綺麗に処理しましょう。
全身の清拭を行います。
看護師だけで行うのではなく、家族に希望を確認し、一緒に行う場合もあります。
口腔内も併せてケアします。
浸出液や排出物の流出を防ぐために詰め物をします。
綿を使用し、鼻、口、耳、肛門、腟などに詰め物をしていきますが特に鼻については、詰めすぎると顔貌が変化してしまう場合がありますので、注意しましょう。
最近では綿の代わりに、一定の時間で固まるゼリーを使用する場合や、詰め物をせずにご遺体を冷却し、流出物を防ぐ場合もあります。
一般的には浴衣などに着替えをする場合が多いですが、この際に注意すべき点として、襟は「左前」、帯は「縦結び」にするということです。
場合によっては浴衣ではなく、患者さんのお気に入りの服装に着替えさせることもあります。
ご家族と相談して準備をしてもらいましょう。
女性の場合は濃くなりすぎない程度に化粧をします。
男性の場合は髭を剃ります。
髪をブラッシングするなどして整えます。
8 手を合掌に
胸の上で、両手を組み合掌させます。
手は左手の親指が身体につくように、左手を手前に組ませます。
硬直するまでの間で、必要な時には包帯や合掌バンドにて手を固定する場合もあります。
9 お見送り
全てを整えたら、顔に白い布をかけます。
最後にご冥福をお祈りし、ご自宅にお見送りします。
最近のエンゼルケアの実態
葬祭業者の様々なサービスの拡大に伴い、最近では病院でのエンゼルケアは最小限にし、葬祭業者などによるエンゼルケアを希望される方も増えて来ています。
なかでも「#湯灌( #ゆかん )」という、ご遺体を入浴させ、清潔を整えるサービスが多く利用されています。
湯灌後に葬祭業者によって詰め物がされたり、化粧がされます。
この湯灌には来世に導かれるために現世の汚れをしっかりと洗い流すという意味と、赤ちゃんが生まれた時に産湯につかるように、新たな来世に生まれかわるためにという意味があるそうです。
患者さんの宗派や土地柄などによっても色々としきたりが違う場合もありますので、ご家族の意向をしっかりと確認しながら、エンゼルケアをおこないましょう。
IU(아이유) _ Knees(무릎) [ENG SUB]
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