#認知症を治す薬はなぜ出来ないか!!! #ベルべセスタット #アタマカラダジム
認知症の最大の原因とされるアルツハイマー病。
日本のみならず世界中で多くの人が抱える病ですが、いまだ根本的な治療法がありません。
2017年03月01日 11時47分 JST
2月14日、アメリカの製薬大手メルク社は、アルツハイマー病の治療薬として期待されていた薬剤「#ベルべセスタット(#Verubecestat)」の開発を一部中断すると発表しました。(
軽度から中度のアルツハイマー病を抱える方に、この薬を投与する大規模な試験を行っていたのですが、外部の機関により「良い効果が出る見込みがない」と指摘され、中止に踏み切ったということです。
この薬は「今度こそ成功するのでは」と期待されていたものでした。
去年、32人に投与する小規模な試験を行ったところ、この病気の原因とされる「#アミロイドβ(ベータ)」という物質が減るなど、期待を持てる結果が確認されていたからです。
ところが今回、実際に多くの人に投与してみると、どうやら「認知機能の衰えを防ぐ」ことができなそうなことがわかりました。
「失敗」続くアルツハイマー病治療薬の開発
実は近年、アルツハイマー病治療薬の開発は「連戦連敗」を続けています。
ウォール・ストリート・ジャーナルの記事によれば、過去10年間に世界中で行われたアルツハイマー病の薬の試験のうち99.6%が失敗しているということです。
「連敗」の始まりともいえるのが、2008年に、世界で最も権威があるといわれる医学専門誌の一つ「#Lancet(#ランセット)」に掲載された、'''アミロイドβを減らすワクチン'''の効果を調べた研究です。
内容を要約すると、次のようなことです。
アルツハイマー病による認知症になった人に、アミロイドβを減らすワクチンを投与してみた。
すると、脳にたまったアミロイドβを減らすことができた。
それにもかかわらず、脳の衰えを防ぐような効果はなかった。
例えて言えば「インフルエンザの薬を飲んで、原因であるウイルスは減ったのに、熱は下がらなかった」というくらいの、ちょっと信じられない結果です。
当時、世界には衝撃が走りました。
なぜ、このような結果が出たのか?
その理由について、大まかにまとめると3つの仮説が出されています。
●仮説1 薬に副作用があり、効果が打ち消されてしまった
●仮説2 薬を投与するタイミングが遅すぎた
●仮説3 そもそもアミロイドβは原因ではない
投与するタイミングが遅すぎた?
現在、なかでも有力だと考えられているのは、仮説2の考え方です。
実はこれまでの研究で、アミロイドβは認知症が発症する20年ほど前から脳にたまり始める傾向があることがわかっています。
そこから考えていくと、アミロイドβはそれ自体が脳にダメージを与えるというよりは、「引き金」を引く役割をしているのかもしれません。
だとすると、認知症になってからアミロイドβを減らしても、あまり意味がないということになります。
では、どうすれば良いのか。いま主流になりつつあるのは、『薬を病気が始まる「前」から投与する』という考えです。
アミロイドβが「引き金」の役割をしているとすれば、投与するのは病気が始まるずっと前のほうが良いはずだ、というのは素直な考えですよね。
実は冒頭でご紹介した「ベルべセスタット」も、アルツハイマー病をすでに発症した方への試験は取りやめましたが、『まだアルツハイマー病による認知症を発症していないけれど、そのリスクの高い人』への試験は続けています。
つまり、これまで治療薬が「連戦連敗」を続けてきた理由は「投与のタイミングが遅すぎた」というのが有力な仮説となっており、それを見直した研究が始まっている、というのが現在の状況であるといえそうです。
進む研究 増える課題
ただ、仮にこうした考え方による開発が成功したとしたら、新たな課題が生まれると考えられます。
それは薬にかかる膨大な「コスト」をどうするかという問題です。
もし新たにできる治療薬が、上記の仮説によって生まれたものであった場合、薬は「認知症の発症が予測されるずっと前から使い始め、その後は死ぬまで中断できない」ものになると考えられます。
その場合、かかる医療費は高額なものになります。
いま現在でさえ、日本全体の医療費は年間40兆円を超え、医療制度が維持できるかどうかの瀬戸際を迎えていると指摘されています。
そこに、さらに認知症の薬の負担を賄う余力が本当にあるのか、慎重な検討が求められるようになるでしょう。
「いまできる」対策に目を向けよう
いま、「認知症の治療薬」を求める切実な声が世界中であげられています。
それに応えようと、数限りない研究者たちが、薬の開発を目指して尊い努力を続けています。
一方で、近年報告される研究成果を見ると、薬の効果にはおそらく「限界」があると予測されます。
「治療薬」と言った場合に通常イメージされる「すっかり治す」というようなものでなく、「病気の進行を、ある程度ゆるやかにできる」というものになりそうです。
さらに前述したように、薬にかかる費用を考えると、私たち国民みんながすぐに使えるものになるかどうか?ということも、いまのところ不明です。
では、絶望するしかないのでしょうか?
そんなことはありません。
実はこれまでの研究で、アルツハイマー病を含めた認知症を予防できる方法は、ほぼ明らかになっています。
それは「高血糖(糖尿病)」や「高血圧」など、いわゆる生活習慣病にならないように心がけること。
そして、なってしまった場合は、良い状態をキープできるよう、生活習慣の改善や治療に取り組むことです。
(一方で、生活習慣病に気を付けた生活をしていても認知症になるケースは多く存在します。
さらに、認知症になって記憶力や判断力が衰えたとしても、それをサポートする社会的なシステムや理解があれば、生活や介護にかかる負担を減らせることもわかってきています。
これから超高齢化を迎える日本のなかで、認知症を抱える人が増えるのは間違いありません。
ただ残念なことに、「近い将来、薬が開発されて認知症から解放される」と楽観視できる状況ではなさそうです。
アルツハイマー病をくい止めろ! 【NHKスペシャル(2014年1月19日)】
認知症をくい止めろ~世界の最前線:認知症800万人時代
認知症の進行をくい止める方法が見えてきた!
世界の認知症対策の最前線では、全く新しいアプローチに注目が集まっている。
認知症とは何の関係もない既存薬を投与したところ、記憶力の低下がくい止められた。
はいかい・暴言などの症状が進行しても、ある介護法で症状を改善できることにも注目が集まっている。
日米欧のホットな対策の現場を緊急報告。日本の医療・介護の現場が、今できることは何か徹底議論する。
【認知症とは】
認知症の7割を占めるのがアルツハイマー病です。アルツハイマー病では発症の前から脳の「海馬」が萎縮し、記憶力の低下が始まります。萎縮が進んでいくと記憶力の低下だけでなく、全身の機能低下も起こります。
【すでにある薬でアルツハイマー病に挑む】
アルツハイマー病がどのように進み、何が起こっているのか?その姿が徐々に明らかになってきました。いま新薬開発が進んでいる一方で、既にある薬の効果を活かす取り組みが世界で始まっています。日本の研究で明らかになったのが脳梗塞の再発防止薬「#シロスタゾール」です。シロスタゾールは原因物質「アミロイドβ」の排出を促す力があることがわかっています。
アメリカで開発がすすむのが「鼻からインスリンを噴霧する方法」です。
アルツハイマー病では脳でエネルギー源の糖を使うのが難しくなっていることが明らかになっているからです。新薬開発で壁となる「副作用」の懸念が少ないため、早い実用化が期待できます。
現在、シロスタゾール、インスリンは認知症の治療薬としては認められていません。
【注目の介護法 “ユマニチュード”】
知覚・感情・言語をつかった包括的なコミュニケーションで、「人間らしさを取りもどす」ためのケアの手法です。考案したのは、運動学の教師だったフランス人のイヴ・ジネストさんとロゼット・マレスコッティさん。
日本に来て、医療や介護の現場を中心的に回っているのは、ジネストさんです。
認知症の人に対して、徹底して人間らしく接することで行動・心理症状を和らげることができる、といわれています。
ケアのポイント
ユマニチュードのポイントは「見つめる」「話しかける」「触れる」そして、「寝たきりにしない」の4つです。
・見つめる
正面から笑顔で見つめます。
認知症の人は、視界の中心にいる人しか認識できない場合があるためです。
認知の機能が非常に落ちている人では、不自然だと感じるくらい近づき、視線をつかみにいきます。「自分はあなたの敵ではない」というメッセージを伝えるため、基本は笑顔で近づきましょう。
相手を「見ない」でケアをすると、「あなたはそこに存在していないものだと思っている」というメッセージを送ってしまうことになります。
・触れる
触れる時は、やさしく。つかむのではなく、動こうとする意志を生かして、下から支えます。
・話しかける
優しい声で、できるだけ前向きな言葉で話をします。お世話をする時には、実況中継をするように話しかけ続けます。認知症の人は何をしている最中なのか、忘れてしまうことがあるためです。
・寝たきりにしない
無理に立たせることは危険です。
【“触る”ことで穏やかに】
認知症が進行し、介護が必要になってきた段階で、暴力とか徘徊とかケアの拒否などの「行動・心理症状」がおこることがあります。この行動・心理症状はストレスを感じたときに分泌される「ストレスホルモン」が関係していることがわかってきました。
ストレスホルモンは、ストレスから体を守るために分泌されますが、認知症が進行すると分泌を抑える機能が低下します。そのためストレスホルモンが過剰な状態になり、興奮状態が続いてしまう場合があります。それが行動・心理症状につながると見られています。
この「ストレスホルモン」を減らす方法として注目されているのが「触る」ケアです。やさしく、ゆっくりさわることで、ストレスホルモン、行動・心理症状の起こる回数が減ることがわかってきました。
【認知症の予防法「心臓に良いことは脳に良い!」】
これは認知症の危険度を「上げる」ものと「下げる」ものです。実は、心臓病や脳卒中と同じです。
生活習慣病の予防を徹底することは、認知症の予防につながります。イギリスでは、認知症になる確率が20年前に比べて低下しています。これは心臓病や脳卒中の対策を進めたことが良い影響を与えているのです!
NHKスペシャル シリーズ認知症革命 第2回11月15日
iPadアプリで軽度認知障害を早期発見!!!
介護施設向けにリリース
2017年3月5日
医療機関向けコンサルティングを手掛けるキャピタルメディカとジェイアール東日本スポーツは2017年2月23日、東京大学大学院・薬学系研究科機能病態学教室の富田泰輔教授の監修により共同で開発した、軽度認知障害(MCI)の早期発見テストや認知症リスク低減運動プログラムを搭載したiPadアプリ「アタマカラダ!ジム」をリリースすると発表した。
MCIはアルツハイマーの原因物質である「アミロイドβ」が蓄積し始め、健常者と認知症の人の中間段階にあたる状態のこと。
キャピタルメディカのプレスリリースによると、この時点で適切なリカバリープログラムを受けると、最大で44%の人が健常に戻る可能性があり、早期発見とリカバリープログラム実施が重要であるとしている。
「アタマカラダ!ジム」開発にあたっては富田教授の監修の下、認知症のリスク低減に関する世界各国の学術論文をレビューした。
医療機関でMCIの診断に使われているテスト「MoCA」の日本語版を搭載しているほか、記憶テストや計算問題など脳の各部位を刺激するプログラムと、ジェイアール東日本スポーツの運動プログラムを組み合わせた、認知症のリスク低減を目指したアプリになっているという。
一般向けの発売は予定されておらず、介護施設などを中心に販売していく予定。
4MEN(포맨) _ Only you(너 하나야)(Kangchi, the Beginning(구가의서)
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