#介護看病疲れによる自殺者は今年も250人超…
日本の自殺者は減り続けてます。一時期は、自殺者といえば3万人を超え、社会問題的テーマとなってたのですが、経済環境向上とともに(統計上での)自殺者は減り、昨年度は2万2082人となりました。
2万2082人の自殺者の中で「介護・看病疲れ」で自殺してしまった人は251人もおり、なかでも50代から70代が7割を占めています。
2017/03/29
介護疲れによる自殺者の数は、統計を取りはじめた2007年の265名から横ばいを続けており、自殺者トータルは2012年に3万人を切ってから減り続けています。
つまり、自殺における介護を理由とした人の割合だけが増え続けているのです。
これは深刻な問題です。
介護を行う人がそうした不幸を選ばないためにも、何ができるのか考えていきましょう。
自殺だけでなく、殺人や無理心中のリスクも
介護の過酷さは、自殺だけではありません。
調査によると、「昨今、介護疲れによる事件が相次いでいますが、自分が担当していたケースで殺人や心中事件が起きてもおかしくないと感じたことがありますか」という調査で、全体730人のうち、「ある」と答えた人は54.8%という調査結果がでました。
400人のケアマネジャーが、介護疲れによる事件の恐れを危惧しています。
殺人や無理心中なども含めて、最悪の結果が予想しうる現場であることは間違いないのです。
介護現場はそれだけ過酷でもあり、深刻な状況なのです。
日本で起きる殺人事件は、大半が家族間の殺人事件だということもあり、家庭でお世話することが基本とされている介護の限界が、そこに見て取れるようです。
NHKスペシャル 2016年7月3日 【介護殺人 当事者たちの告白】
介護をきっかけとした事件などが起こると、報道されますが、必ずしも報道として表にでてくるものだけがすべてで特殊なケースではなく、どこででも起こりうるものだということがわかります。
調査でも、実際に事件を経験したケアマネジャーなどがおり、身近なテーマであることが浮き彫りになってきます。
追い詰められる介護者は、60代が中心
同調査では、「介護者が心身共に疲労困憊して追い詰められていると感じたことはありますか」という質問に対して、93.0%ものケアマネジャーが、「ある」と回答しています。
現場を知っているケアマネジャーのほとんどが、追い詰められた介護者の様子を見ているのです。
そして、追い詰められている介護者の年代もアンケートには出ています。
50代が49.3%、60代が多く61.1%、70代も52.0%と、とても多い割合となりました。
これは冒頭の、介護疲れによる自殺者の傾向と同じであり、実際に介護の現場で追い詰められており、そこから最悪の状況を自ら選んでしまうという人が後を絶たない状況がわかります。
この自殺者の状況は、ケアマネジャーが日頃、肌で感じていることでもあるのです。
ここで今、何ができるのでしょうか?
介護者が追い詰められ、暴力的な言動にでてしまう
ケアマネジャーに対するアンケートで、介護者が追い詰められていると感じた場合、その時、介護者は具体的にどのような状況に陥っているのでしょうか。
「利用者に対する暴力的な言動があった」が58.6%ともっとも多く、介護者は介護によるストレスや経済的困窮、心身の疲労困憊によって、要介護者である家族に暴力的な言動で接してしまうことがわかりました。
ケアマネジャーが把握していることは、人前でそのような言動をとっていることでもあり、もう暴力的な言動を隠しておくことすらできないほど、介護者は介護によって行き詰まり、追い詰められていることが明らかになりました。
ケアマネジャーは、介護者が追い詰められている時、何らかの対応ができた人と、できなかった人に分かれます。
何らかの対応ができた人は、「悩みを聞いたり相談に乗ったりした」「負担を減らすために介護保険サービスを増やした」などの対応策を取っていました。
一方で、対応が取れなかった人は、「自分がどこまで関われば良いのかわからなかった」という回答が54.4%を占め、ついで「負担を減らすために使える在宅サービスが見つからなかった」が43.2%と高い数字を占めます。
これは、ケアマネジャーのスキル不足、経験不足、そして介護サービスの不足であると考えられます。
そのため、ケアマネジャーの技能と知識を向上し、介護サービスを充実させていくことで、暴力が表出する、あるいは事件が起こってしまうのを防ぐことができそうです。
実際には、家庭内で行われている軽微な暴力・暴言などはより多く存在していると考えられます。
とくに、意思疎通が困難な認知症患者や、寝たきりの高齢者などがターゲットになりやすいと想像できます。
いま、支援に何が必要か考えていく必要がある
ケアマネの立場から、追い詰められた介護者を支援するのに必要なことを考えてもらったアンケートもあります。
最も多かった回答は、「夜間や緊急時に対応できるサービスの充実」が68.2%と多く、ついで「在宅介護者への経済的支援」などが62.3%と6割を超えました。
また、「介護者を支援するための新たな法律の整備や態勢づくり」「長期的に入所できる施設の充実」などが挙げられました。
ケアマネジャーが現場をみて考えられることだけでもこれだけあるのですから、私たちにできる支援は多くあるはずです。
Eru(이루) _ 지우란 말 MV
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