【 #混合介護 】 <③> 混合介護が #特区 で... #指名料検討
<混合介護>
豊島区が「特区」申請 保険外と組み合わせ
毎日新聞 1/16(月) 19:15配信
東京都豊島区は介護保険サービスと、家事などの保険外サービスを組み合わせる「混合介護」を、国の国家戦略特区制度を利用して始める方針を固め、都と協議を進めている。
介護保険利用者にとって使いやすい制度にすると同時に、介護職員の賃金向上につなげたいという。
今年度中に特区申請し、2018年度導入を目指すとしており、認められれば全国初となる。
区は17年度予算案に、有識者会議を設けるなどサービス提供の仕組み作りに取り組む費用約600万円を計上する予定だ。
現状の介護保険法は混合介護を禁じているわけではなく、厚生労働省は保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供することを認めている。
しかし、両サービスを「明確に区分する」など一定の条件を求め、両サービスを「同時・一体的」に提供することはできない。
例えば、保険サービス利用者の食事を準備してもらう際、
同居している家族の分(保険外サービス)を作ってもらうことはできない。
一方、混合介護では家族分の食事も作ってもらえる。ただし、家族分は全額、自己負担となる。
混合介護を巡っては、昨年9月に公正取引委員会が混合介護の弾力化を求める報告を公表し、それを受けて政府の規制改革推進会議が、混合介護の容認について重点項目の一つとして検討を始めた。
業界からは「生産性が向上する」など歓迎する声も上がるが、自民党内からは「混合介護の内容があいまいで唐突な議論だ」と反発が出ている。
経済格差によって受けられるサービスに差が生じかねないことも課題となる。
厚労省は大幅な弾力化や全面解禁について「不明朗な形で高額な料金が徴収されたり、必要な保険サービスが受けられなくなったりするおそれがある」と慎重な姿勢だ。
一方、現状について「使い勝手が悪い」との指摘もあり、東京都の小池百合子知事が昨年11月、特区を活用した混合介護の推進を表明。保険制度の運営主体である市区町村と協議を進めてきた。
豊島区介護保険課は「介護保険制度は自立支援が目的。適切な内容のサービスを受けられるようにするなど、慎重に取り組む必要がある」と話している。【五味香織、山田泰蔵】
<混合介護>都と豊島区が #指名料検討
1時間500円程度
毎日新聞 2017/2/10(金) 7:10配信
介護保険が適用されるサービスと保険外サービスを組み合わせる「混合介護」の推進を目指している東京都と豊島区が、利用者宅を訪問する介護職員の「指名料」の導入を検討していることが分かった。
利用者は1時間当たり500円程度を追加負担する代わりに、看護師やあん摩マッサージ指圧師などの資格を持つ職員を指名し、施術や専門的な助言を受けられる仕組み。
職員の賃金向上につなげ、不足している介護人材確保も目指す。【林田七恵】
現行制度では、保険内と保険外のサービスを同時に提供できないが、都などは地域を限定して規制を緩和する「国家戦略特区」の枠組みを利用し、2018年度をめどに混合介護のモデル事業を始めることを目指している。
介護職員不足に対応するため、これまでは認められていない指名料の導入を10日の国との協議で提案する。
区などは、サービスの質を保証するため、有識者に指名料の対象となる職員の条件や付加サービスの具体的な内容を介護業者から聞き取ってもらい、「有料サービス」として認定する方向。
追加料金が職員の給料に反映されたか確認する仕組みも検討する。
また、都や区などはヘルパーの需要が集中しがちな食事の時間帯は利用料を上げる一方で、需要が少ない時間帯は下げ、需給バランスを調整することで人手不足を補うことも協議している。
小池百合子知事は昨年12月の都議会本会議で、指名料に触れた上で「弾力化が認められると、事業者が創意工夫を行う幅が広がる。
利便性やサービスの質の向上、介護職員の待遇改善にもつながる」と導入に意欲を見せていた。
混合介護を巡っては、公正取引委員会が昨年、規制の弾力化を求める報告を公表し、政府の規制改革推進会議が容認について検討している。
都の取り組みが成功すれば、全国に広がる可能性もある。
東京都の小池百合子知事は10日、いわゆる「混合介護」を国家戦略特区のスキームを使って展開していく構想について、2018年度から豊島区でモデル事業を始めたいと政府に伝えた。
都内で開かれた「特区区域会議」に出席し、ホームヘルパーの指名料を導入するなどの具体的な中身を披露。低所得者が困らないようにする仕組みも整備すると説明し、早期に実施を認めて欲しいと要請した。内閣府や厚生労働省などが対応を協議している。
東京都がこの日に提案したモデル事業は、
(1)介護保険サービスと保険外サービスの同時・一体的な提供
(2)介護保険サービスに付加価値をつけた部分への料金の設定
の2種類。
(1)では、訪問介護の際に家族のための調理や洗濯などをセットで行うことをあげた。
(2)では、重度化の予防に役立つ資格や技術を持っていたり、高いコミュニケーションスキルを備えていたりするヘルパーを、500円から3000円の上乗せで指名できるようにする。
忙しい時間帯の料金を高くし、そうでない時間帯を安くすることも試す。
現行の制度ではどれも認められていない。介護職員の処遇改善や多様なニーズへの対応、家族の負担軽減・不安の解消といったメリットを生み出したいという。
「副作用の検証・対策が最大のポイント」
小池知事は会議後、「今の制度は非常に融通がききにくい面がある。
本人と家族が本当に安心できる介護の方法はひとつではない。
いろいろなバリエーションがある」と指摘。
「今後の急速な高齢化に備えて、新しいシステム、より柔軟性のあるシステムを作っていくことが、多くの人の将来への不安を取り除くことにつながるのではないか」と語った。
加えて、利用者の視点に立って混合介護を「選択的介護」と呼ぶ意向も示した。
会議に参加した豊島区の高野之夫区長は記者団に対し、「介護職員の処遇改善や介護離職は大きな課題。
制度の持続性も確保しなければいけないなかで、新たな活路を見出すことが必要ではないか」と持論を展開。
「保険者である自治体として全国初のチャレンジ。特区の認定を受けられれば、多くの区民や事業者などから広く意見を伺いつつ新しい仕組みを作り、豊島区モデルを全国に発信していきたい」と意欲をみせた。
2018年度からのモデル事業では、規制の緩和に伴う副作用の検証や対策の立案にも取り組む。東京都は今回、
・ 利用者の自由な選択と自己決定を担保する利用者保護の仕組み
・ 上乗せ料金が介護職員の処遇改善に確実につながる仕組み
・ 上乗せ料金の負担が難しい低所得者が困らない仕組み
を設ける方針を表明。
取材に応じた東京特区推進共同事務局の鈴木亘事務局長(学習院大学経済学部教授)は、「こうした仕組みをどのように設計すれば、問題を解消してより良い制度ができるのか。それがモデル事業の最大のポイントになる」と話した。
混合介護、まずは現行ルールの曖昧さ解消を
通所の団体が要請 「怠慢」との批判も
2017.2.15
政府の「規制改革推進会議」の作業部会は14日、日本デイサービス協会を招いていわゆる「混合介護」に対する考え方を聞いた。
協会はこの中で、保険が適用されるサービスとそうでないサービスの線引きを自治体に委ねている今の制度を疑問視。
「曖昧で保険者ごとに対応が異なる」「市町村の担当者も正しく認識していない」などと指摘し、そうした実態が現場に混乱を招いていると問題を提起した。
ルールが不明瞭でグレーの領域が広いため、利用者の要望に応えられるサービスでも開始を躊躇するところが少なくないほか、「遵法精神の乏しい事業者が逸脱した取り組みを常態化しているケースもある」という。
協会は対策として、混合介護をより柔軟に展開できるようにする改革に踏み切るか否かにかかわらず、ルールをはっきりさせるためのガイドラインを策定するよう要請。
提供できる保険外サービスのメニューを書き込んだり、守るべき基準・条件・手続きを定めておいたりして、皆が共通の認識を持てるようにすべきと訴えた。
作業部会の委員を務めている有識者は、協会のこうした主張に賛同。
これまで保険内・外を明確にしてこなかった厚生労働省に対し、「行政の怠慢としか言いようがない」「解釈を自治体に丸投げして混乱を放置している」「分かりやすい仕組みを作る努力をしていない」「もっと真摯な対応が必要」といった批判をぶつけて援護射撃した。
内閣府の担当者は、「相当きつい意見が出た」と振り返る。
改善を強く迫られた厚労省は、「これから対応を協議していく」とひとまず引き取った。
通所でネイル・マッサージも 協会が例示
会合ではこのほか、実際にニーズがあると想定される保険外サービスの例を協会が説明。
ネイルアートやマッサージ、
買い物支援、
物販、
訪問診療、
健康診断などを、
通所介護の事業所で別料金で行うことをあげた。
加えて、送迎の前後の買い物支援や宅配便の受け取りなども紹介。
これらの可否もガイドラインに記載し、シンプルな共通のルールを提示して欲しいと求めている。
内閣府は今後、国家戦略特区を所管する「地方創生推進事務局」と連携しつつ、混合介護の推進につながる施策の実行を目指す方針だ。
山本幸三担当相はこの日、「全国レベルで展開できるよう議論を加速させて欲しい」と指示。
規制改革推進室の担当者は会合後、「混合介護の中身によって、規制改革推進会議で扱った方がいいものと特区を活用した方がいいものがある。
慎重に協議して最も良い方法を考えていきたい」と話した。
「新しい混合介護」は経営安定化と人材確保の福音となるか?
公正取引委員会は、2016年9月5日「介護分野に関する調査報告書」を公表しました。
この報告書では「参入規制」「補助制度・税制」「介護サービス・価格の弾力化(混合介護の弾力化)」「情報公開・第三者評価」の4軸から分析が行われ、介護事業者の健全な競争を促進するにはどのような改善が必要かまとめられています。
この調査報告書を読み解きながら、「保険外サービス」の活用を主眼とした「介護サービス・価格の弾力化(混合介護の弾力化)」の現状と課題について考察します。
全額自己負担で利用する「保険外サービス」は、「上乗せサービス」と「横出しサービス」の2種類
まずは「保険外サービス」の現状について見ていきましょう。
「保険外サービス」とは、「介護サービス事業者と利用者との間の契約に基づき、利用者の全額自己負担によって利用することができる介護報酬の対象ではないサービス」のこと。
現行の「保険外サービス」は大別すると2種類あります。
ひとつは「上乗せサービス」。
市区町村は、要介護区分に基づき、条例によって利用可能なサービス利用量(「要介護1」の場合、16,580単位/月など)を定めています。
この利用量を超えて介護サービスを利用したい場合(訪問介護の追加利用など)、高齢者は介護事業者から必要なサービスを必要なだけ全額自己負担で購入することができます。
もうひとつは「横出しサービス」。
別名「市町村特別給付」とも呼ばれ、市町村が独自に条例によって保険給付の対象外サービス(配食、介護用品の支給など)を支給するものです。
主な「保険外サービス」は、「指定訪問介護事業所の事業運営の取扱等について」において以下のように定められています。
「直接本人の援助」に該当しない場合
主として家族の利便に供する行為または家族が行うことが適当であると判断される行為
利用者以外のものに係る洗濯、調理、買い物、布団干し
利用者が使用する居室等以外の掃除
来客の応接(お茶、食事の手配等)
自家用車の洗濯、清掃 など
【解説】
訪問介護では、高齢者本人のためにする衣服の洗濯は介護保険の給付対象ですが、
同居家族の衣服が混じると「保険外サービス」となります。
「日常生活の援助」に該当しない行為
➀訪問介護員が行わなくても日常生活を営むのに支障が生じないと判断される行為
草むしり
花木の水やり
犬の散歩等ペットの世話 など
②日常的に行われる家事の範囲を超える行為
家具、電気器具等の異動、修繕、模様替え
大掃除、窓のガラス磨き、床のワックスがけ
室内外家屋の修理、ペンキ塗り
正月、節句等のために特別な手間をかけて行う調理 など
【解説】
「草むしり」や「植木の剪定」など頻度が低く、日常性の低いものは「保険外サービス」となります。
保険内外のサービスを組み合わせ、付加価値の高い介護サービスを提供する
実際の介護現場では、同一高齢者に対し、入浴介助などの「保険内サービス」とペットへの餌やりといった「保険外サービス」が一体となって提供されています。
これを「混合介護」と呼びます。
この際、「保険内サービス」と「保険外サービス」を明確に区分することが必要です。
現状、介護事業者は、提供者を変えるなどしてサービス区分を明確化しています。
例えば、入浴はヘルパーAが担当し、ペットへの餌やりはヘルパーBが担当するといった具合です。
ヘルパーAが全業務を担当する場合は、入浴で赤のエプロンを着用し、ペットへの餌やりでは青のエプロンを着用することもあります。
こうした規制が存在するため、
「保険内サービス」と「保険外サービス」を同時かつ一体的に提供できないという問題がありました。
公正取引委員会はこれを問題視し、「新しい混合介護」のあり方を提案しました。
下記の図を使って説明しましょう。
現行制度では、前述の通り「上乗せサービス」は提供可能であるものの、「保険内サービス」と切り離し「保険外サービス」として提供する必要がありました。
ところが、「新しい混合介護」において、公正取引委員会は、保険内外のサービスを組み合わせ、介護報酬以上の介護サービス価格の設定を認めてはどうかと提案しました。
イメージが湧きにくいので、具体例を示します。
介護報酬が4,000円のサービス(ここでは「入浴介助」とします)について、介護事業者が4,500円(リウマチなどに効く入浴剤を使用した「入浴介助」を提供)の「介護サービス価格」を設定する場合、利用者の負担は900円(保険内サービスの自己負担額1割400円+500円)となります。
「新しい混合介護」では、自由に「介護サービス価格」を設定できるため、介護事業者は創意工夫により付加価値の高い介護サービスを生み出すことができるようになります。
介護報酬の引き下げにより、介護事業者の倒産件数が過去最多を更新する(出典:東京商工リサーチ「老人福祉・介護事業」倒産状況)なか、
「新しい混合介護」が広がれば、介護事業者の経営の安定化にもつながると予想されます。
また、収益増により、介護職員の処遇改善にも寄与する可能性もあります。
人員、利用者、ルール、ケアマネジャーetc.さまざまなハードルの存在が「保険外サービス」提供の障壁になっている
「介護分野に関する調査報告書」によると、現状「保険外サービス」を提供しているのは、運営法人別に見ると
株式会社等57.6%、社会福祉法人38.0%。
「保険外サービス」を提供していない法人も数多くあるとわかりますが、どのような課題があるのでしょうか。
株式会社等の場合、課題は上位から
「保険外サービスを提供する人員の確保が困難であること」
「保険外サービスに対する利用者の理解(認知度・価格の高低)が低いこと」
「地方自治体から保険内外を厳密に区分けするよう求める指導があること」
「保険サービスと保険外サービスの併用に係るルールが曖昧であること又は地域差があること」などとなっており、
人員、利用者、ルールと課題は多岐に渡っていることに気づくでしょう。
また、介護保険を利用する際に必要なケアプランを作成するケアマネジャーが
「保険外サービス」について詳しく理解していないため、
提供されていないという声もあり、
介護事業者が「保険外サービス」を提供するハードルは予想以上に高いのかもしれません。
「新しい混合介護」により創意工夫を試される介護事業者
介護保険サービスの提供範囲は今後徐々に縮小されるでしょう。
こうしたなか、公正取引委員会は「新しい混合介護」という“規制緩和”を厚生労働省に提案し、介護市場のさらなる活性化を迫りました。
介護市場は、介護報酬という公定価格がメインであるため、経営の自由度が低く、株式会社等営利法人にとって不都合が多かったのも事実です。
「新しい混合介護」は、規制緩和による介護事業者の創意工夫を促すもの。
介護保険財政がひっ迫する高齢者激増のなかにあって、どのような介護サービスが今後提供されるのか、動向を注視する必要がありそうです。
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