#不妊治療 #養子あっせん団体 #特別養子縁組 子どもの一生を決めるあっせんの早急なルール作りが求められる...

<特別養子縁組>

子どもの福祉のために必要な場合、血縁関係のない夫婦と親子関係を結ぶ制度。

1988年に始まった。半年以上の試験養育期間を経て、家庭裁判所の審判で許可される。

養子は6歳未満、養父母は25歳以上であることが原則。

実親との親子関係は消滅し、戸籍上も実子と同様に記載される点で、普通養子縁組とは異なる。



不妊治療に1千万円!!!

重い経済負担、心に突き刺さる言葉


少子化や晩婚化が進むなか、カップルの6~10組に1組が悩みを抱えてるとされる不妊。

治療には多額の費用がかかり、深まらない周囲の理解に苦しむ人も少なくない。

社会は不妊とどう向き合っていけばいいのか。


    2013年    33万円

 2014年 257万円

 2015年 135万円


関東北部で暮らす37歳の女性は自らつけてきた記録の表を見つめ、深いため息をついた。

生活に重くのしかかる不妊症の治療費。

6年ほど前から体外受精と顕微授精を10回繰り返してきたが、子どもはできていない。

「こんなにお金を使っているんだ」。ときどき、怖くなる。


妊娠しても流産を繰り返す「不育症」。


体外受精、顕微授精は1回に30万~80万円かかる。

保険適用されず、1回で最大15万円が助成される国の当時の制度を利用したが、とても足りない。

2年前からは、大阪市内の診療所に2~3カ月に1回通う。

「最先端の技術と設備」があるという評判を聞いたからだ。


この6年で500万円以上を費やした。

一方、会社勤めの夫(38)の年収は手取り約300万円。

独身のころのお互いの貯金を取り崩したり、夫の両親に資金を融通してもらったり……。

女性は2カ月に1回の割合で行っていた美容院を4カ月に1回に。

夫は読みたい本を買わず、立ち読みで済ます。

「もし子どもができても、育てるお金がないね」。

ふと、夫がつぶやいた言葉に胸がうずく。


助成金は、利用できる上限回数の10回(14年度からは6回)に達し、もう使えない。「経済的にいつまで治療を受けられるのか」。見通せない日々が続く。


滋賀県内に住む46歳の女性は、10年間の治療で約1千万円をかけた。

このままでは、老後の生活に影響が出かねないと不安になる。

「政府は『少子化で国の礎(いしずえ)が揺らぐ』と言います。

国は不妊に悩む人たちをもっとバックアップできないのでしょうか」


■「もっと」「もう1回」…10回目で妊娠したが

大阪府内の51歳の女性は37歳だった02年春に結婚。

会社を辞めて、主婦になった。

なかなか妊娠せず、専門の診療所で体外受精をすすめられた。

2回目で双子を妊娠し、「授かった!」と喜んだのもつかの間、10~12週目で2人の心臓の音は聞こえなくなった。

「もう1回」

「もっと高度な技術で」。

専門の診療所をいくつも回った。

10回目で再び妊娠したものの、12週目で流産した。

「お金で買えるなら、子どもを買ってきて!」。

夫に泣きついたこともあった。

自己嫌悪が募るなか、周囲の何げない言葉が心に突き刺さっていく。


「なんで子どもをつくらないの?」

「夫婦2人で気楽だね」


4人の子を生んだ実母からは「そんなに治療を繰り返して、丈夫な子が生まれるの?」と言われた。

街で妊婦を見かけると、避けるようになっていった。

治療費と薬代が1千万円を超えた4年前、夫(59)が言った。

「2人で生きていこう」。

重圧が少し軽くなった気がした。


少子化や晩婚化が進み、妊娠しにくい人へのサポートやケアが必要という認識は広がりつつあると思う。


一方、周囲からは不妊に悩んでいるのかどうか「見えない」「気づかれない」こともあり、理解が深まっていないとも感じる。


「不妊の問題を社会で共有し、理解しあう。

そのために最もつらかったことを伝えていきたい」。


女性はいま、不妊に悩む人を支援するNPO法人のスタッフとして、自身の経験を語る活動をしている。(山中由睦)


〈#不妊症〉 

日本産科婦人科学会は不妊症について「避妊せずに継続的に性交をしているのに1年間妊娠しない場合」と定義している。

男性側の主な原因として#無精子症や#射精障害、女性側には#卵巣の機能不全や#子宮内膜症などが指摘される。


国立社会保障・人口問題研究所の調査(2010年)では、国内で治療や検査を受ける夫婦は6組に1組。10組に1組とみる専門医もいる。


#不妊治療には、濃縮した精子を子宮へ入れる#人工授精のほか、女性から卵子を採りだして受精させる「#体外受精」▽顕微鏡を使って精子を卵子に注入する「#顕微授精」――といった生殖補助医療がある。

同学会によると、この補助医療で13年に4万2554人が生まれた。


一方で、不妊治療専門誌を手がける#ジネコ(東京)が治療を受けた経験がある約400人を対象に実施した09年のアンケートでは、約6割が「精神的不安がある」と回答。

約4割が「社会の理解不足を感じる」とした。

     

〈#不妊治療の助成金制度〉 

不妊症を疾病と認めていない国が生殖補助医療を受ける夫婦を対象に2004年から始めた。

1回目の治療への助成は当初最大10万円だったが、現在は43歳未満の女性を対象に最大30万円。

2回目以降は最大15万円まで拡充された。

一方、夫婦の年間総所得が730万円以上になると対象外になる。

東京都や大分県など国の助成金に上乗せ支給する制度がある自治体もある。

今年から「#精子回収手術」を受ける男性への国の助成制度も始まった。

#養子あっせん団体に事業停止命令
優先紹介へ現金要求

9月27日(火)

#特別養子縁組をあっせんする民間団体が、優先して子どもを紹介する費用として東京都の夫婦から現金100万円をもらっていたことが分かった。

事業の届け出を受けている千葉県は27日、#社会福祉法で定める「不当な行為」にあたるとして団体に事業停止命令を出した。

厚生労働省によると、養子あっせんの停止命令は全国初とみられる。


この団体は同県四街道市の「#赤ちゃんの未来を救う会」。


昨年2月にホームページを開き、ネット掲示板に生みの親と育ての親(養親)希望者に収入や希望内容を書き込んでもらって双方をつなぐ事業を始めた。


人件費や交通費などとして養親希望者に計225万円の負担金を求めている。


東京都の夫婦は50代の夫と40代の妻。

県や夫婦によると、夫婦は昨年11月、ネットで養親希望者に登録。

主にメールや電話で連絡をとった。

今年2月、負担金のうち100万円を先に払えば「優先順位が2番目になる」と持ちかけられ、4月に団体の銀行口座に振り込んだ。

5月には「来月出産予定の子どもがいる」と残る125万円も要求され、現金で支払った。


夫婦は6月中旬に生まれた男児を助産院で引き取った。

その後、生みの母が「最終的な同意の確認なく連れ去られた」と県に相談し、男児は夫婦の関係者らを介して7月初旬に戻された。

<#養子縁組>

10~17歳の9割「養親の愛情を感じている」

1/4(水) 


◇7割は自己肯定感高く 専門家、家庭で育つことの重要性指摘


生みの親でなく養子縁組した親と暮らす10~17歳の7割は自己肯定感が高く、9割は親の愛情を感じているとの意識調査結果を、日本財団がまとめた。


国が全国の中学3年に実施した調査結果よりそれぞれ割合は高く、専門家は児童養護施設でなく家庭で育つことの重要性を指摘する。


民間の2団体のあっせんで養子縁組した263世帯に昨年8~9月に調査し、10歳以上の子を対象とした質問には89人が答えた。

2団体は養親に対し、子に養子縁組であることの告知を促している。


子どもに「自分自身に満足しているか」を聞いたところ、

26%が「そう思う」と回答。

「どちらかといえばそう思う」を加えると71%になった。


「親から愛されていると思うか」の質問では

「そう思う」が64%で

「どちらかといえば」を足すと93%に達した。


内閣府の中3を対象にした2011年調査では、同じ質問に対する「そう思う」の割合はそれぞれ10%台と40%台。

直接比較はできないが、養子縁組家庭の子の方が高かった。


一方、友人関係がうまくいっていると答えたのは66%で、

小4~中3に同じ質問をした内閣府の14年調査の81%より低かった。


#日本財団福祉特別事業チームの高橋民紗(みさ)さんは

「こうした意識調査は珍しい。絵本の読み聞かせなど子どもと積極的に関わっている養親が多く、それが子の自己肯定感につながったのではないか。友人関係については養子であることを周囲にどこまで話せるかが影響した可能性があり、社会の理解は十分とは言い難い」と分析する。【黒田阿紗子】


#養子縁組
NPOがネットであっせん...「手軽さ」懸念の声

2016年4月3日

子どもの特別養子縁組を希望する生みの親と育ての親(#養親<ようしん>)をインターネット上で専用のシステムを使ってマッチングさせる会員制サービスを、大阪市のNPO法人が今月から始めた。


こうしたあっせんの取り組みは国内初という。

NPO側は手軽さや費用負担の軽減をアピールするが、専門家からは「慎重さに欠ける」と懸念の声も出ている。


サービスを始めたのは、NPO法人「#全国おやこ福祉支援センター」。

2014年3月にホームページ「#インターネット赤ちゃんポスト」を開設し、特別養子縁組の相談やあっせんをしている。


親が育てられない子を受け入れる「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」を運営する

#慈恵病院(熊本市)とは関係がない。


会員登録は身分証のコピーを提出すれば誰でも可能。


生みの親が養親候補のプロフィルを見て子を託したい相手を選べるのが特徴で「かけがえのない<命>と愛情あふれる里親とを『手軽に』結びつける」とうたっている。

近くスマートフォンでも使えるようにするという。

阪口源太代表理事によると、

養親希望者は、

▽写真

▽自己紹介文

▽年齢

▽職業

▽年収

▽資産

▽居住地

−−などを開示。


NPOは所得水準や自治体の里親研修を受けたかなどに応じて点数を付け、得点の高い順に並べ紹介する。


生みの親は登録前にNPOが面談し、育てられない理由などを確認。

妊婦も登録できる。


子どもを育ててほしい相手は、生みの親が一覧から選び、スタッフが養親希望の家庭を1回訪問して適性を判断。

1週間をめどに正式な仲介の可否を決める。仲介後も双方の相談には応じる。

利用は当面無料。


マッチングの段階でNPOが間に入る従来よりコストが抑えられ、養親側にかかる事務経費はこれまでの一律64万円から50万円程度に減らせるとしている。


阪口代表理事は「特別養子縁組の数を増やして一人でも多くの子どもを救うには、ネットを使って効率化することが必要」と話す。


これに対し、宮島清・日本社会事業大准教授(児童福祉論)は「生みの親の意見が養親選びに反映されることは重要」としながらも「事業者が面接も家庭訪問もしていない夫婦を養親希望者として紹介することなどあってはならない。


出産前に『養子に出すこと』を決めてしまって後戻りしにくくなったり、病院に行かず密室で出産したりする行為を増やしてしまう可能性もある」と指摘する。


厚生労働省家庭福祉課は「このシステムの情報は把握していないが、生みの親は本当に育てられないのか、養親に適性があるのかは、慎重に見極める必要がある」としている。【黒田阿紗子】


ルール作り急務

特別養子縁組のあっせんには、生みの親と育ての親の事情を考慮し、子どもの将来を見通す専門性が求められるが、事業者には自治体への届け出義務があるだけで、手法などの指針はない。

NPO法人「#全国おやこ福祉支援センター」のマッチングのシステムについて、あっせんに長く携わる助産師の女性は「子どもを手放す親が経済的に困窮していたら年収が高い人を選ぶかもしれないが、それがいい夫婦とは限らない」と疑問を投げ掛ける。


NPOは昨年、中絶を考える女性に向け「『産んでくれたら最大200万円相当の援助』があります」とホームページで呼び掛け、大阪市から「 #人身売買のような誤解を招く恐れがある」と行政指導を受けた。


また、届け出をしていない別の団体も最近、ホームページに養親希望者のプロフィルを掲載し、生みの親からの仲介希望を受けるサービスを展開している。


与党内では民間あっせん団体を都道府県の許可制にする動きがある。

早ければ今国会にも議員立法で提出される。

NPOの阪口代表理事は「国が基準を定めれば従う」と話しており、子どもの一生を決めるあっせんの早急なルール作りが求められる。【黒田阿紗子

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