変わる介護施設(7)!!! #通所介護が #2018年介護報酬改定でどう変わるのか?

2018年の介護報酬改定に向け「 #社会保障審議会・#介護給付費分科会(#社保審)」が開催され、他のサービスと同様、通所介護についても評価基準が見直されました。

検討の結果、厚生労働省は自立支援および要介護度の重度化防止に重きを置き、この方針に合致する事業所を評価する姿勢を示してます。

通所介護の主な6つの変更点


高齢者の自立支援や要介護度の重度化防止につながる新たな指標


#バーセルインデックス #BI #BathelIndex

#FIM #Functional Independence Measure #FunctionalIndependenceMeasure

#機能的自立度評価法


通所介護のサービス提供時間区分を見直し


通所介護の基本報酬を見直し


生活機能向上連携加算を導入


機能訓練指導員の確保


利用者の栄養面を支える新たな取り組み


#アウトカム評価を導入することでより成果主義に

厚生労働省は高齢者の自立支援、要介護度の重度化対策につながる取り組みのアウトカム(結果や成果のこと)を報酬に反映させる仕組み( #アウトカム評価)を来年度から導入することを決定しました。

次の改定において、利用者がADL(食事や着替え、トイレといった日常生活を行うのに必要な動作のことで、高齢化や障害の程度をはかる指標とされる)レベルを維持・改善し、一定の基準を超えた場合、その後の限られた期間は対価を得ることができます。

対価の指標には「#BarthelIndex(#バーゼルインデックス)」を使って評価を行うとのこと。Barthel Indexとは日常生活の動作を10項目に分けて100点満点で評価するもので、ADLを評価するのに用いられます。


ADLの評価であるバーセルインデックス(BI:Barthel Index)の採点方法は、日常生活の自立度(自立・部分介助・全介助など)に応じて15点・10点・5点・0点で評価され、10項目を100点満点で採点します。


【食事の採点基準】

◎自立(10点)

・適当な時間内に自分で食事をとって食べることができる。

・自助具を自分で装着して食事を食べることができる。

◎部分介助(5点)

・食べ物を細かく切ってもらうなどの介助が必要となる。

・自助食器など配置して、取りこぼしがないように一部介助が必要となる。

◎全介助(0点)

・全介助


【移乗の採点基準】

◎自立(15点)

・車椅子またはベッドの移乗が全て自分でできる。

◎部分介助(10点)

・移乗動作のいずれかに介助が必要だが、あとは自分でできる。

◎部分介助(5点)

・ベッドからの起き上がり座っていることはできるが、乗り移りに介助が必要となる。

◎全介助(0点)

・全介助


【整容の採点基準】

◎自立(5点)

・全ての整容動作が自分でできる。

◎全介助(0点)

・整容動作に介助が必要となる。


【トイレ動作の採点基準】

◎自立(10点)

・全てのトイレ動作が自分でできる。

・ポーターブルトイレや尿器を使用して洗浄などもできる。

・手すりや福祉用具を使用しているが自分で全てできる。

◎部分介助(5点)

・ズボンのお尻の部分を一部介助する必要があるが、その他は自分でできる。

・トイレットペーパーをとってあげる必要があるが、その他は自分でできる。

・バランスが不安定なため、支える程度の介助が必要となる

◎全介助(0点)

・全介助


【入浴の採点基準】

◎自立(5点)

・全ての入浴動作が自分でできる

・シャワー浴で入浴できる

・浴槽内に自分で入浴できる

◎全介助(0点)

・入浴に介助が必要となる


【歩行の採点基準】

◎自立(15点)

・見守りまたは介助なしに45m以上歩ける。

・装具、義足、杖、松葉杖、歩行器(車輪付きは除く)を使用して45m以上歩ける。

・装具の場合は、継手のロックが自分できる。

◎部分介助(10点)

・見守りまたはわずかな介助があれば45m以上歩ける

◎部分介助(5点)

・車椅子を自分で操作して45m以上移動ができる

・車椅子で角を曲がること、方向転換、テーブル・ベッド・トイレなどを含めた45m以上の移動ができる

◎全介助(0点)

・歩行または車椅子での移動に全介助が必要となる


【階段昇降の採点基準】

◎自立(10点)

・見守りまたは介助なしで安全に階段の昇降ができる

・手すりや松葉杖、杖を利用して階段の昇降ができる

◎部分介助(5点)

・見守りまたはわずかな介助があれば安全に階段の昇降ができる

◎全介助(0点)

・階段昇降に全介助が必要となる


【着替えの採点基準】

◎自立(10点)

・全ての衣類や靴、装具やコルセットの着脱ができる。

◎部分介助(5点)

・着替えに介助を必要とするが、作業の半分以上は自分でできる。

◎全介助(0点)

・着替えに全介助が必要となる。


【排便コントロールの採点基準】

◎自立(10点)

・失禁がなく排便コントロールが可能。

・脊髄損傷者などは坐薬や浣腸を使っても良い。

◎部分介助(5点)

・坐薬や浣腸に介助が必要となる。

・たまに便失禁がある。

◎全介助(0点)

・常に便失禁がある。


【排尿コントロールの採点基準】

◎自立(10点)

・失禁がなく排尿コントロールが可能。

・脊髄損傷者などは収尿器の着脱や清掃管理ができていること。

◎部分介助(5点)

・たまに尿器やトイレに行くまで間に合わず尿失禁することがある。

・収尿器の着脱や管理に介助が必要となる。

◎全介助(0点)

・常に尿失禁がある。

・全介助が必要となる。



「#できるADL」を評価する #バーセルインデックス(BI:Barthel Index)の採点方法はご理解いただけましたか?


総合点のおおよその目安としては、以下となります。

100点…自立している。

85点以下…介助量が少ない。

60点以下…起居活動動作を中心に介助が必要。

40点以下…介助量が多く、ほぼすべての項目に介助が必要。

20点以下…全介助レベル。


厚生労働省(平成27年度)の調査結果を見てみると、バーセルインデックス(BI:Barthel Index)の評価は、介護現場の中でも通所リハの「59,1%」、通所介護の「10,8%」がADLの評価指標として活用されていることが分かります。


特徴

1. 評価項目は、全10項目

2. 「できるADL」を評価する

3. 採点は、各項目を0点〜15点で評価する

4. 満点は100点で、最低点は0点とする

5. 移動・移乗の項目の配点が高い


メリット

1. 採点が簡便で時間がかからない

2. 満点100点のため、分かり易い

3. 世界共通の評価法


デメリット

1. FIMに比べて点数が大まか

2. 細かいADL能力を把握しにくい

3. 採点の根拠が明らかではない


ADLの評価では「しているADL」であるFIMの評価も忘れてはなりません。

両者ともに国際的なADL評価という共通点がありますが、FIMの評価項目は18項目と多く、採点方法が細かく規定されているため病院などのADL評価としてよく活用されています。


FIMとは

FIMとは、「Functional Independence Measure」略語で、1983年に Grangerらによって開発されたADL評価法です。

日本語では「#機能的自立度評価法」といいます。


#FIMの評価内容とは

FIMの評価は、患者様や利用者様の日常生活動作(ADL)の介護量を測定することができ、ADL評価の中で最も信頼性と妥当性があるといわれています。医学的な知識がない方でも採点できるため、医療現場だけでなく介護現場でも活用されています。


FIMの評価項目には

FIMの評価項目は、運動項目と認知項目の計18項目で、各項目を1点〜7点の7段階で評価します。

コミュニケーションや社会的認知などの認知項目を含むため、実際に日常生活で行っている動作を評価する、変化を確認するのに最適な評価方法です。


FIMの特徴とは

その他、FIMには以下の特徴があります。


● 日常生活上の「 #しているADL」を評価する

● 評価項目は、計18項目(運動項目13項目と認知項目5項目)

● 運動項目は、セルフケア、排泄コントロール、移乗、移動の能力を評価

● 認知項目は、コミュニケーション能力と社会的認知の能力を評価

● 日常生活の能力に変動がある場合は、介助量が多い時を採点する

● FIMの採点方法は、1点〜7点の7段階で評価する

● 満点は126点で、最低点は18点とする

● FIM評価の対象年齢は、7歳以上とする

● FIM評価の対象疾患は、全ての病気・障害に対応できる

● FIMの評価者は、医療従事者以外でも評価することができる

● 信頼性と妥当性がある

● 世界共通のADL評価(介助量を判定)


【FIM評価の特徴】

1. 評価項目は、計18項目

2. しているADLを評価する

3. 採点は、1点〜7点で評価する

4. 満点は126点で、最低点は18点とする

5. コミュニケーション能力と社会的認知能力の認知項目も評価できる


【FIM評価のメリット】

1. 採点方法が細かく規定されている

2. ADLの自立度と介護量を点数で把握することができる

3. 世界共通の評価のため研究や発表の際にデータの集約として活用しやすい




Barthel Index   バーゼルインデックス

http://www.crsu.org/chears/pdf/65situmonnsi.pdf

通所介護のサービス提供時間区分を見直し


サービス提供時間区分(サービスを提供する時間を区分けしたもの)も見直されます。

現在は2時間ごとにサービス提供時間区分が分けられていましたが、これを1時間に分けることによって、よりきめ細やかに単位をつけることとなりました。

この背景として現在、「基本サービス費用を少しでも多く算定するために事業所が所要時間を引き伸ばしている」という事実が存在しています。

2016年に通所介護のサービス提供時間を調べたところ、「7時間以上9時間未満」という2時間の区分で実際に行われているサービス提供時間は「7時間以上7時間半未満」というケースが60.9%。「3時間以上5時間未満」の区分では「3時間以上3時間半未満」が全体の82.4%となっていました。

こうした「引き伸ばし」を防ぐため、実際に使われているサービス提供区分に近いものに見直し、2時間から1時間へと区分が変更される模様です。


大規模型の基本報酬を引き下げる方針

さらに、大規模型通所介護の利益率が高いということがわかり、基本報酬引き下げの対象となりました。

通所介護の利益率は、大規模型(Ⅰ)と呼ばれるひと月あたりの利用者数が751~900人の施設で7.9%、ひと月あたりの利用者数が901人以上の大規模型(Ⅱ)で10.0%となっています。

この数字は通常規模型や小規模型、全サービスの平均と比べると利益率が高く、これらを調整していく形となりました。

これには一部、「スケールメリットで利益を出そうという効率化を妨げる」といった批判も出ています。


機能訓練は外部リハ職との連携も評価

そして通所介護においては「外部リハ職との連携を強化」に関する新しい加算が設けられます。

これは「生活機能向上連携加算」と呼ばれるもので、地域の外部リハ職や医師などが事業所に訪問してアセスメント(評価)を行います。


「介護におけるアセスメント」とは、利用者に自分自身でできること(残存機能がどの程度か)に加えてどのようなサービスが必要なのかをヒアリングして評価していくことです。


そのために個別機能訓練計画を作り、その進捗を定期チェックしていく形となりますが、これらは対面による診察が必須とされるため、通所介護とはいえ外部リハ職が事業所に訪問しなければなりません。

訪問介護ではビデオ通話が認められたのに対して、まだまだ ICT(情報処理や通信に関連する技術やサービスの総称)化が遅れていると言わざるを得ないでしょう。


さらに、機能訓練をいかにして利用価値があるものにするか、質を担保するかといった課題もあります。

外部リハ職の側も時間的な余裕があるわけではなく、連携がスムーズに行われるのか、そして計画だけで加算を取得して実施がうまくいかずに終わってしまうのではないか、という点も懸念されています。


それに加え、訪問介護には利用者家族の息抜きという福祉的な面が存在するため、機能訓練を無理強いしたり利用者本位がないがしろにされることも指摘されているのです。

こうした点を踏まえ、厚生労働省ではより検討がされていく形となりました。


機能訓練指導員の資格をはり・きゅう師でも取得可能に

また、来年度から半年以上の実務経験を持つはり師・きゅう師がデイサービスや特養、認知症デイにおける機能訓練指導員の資格を得られるように要件が緩和される見通しです。

現在は理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師が機能訓練指導員になることができます。

現在、機能訓練指導員も人手不足であり、このままではリハビリをして在宅復帰してもらうという施設における本来の役割が果たせなくなってしまうことを懸念して、要件を緩和していく形となりました。


栄養改善への取り組みをより評価

そして、現在あまり取得されていない「栄養改善加算」を取得しやすくし、通所介護においてより質の高い栄養管理を促していく考えです。


現在、栄養改善加算の条件は以下の通りです。


管理栄養士を1名以上配置すること


利用者の摂食・嚥下機能に応じた食事の栄養ケア計画を作成し、それに従って栄養改善を行い状態の記録していること


栄養ケア計画の進捗状況を定期的に評価すること


定員超過利用に該当していないこと


厚生労働大臣の定める「単独型・併設型指定介護予防認知症対応型通所介護事業所」、または「共用型指定介護予防認知症対応型通所介護事業所」の基準に適合していること


この条件で注目するべきなのは、「管理栄養士を1名以上配置すること」です。

現状、この加算を得るためには管理栄養士を配置しなくてはならず、利用者の嚥下機能に応じた食事を提供していなければなりません。


しかし、これについて2017年4月の審査では加算全体の0.01%を占めるにとどまっており、その理由の一つとして事業所の32.1%が管理栄養士を雇えないことを挙げています。


高齢になると食事に関する機能が衰え、吸収も悪くなることから低栄養状態になりやすくなるという重大な事実がありますが、この事実を重視し、外部の管理栄養士の実施でも算定を認めることができようになりました。

そして、管理栄養士以外の介護職員でも実施可能な

栄養スクリーニング

(6ヵ月に3%以上の体重が減少していないか、BMI18.5未満となっていないか、食事摂取量75%以下に該当するかなどを確認)

を行い、ケアマネジャーに利用者の栄養状態を文章で共有した場合の評価を新しく創設することが決まりました。


これからの通所介護を評価する方針は?

今回は、次の介護報酬で変わる通所介護の一部についてみていきました。

より自立を支援し、きめ細やかな評価を行って、機能改善に力を入れている施設を積極的に評価していく方針です。


通所介護はレスパイト(利用者家族の休息)の側面もあるため、機能訓練だけを強化していくと、福祉的な側面がおろそかになってしまう恐れもあります。
これを防ぐために評価をより適切なものにし、介護報酬の支払いが適正になるよう、見直しが入るのが今回の介護報酬改定の大きなポイントです。


Angel 2 Me [Ft Jeff Bernat] (International Version) - McKay


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