変わる介護保険の負担と給付(2)!!! #総報酬割

「総報酬割」の導入により、現役世代の介護保険料負担を見直し

急速な高齢化に伴い、現役世代の負担増も待ったなし。

ここに来て、厚生労働省が提案するのは介護保険料の新しい計算方法

「#総報酬割」への転換。


現段階では、政府は法案を提出予定で 成立すると 2017年8月より導入されます。


現行の第二号被保険者の介護保険料については、各医療保険者(協会けんぽまたは健康保険組合)が、第二号被保険者数に応じて負担する仕組み(通称「 #加入者割 」)となっています。

このため、第二号被保険者の一人当たりの保険料負担額は、医療保険者問わず同額です。

すなわち、報酬額に対する保険料負担額の割合は相対的に報酬の高い健康保険組合(加入者は大企業の従業員中心)の被保険者では低くなり、報酬の低い協会けんぽ(加入者は中小企業の従業員が中心)の被保険者では高くなります。


一方の「総報酬制」は、被保険者間で各保険者の総報酬額に応じて介護保険料を負担する仕組み。

単純に人数だけを勘案する「加入者割」と異なり、財政力の豊かな保険者により多くの支払いを求める方法です。


医療保険ではすでに導入されている方法で、以前から介護保険にも取り入れるよう求める声が上がっていました。

「総報酬割」への変更により負担が増えるのは、大企業の健康保険組合や公務員の共済組合。

厚生労働省の試算によると、1,030の健康保険組合(加入者923万人)、84の共済組合(同349万人)で介護保険料が増加するといいます。


一方、協会けんぽの被保険者1,437万人は、介護保険料が減少する見込み。

国が協会けんぽに出している補助金約1,450億円も不要となるため、財政的なメリットも大きいとされます。



総報酬割導入時のイメージを具体的に解説!
総報酬額の多少により負担額が変化する

文章で説明してもイメージがわきにくいので、

「第二号被保険者数が同じ3保険者(それぞれ「A保険者」「B保険者」「C保険者」とする)で2,400万円を負担するケース」を例にとって説明します。

現行の「加入者割」では、加入者の人数に応じて負担することから、3保険者の負担額は「800万円」と同額になります。

仮に2,400万円のうち、半額の1,200万円を総報酬割で負担するとなれば、下記の棒グラフの通り、

A保険者(総報酬額1億円)200万円、B保険者(総報酬額3億円)600万円、C保険者400万円(総報酬額2億円)となります。

総報酬額の多いB保険者は、現行と比較して「200万円」の負担増(合計負担額1,000万円)、A保険者は「200万円」(合計負担額600万円)の負担減となります。


この例の通り、総報酬割を導入すると総報酬額が多い保険者では負担が増え、総報酬額が少ない保険者では負担が減ることがわかります。


高齢者の自己負担増、総報酬割の導入。

長期的視点を持った改革が求められる。

高齢化の進展に伴い、第一号被保険者(65歳以上の者)と第二号被保険者(40~64歳の者)の介護保険料の負担増が見込まれるなか、世代間の公平性を確保しつつ、持続可能な介護保険制度の構築が求められています。


こうした流れを受けて、介護保険の主な利用者である第一号被保険者の負担増が議論されるのは自然の流れかもしれません。

現制度では、「#高額介護サービス費」があるため、介護サービスを過剰に受けたとしても本人負担は抑制される仕組みになっています。

もちろん、低所得高齢者を中心にこうした仕組みは必要でしょう。

しかし、際限なく給付を認めてしまえば介護保険財政の破綻は明らかです。

どこかで歯止めをかける必要があるでしょう。


健康保険組合や共済組合に加入する大企業の従業員や公務員にとっては負担増、協会けんぽに加入する中小企業の一部の従業員にとっては負担減となるかもしれない「総報酬割」。

今年から段階的に導入されますが、介護保険料の増加にどの程度寄与するか今後の動向を注視する必要があるでしょう。


高齢者激増時代のなか、持続可能な介護保険制度をつくるためには、財政問題は避けて通れないもの。

現役世代と高齢者間の単なる負担の押し付け合いとはならないよう長期的視点を持ち、国民によって納められた介護保険料が適正に配分されるような改革にあたってほしい。

2018年8月以降、「年金収入等340万円以上の者」は「3割」へ負担引き上げ

政府は、2000年の介護保険制度創設以来、高齢者の介護保険利用者負担を所得にかかわらず一律「1割」としていました。

しかし、急激な高齢化による介護保険財政のひっ迫から2014年の介護保険法改正において、一定所得以上の高齢者の利用者負担を昨年8月から「2割」に引き上げました。

2割負担となったのは、第一号被保険者で年金収入280万円(合計所得160万円)以上の者。該当者は、第一号被保険者の所得上位20%にあたります。



「介護保険事業状況報告(2016年4月月報)」を見ると、

これに該当した高齢者は、

在宅サービス受給者の9.7%、

特別養護老人ホーム入所者の4.1%、

介護老人保険施設入所者の6.2%。


2割負担が導入されたものの、負担割合が一律1割であった昨年8月以前と比較しても、その割合に顕著な差は見られません。

つまり、一定以上の所得がある高齢者の負担割合を引き上げたものの、大勢に影響はなく、介護保険財政に与えるインパクトは小さかったと見られます。


〈直近のサービス受給者の推移〉

                                                 2017年2月サービス分

在宅サービス受給者                                    9.7%

特養入所者                                                 4.1%

老健入所者                                                 6.2%

                                                                                                        出典:厚生労働省


このため、政府は2割負担者のうち特に所得の高い層の負担割合を「3割」に。

対象となるのは、

年金収入等340万円以上の者(現時点では合計所得金額220万円以上を想定)。


〈利用者負担割合〉          負担割合

年金収入等340万円以上        2割⇒3割

年金収入280万円以上         2割

年金収入280万円未満         1割

                               出典:厚生労働省


3割負担となり、負担が増える者は約12万人で受給者全体の約3%です。

2018年8月には実現する見込みです。


高額介護サービス費の負担限度月額を再度引き上げ

介護保険制度の「高額介護サービス費制度」は、高齢者の利用者負担が過度なものにならないよう負担の軽減を図るもので、所得の段階に応じて利用者負担額に一定の上限を設け、これを超えた場合には、越えた額が高額介護サービス費として利用者に償還される仕組み。

この仕組みは高齢者にとっては一定額で介護サービスを利用できるだけに嬉しいものですが、不必要な介護サービスの利用を招く可能性があります。


「高額介護サービス費」の所得段階と上限額は、介護保険制度創設時には、生活保護受給者等15,000円、住民税非課税世帯24,600円、これ以外の者は37,200円となっていました。

ところが、介護保険財政のひっ迫などから、2004年以降順次、負担限度月額の変更が行われました。

現在の負担限度月額は、

生活保護受給者等15,000円、

年収80万円以下世帯15,000円、

住民税非課税世帯24,600円、

課税世帯(課税所得145万円以上の第一号被保険者がいる場合であって、世帯内の第一号被保険者の収入合計が520万円未満である場合)37,200円、現役並み所得者(課税世帯に該当せず課税所得145万円以上の第一号被保険者がいる場合)44,400円となっています。


負担限度月額は昨年8月に引き上げられたばかり。

しかし、2018年8月には、課税世帯の「高額介護サービス費」は37,200円から44,400円へと引き上げられることが決定しています。



                    自己負担限度額(月額)

現役並み所得相当               44,400円


一般                   37,200円⇒44,400円

                 +年間上限額の設定(1割負担者のみの世帯)


市長村民税世帯非課税等             24,600円


年金収入80万円以下等              15,000円

                               出典:厚生労働省


ただし、年金収入280万円未満の1割負担者のみの世帯については、

年間上限額を設定する方針です (37,200円×12か月=446,400円。ただし3年間の時限措置)

테이 (Tei) - 같이만 있자 (Only With You) [Monster OST]


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