【 #混合介護 】 <②> 介護給付の財政圧迫で「混合介護」導入か !?

増え続けるデイサービスの給付費は5年で1.5倍、過去最高の1.4兆円に!

厚生労働省発表によると

65歳以上の高齢者である第1号被保険者のいる世帯は、2014年度末現在、2,337万世帯となっています。 

これは前年度の2,275万世帯と比べて62万世帯(2.7%)増加となっており、高齢者世帯が増えていることを表しています。


第1号被保険者数は、2014年度末で3,302万人。

これは日本の総人口の38%にあたり、超のつく高齢化社会はすでに訪れているのでは?という疑問が浮かんできます。


デイサービスの給付費も伸び続けており、利用者負担を除いた給付費は8兆3,786億円となっています。


高額介護サービス費、高額医療合算介護サービス費、特定入所者介護サービス費を含む費用額は、9兆5,783億円にものぼっています。


さらには、グループホームや老人保健施設の利用者も増加しています。

グループホームとは、認知症を抱えた高齢者が、専門スタッフの援助を受けながらグループで生活していく施設のことです。


老人保健施設とは、介護を必要とする高齢者の自立を支援し、家庭への復帰を目指す施設です。

施設介護サービスの受給者の割合で見てみても、利用者は要介護度3~4を中心に増える一方です。


増え続ける要介護者に対して、何らかの措置を講じないことには、いずれ介護保険ではまかなえなくなることは火を見るよりも明らかです。


ただし、後述するように、介護者が増えて介護費用の総額が増えること自体は、かならずしも悪いことではありません。


ビジネスとしての介護がスケールし、業界にお金が回るという経済効果もあるからです。

とはいっても、年々増え続ける介護費用に対して、何らかの対策を講じなければ、ますます財政はひっ迫してしまうでしょう。


増え続けるデイサービスの給付費。

ピークは2025年か...

団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年が、#デイサービス等の給付費のピークになるのではと言われています。

それまでの9年をどう乗り切るか。ここに改革の肝がかかっています。


国は #要介護2でも車いすが介護保険サービスを対象外にするなど、要介護者全体における軽介護者へのサービス削減を打ち出しており、要介護度が低い人に対する給付はこれからも削減され続けることが予想されます。


国が貧しくなっていき、税収が落ち込んでいる中での高齢化社会が意味するところは、未曾有の超高齢化社会の到来であるといえます。

介護施設に入れない人たちの問題も...


一方で、介護施設に入れない人たちの問題も浮上しています。

施設は基本的に独居の方を優先する傾向があるため、自宅暮らしで老老介護を余儀なくされる人も多いのです。


老老介護の現状は厳しく、経済面から困窮を余儀なくされている人も少なくありません。

介護保険料が払えないため、制裁措置でサービス給付をいったん止められたり、3割負担に変更されたりなど、高齢者を取り巻く環境は厳しいのです。


滞納者の多くが、年金給付が月1万5,000円以下で、普通徴収の人だという報告されている例もあります


赤字?介護給付の歳入と歳出


#第1号被保険者の一人あたり給付費 は、全国平均で25.4万円となっています。

これは、#介護保険で、介護費用全体をまかなえているのでしょうか。

厚生労働省発表によると、2012年度から2014年度までの保険料の全国平均は4,972円です。

全国の第1号被保険者が3302万人、第2号被保険者が4229万人なので、被保険者の合計は7,531万人ですから、歳入は3,744億円です。


第1号被保険者の総給付費は、第1号被保険者数×一人あたり給付費で考えると、592万人×25.4万円で、総額は2兆4,180億円。


ここから歳入を除いた差額、2兆4,360億円は、税金からまかなわれています。



自己負担の増大と、支給サービスのカットで乗り切る!?


この現状に、国も手をこまねいているわけではありません。

これは利用者にとってもその家族にとっても、当事者にとっては非常に厳しいものです。

ですが、国の税収が落ち込んでいる現在、国にも対処のしようが他にはないという現状があります。


混合介護という選択肢も


また、医療での混合医療と同様、介護のジャンルにおいても混合介護というキーワードが登場しています。

混合介護にはまだまだ問題が山積しています。

ですが、混合介護を導入するということは、自己負担で自由なサービスが受けられるということでもあります。

よって、お金を持っている高齢者からは、大きな報酬が見込めるでしょう。


介護の問題になると、メディアでは何かと貧困高齢者がクローズアップされがちですが、こうした豊かな老後を送っている高齢者も数多くおり、その彼らからいかにしてサービスを利用してもらうかというアイデアを募るために、混合介護の導入は喜ばしいものだとも考えられます。


特に、日本の資産は1,500兆円あるとされ、そのうちの840兆円もの額が、60歳以上の高齢者によって保有されているという現状があります。

これだけの資産を、生産活動や子育てを卒業した高齢者が保持しているのですから、介護のサービスに使ってもらわない手はありません。


いまや、老人資産を狙うのは特殊詐欺グループばかりとなっていますが、まっとうなビジネスである介護が、その保有資産をマーケティングしてビジネスにつなげるということも大切ではないでしょうか。


介護はリアル。生活に関わるからこそ、真摯な改革を


介護は生活に関わるリアルな事象です。

多くの人々の生活に直結しているからこそ、慎重かつ真摯な改革が求められます。

今のところ、自己負担の増大と支給サービスのカットで乗り切っている国の方針ですが、公平な自己負担とはどのようなものだろうかという疑問も浮かびます。

そこで考えられているのが、40歳~64歳の第2号被保険者の保険料に、#総報酬制を導入 するということ。


総報酬制とは、賞与を含む報酬に介護保険料率をかけて保険料を算出することです。


これならば、40歳以上で大企業において働いている多くのサラリーマンの負担は増大しますが、収入に応じて徴税することになるため、多くの人の理解を得られそうな政策ではあります。

この改革は、2015年の段階では延期されましたが、今後は現実味を帯びてきそうです。


介護にまつわる費用は日々刻々と増加しつづけており、早急な対策が求められています。

サービスの削減と自己負担増による介護費用総額の削減だけでなく、混合介護による高齢者資産の流入、総報酬制による高所得者からの徴収、これらの改革が、いま求められています。

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