2017年 #町内会 #自治会 バトルが全国で多発か...
2017年「町内会」バトルが全国で多発
「脱会したい」→「ゴミ捨て場使うな」
http://www.sankei.com/premium/news/170102/prm1701020016-n3.html 2017.1.2 18:00
地域の清掃といった社会活動が「生きる糧になっている」と高齢者は訴える=平成28年2月、大阪市
転入手続きに行った自治体で、町内会への加入を促すリーフレットが配られることもある
近隣住民らで自主的に構成されている「町内会」について、最近さまざまなトラブルが多発している。
「退会できない」「ゴミ出しを断られた」「負担が大きい」などの不満の声が相次いでおり、中には訴訟に発展するケースも。
高齢化や単身世帯の増加によって2017年は「町内会」バトルの増加が予想される。
・過度な負担に疑問
「持ち回りで役員を引き受けざるを得なかったが、負担があまりにも大きい」
こう話すのは、東京都内の下町にある町内会で、平成28年4月から役員をしている50代の男性だ。
男性は、仕事のある平日は集まりに顔を出せない分、休日や夜間に作業が出来る広報係を担当。
月に1度発行する広報誌をまとめるほか、地域の清掃日には掃除用具の手配なども行う。
「休日の時間のほとんど町内会に割かなければいけないことも。担い手も少なくなっているので、任期が終わってもまたすぐやらなければならないと思うと、気が重いです」と打ち明ける。
そもそも町内会は、戦時中に組織された「隣組」が基になっている。原則は全戸加入とされ、近隣住民らが加入して国の末端組織として機能。行政の仕事の一部を引き受けてきた歴史がある。
ただ、自営業者が多く、引っ越しが少なかった当時と比べ、現在はサラリーマン世帯や単身世帯が増加し、地縁がない場所で居を構える人が珍しくなくなった。
次第に、地域の仕事を地域住民の手で担うというシステムが受け入れられにくくなり、町内会の運営に課題や疑問を感じる人が多くなっているようだ。
・法律サイトでも相談
町内会を巡るトラブルは全国各地に広がっており、法律相談が出来るインターネットサイト「弁護士ドットコム」にも、さまざまな町内会トラブルにおける相談が多く寄せられている。
「町内会を脱会したいと申し出たら、ゴミ捨て場を使うなと言われた」
「家の近くの防犯灯を外された」
「前納した会費を、引っ越し時に返してもらえない」など、
その内容はさまざま。同社経営企画部長の田上嘉一弁護士は「ここ数年で、トラブルの相談が増えるようになってきた」と話す。
田上弁護士によると、相談が多いのは退会や会費をめぐる事例。
「実際に弁護士や司法が介入するケースは多くはない」としつつも、退会を認めてもらえないというトラブルを巡っては、裁判になった事例もある。
田上弁護士は「もし、町内会からしつこく勧誘されるなどの『加入の強制』があったり、退会による度を超えた嫌がらせがあったりした場合は、民法上の不法行為が成立する可能性はある」と指摘する。
・新たなあり方を模索
トラブルを抱える町内会が増える実態について、地方行政に詳しい首都大学東京大学院人文科学研究科の玉野和志教授(地域社会学)は、「町内会の存在や役割を否定するのではなく、新たな運営の方法を探るべきでは」と話す。
玉野教授は、ゴミ捨て場の環境維持や行政との交渉の場面など、地域社会における町内会の役割は大きいとしつつ、構成員の高齢化や加入率の低下が叫ばれる状況では「これまでと同じ役割を担い続けるのは難しい」と指摘。
今後は、町内会の仕事を減らして効率的な運営ができるようにしたり、NPO法人などの外部団体や企業に仕事の一部を委託するなどの手段も検討する必要があるという。
玉野教授は「以前は国の仕事を手伝うという町内会の役割に誇りを持つ人が多かった。
ただ、環境や生き方が変化した今、そのままでは町内会は立ちゆかなくなる。
『自分たちで補うか、税金や会費でまかなうか』という視点を忘れず、地域や時代に合った町内会のあり方を模索するべきだ」と話している。
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