#認知症の不明者26%増、1万5432人で過去最多…警察庁
認知症が原因で行方が分からなくなったとして、2016年に全国の警察に届け出があった行方不明者は前年比26.4%増の1万5432人だったことが15日、警察庁のまとめで分かった。
12年の統計開始から4年連続で増え、過去最多を更新し続けている。
警察や家族などによって98.8%は年内に所在が確認されており、早い段階の対応が重要になっている。
認知症による不明者のうち55.8%が男性で、女性を上回った。
不明者の原因・動機は高齢層ほど認知症の割合が高まり、60代は人口10万人当たり7.3人だったが70代は48.1人、80代以上は74.3人となっている。
都道府県警別では、大阪府警が1830人で全国最多。
埼玉1641人、警視庁1487人、兵庫1300人、愛知1265人と5都府県警で1千人を超えた。
15年以前に届け出を受けた73人を含め、16年に所在が確認された不明者は計1万5314人。
警察の捜索活動や通報で発見されたケースが63.7%と最も多く、不明者の自力帰宅や家族による発見は32.3%だった。3.1%に当たる471人は死亡した状態で見つかった。
所在確認までの期間は、届け出を受理した当日(72.5%)と2~7日(26.0%)の1週間以内がほとんどを占めた。
それ以降は8~14日で0.4%、15日~1カ月で0.3%など。
16年の全体の行方不明者数は前年比3.4%増の8万4850人。
年代別では10代と20代がそれぞれ1万7千人台、1万6千人台と多かった。
80歳以上は1万118人、70代は9589人。
9歳以下も1132人いた。全体の原因・動機別では認知症や病気苦などの「疾病関係」が最多で、遊び癖などの「その他」や「家庭関係」が続いた。
警察庁の担当者は認知症高齢者に関する届け出数の増加について「社会全体として認知症への関心が高まっていることが背景にあるかもしれない」とし、「冬場は凍死などの恐れもある。自治体などと連携して、素早い立ち上がりを徹底したい」と強調した。
指の爪にQRコード、「わんわんパトロール隊」も…徘徊逃すな 地域の目
認知症の行方不明者が4年連続で1万人を超えた。
認知症の高齢者は、8年後の2025年には700万人に増えると推計される。
徘徊はいかい する人をどうやって早期に発見し、事故から守るのか。先端技術や、地域住民の力を活用した様々な取り組みが各地で広がっている。
埼玉県入間市は16年11月から、徘徊のおそれがある人に、身元確認ができるQRコードを印字したシールを無料で配っている。
1センチ四方で指の爪に貼れ、スマートフォンでQRコードを読み取ると、一人ひとりに決められた登録番号と入間市役所の電話番号が画面に表示される仕組みだ。
入浴などで水にぬれても2週間程度ははがれないという。
埼玉県入間市が導入した爪に貼れるシール型のQRコード
同市は10年以上前から、徘徊対策としてGPS(全地球測位システム)端末を有料で貸し出しているが、高齢者らが持って出かけるとは限らず、充電が必要など不便な点もある。
QRコードのシールは家族からも好評といい、30人以上が利用する。
同市高齢者支援課の岩田孝弘主幹は「徘徊している人に声をかけ、シールに気づいてくれる市民を増やしたい」と話す。
愛犬モモと散歩する木村さん。「モモのおかげで、お年寄りの方から話しかけてくれる」と話す(岩手県矢巾町で)
岩手県 矢巾町やはばちょう では、ボランティアグループ「矢巾わんわんパトロール隊」が発足から4年になる。
隊員は小学生から70歳代までの約50人。犬の散歩中に高齢者への声かけなどを行っている。
隊員の木村豊さん(61)は14年1月、愛犬のモモと散歩中、上着なしでサンダル姿の高齢女性を発見。
「どちらへ行かれるのですか?」と声をかけたところ、様子がおかしかったので、自宅の場所を聞き、送り届けた。
女性は90歳代で認知症があり、家族の留守中に自宅を出て徘徊していた。
昨年冬には、犬の散歩中の隊員が、道路に座り込んでいる高齢女性を発見。「病院に行きたいが、道が分からなくなった」と話したため、病院へ連れて行った。踏切から線路内に入ろうとした高齢男性を、道路へ連れ戻した例もあった。
변진섭 (Byun Jinsub) - 빗물처럼 (Like A Raindrop)
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