#高齢者の病気症状(8) ... #白血病と生存率
白血病は10万人に6.5人の方がかかっている病気で、血液のガンともいわれています。
健康診断などで白血球数の異常をきっかけに発見されることもあります。
■白血病の初期症状
・全身倦怠感
・易疲労
・発熱
・足腰の痛み
・貧血
・あざの出現
同じような症状でも白血病ではなく他の病気であることも多いので、自分で判断せずに医師の診断を受けてください。
■多段階の遺伝子の異常が原因?
白血病の原因ははっきりしていません。
しかし、最近の研究で多段階の遺伝子に傷がついたことが関係しているのではないかと考えられています。
遺伝子に傷がつくと、遺伝子異常の発現や転座と言った染色体の異常が起こります。
その結果として癌遺伝子が活発になり細胞の異常な増殖や細胞の成長を停止させ増殖を促し、白血病が起こるのです。
がんに関連した遺伝子はがん化を進めるがん遺伝子とがんを抑制するがん抑制遺伝子があります。このような遺伝子が異常を起こすだけではなく、異常のある細胞が体の免疫機構を通り抜けて白血病を発症します。
■遺伝子に傷ができる原因は
下記の物は遺伝子に傷をつけるものだと考えられています。
・タバコ
・ウイルス
・放射線
・自然界に存在する発がん性物質
・薬物
■白血病は遺伝する?うつる?
先天性遺伝子異常に関連した小児白血病があります。この白血病は遺伝性の疾患ではありません。また、親から子に伝わることはありません。
白血病の中の急性リンパ性白血病というも種類があります。ウイルスが原因で白血病を発症するものもあります。しかし、0.003%以下の人しか発症しません。つまりほとんどの人にうつることはほとんどないのです。
また急性骨髄性白血病に関してはウイルスが原因ではなく、急性骨髄性白血病は伝染する病気ではありません。
■白血病の症状
同じ白血病でもいくつかの種類があります。
血液にはいろいろな細胞を含んでいます。
主に白血球、赤血球、血小板などの細胞があります。
これらの血液細胞の量や、成長に異常があるときに白血病となります。
○白血球に異常がある時
白血球は体内のウイルスやカビなどの外敵を攻撃し、身体を守る働きがあります。
・抵抗力の低下
・免疫力の低下
・発熱
・肺炎
・傷が治りにくい
○赤血球に異常がある場合
赤血球には各臓器に酸素を送る働きがあります。
・頭重感がある
・ふらつき
・動悸
・息切れ
・倦怠感
・貧血
○血小板が減る場合
血小板には血液を固める働きがあり、出血を止める働きがあります。
・あざが治りにくい
・歯茎から出血しやすい
・傷が治りにくい
治るためには自分の症状や治療の目的を理解して前向きに治療に取り組むことがとても大切です。納得いく治療が受けられるよう、質問があれば医師に相談しましょう。
■白血病には複数の種類があります。
白血病にはゆっくり進行する慢性的なものと、急に進行する急性なものに分けられます。
さらにそれぞれ骨髄性とリンパ性のものがあります。
そのうちの急性骨髄性白血病について説明をしていきます。
■急性骨髄性白血病の治療方法
治療の基本は骨髄中に増殖した白血病細胞をひとつ残らず殺し、正常な血液細胞を増やすというやりかたです。
マウスや過去の治療法からもこの方法で治療することで回復することがわかっています。
まず、この治療の第一ステップとして #寛解(かんかい)導入療法を用います。
●#寛解導入療法
寛解とは病気の症状が、一時的あるいは継続的に軽減したことを言います。
この寛解導入療法では完全寛解を目指します。
白血病では患者さんの白血球を減らし、正常な白血球、赤血球、血小板が回復し、臓器の中に白血病細胞が消失したことが確認された状態です。
これは完全寛解であり、再発する可能性があるので完治ではなく完全寛解という言葉を使います。
化学療法として抗がん剤の投与等の化学療法がおこなわれます。
●寛解後療法
寛解導入療法により完全寛解の状態になったのち、第二段階として行われます。
再発を防ぐために患者さんの白血球を更に死滅させ、根治させることです。
寛解導入療法でも使われた抗がん剤のさらに強い抗がん剤を使います。
生存率だけを見て治療に関する判断をしてはいけません。
「数パーセント高い」や「数か月長い」だけではなく、偶然で起こっている確立も考慮しなくはならないからです。
少し難しい話になってしまますが、この偶然に起こる確率を #p値と言います。
例えばp値が0.05であればこの出来事が偶然に起こる確率が5%であり、この結果は偶然で起こったものではないと判断できます。
実際のデータを見ることがあればp値にも注目し、判断の材料にしてください。
■生存率とは
「何年したら生存している人が何%いるか」を示す数字です。
■白血病の生存率
白血病の種類や行った治療法により大きく異なります。
また、年齢が若ければ若いほど、治る確率は高くなります。
この値はあくまでも目安になります。
○急性白血病の5年生存率 平均約50~60%
・急性リンパ性白血病の5年生存率 平均して約40%程度
・急性リンパ性白血病の小児の場合の5年生存率 約80%程度
・慢性骨髄性白血病が急性転化(健康のような状態であったのに急に急性骨髄性白血病のようになること)した場合の6か月の生存率 約10%
急性白血病で治療を全くしなければ2~3ヵ月で死亡します。
白血病で最も怖いのが合併症です。肺炎や敗血症などにかかり死亡することが多いです。
■完全寛解率と治癒率
ここで、完全寛解率と治癒率の一例を紹介します。
多くの種類の白血病があり、治療法、薬があります。
医師と相談し、何を目指し、何を使うのか、また成果はどのくらいなのかを確認するとよいでしょう。
○急性骨髄症性白血病の化学療法
シタラビンとイダルビシンまたはダウノルビシンという薬を併用し完全寛解率を目指し、
さらにミトキサントロン、アクラルビシン、エトポシド、ビンクリスチンという薬で治癒を目指します。
・完全寛解率 70%~80%
・治癒率 完全寛解された患者の約50%
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