「どっちが弱者ですか?」
5人の人がいる。左から。
(a)貯金4000万円の働かなくても年金生活の老人。
(b)年収300万円の疲れ切ったブラック会社員。
(c)年収250万円の派遣社員。
(d)年収200万円のフリーター。
(e)旦那が年収1000万円の専業鬼女。
ネタ元の「あなたの優しさで席をゆずりましょう」というときは、
妊婦(e)や老人(a)に席を譲ろうという話だったのだが、
これを「弱者」に問題をすり替えたとき、
譲られるべき老人(a)も妊婦(e)も社会的な「強者」ではないのかというアイロニーである。
この局面では
座っている権利を持っている人が
身体的な安逸の権利を持つ強者であって、
身体的な安逸を望む弱者は、
貯金がいくらあろうが老人であり、
旦那の稼ぎがいくらよかろうが妊婦である。
この局面では
その権利はカネでは買えない。
とすると、
このことはこのネタの考案者の逆説になっていることがわかる。
つまり、社会的な強者は、あらゆる場面で強者でもないということ。
しかし、と。。。
カネで買えないの?
貯金4000万円の働かなくても年金生活の老人(a)や旦那が年収1000万円の専業鬼女(e)は、
座る場所もない電車を交通手段に使わず、
カネを使ってタクシーを使えば、
当面の問題は解決するし、
そうしたカネを使うこと、
消費は
他面においてタクシー産業の生産になり、
それが経済を潤すなら、この社会的な弱者に回るカネにもなるのではないか。
あるいは、と。。。
貯金4000万円の働かなくても年金生活の老人(a)や旦那が年収1000万円の専業鬼女(e)は、
他の空いている時間帯が選べるのではないか。
そうすることで
逆に弱者に権利を譲ることができるのではないか。
それって、
満員電車にベビーカーを乗せるなという問題にも似ている。
問題はなんだろう?
ごく簡単にいえば、
こうした局面はネタというか問題性を問いかけるトリックであって、
問題自身は、
年収300万円の疲れ切ったブラック会社員(b)、年収250万円の派遣社員(c)、年収200万円のフリーター(d)といった社会的な弱者を社会的にどうすべきかということであり、
さらに言えば、
そうした問題が社会問題であるのに、
席を譲るといった個人の倫理の問題にすり替えたり、そちらを突出させるのではなく、
社会に問え、ということ。。。
そして、これらの社会的弱者をどうするかといえば、
政治的な課題でもあるのだろう。
例えば、
朝日新聞社説「最低賃金―底上げは社会全体で」にも。
賃金が安く、雇用が不安定なワーキングプアが増えれば、結局、生活保護費はふくらむ。
こんな悪循環から脱出するためにも、最低賃金は引き上げていきたい。
ただ、低い賃金で働く人が多い中小・零細企業ばかりにコストを負わせるのは酷だろう。
社会全体で取り組むべきだ。
経済構造を変えて、まともな賃金を払えるような付加価値の高い雇用をつくる。
そこへ労働者を移していくために、職業訓練の機会を用意し、その間の生活を保障する。
雇用の拡大が見込まれる医療や介護の分野では、きちんと生活できる賃金が払えるよう、
税や保険料の投入を増やすことも迫られよう。
非正社員と正社員の待遇格差も是正する。
そのため、正社員が既得権を手放すことになるかもしれない。
いずれにせよ、国民全体で負担を分かち合わなければならない。
私たち一人ひとりにかかわる問題として、最低賃金をとらえ直そう。
「賃金が安く、雇用が不安定なワーキングプア」の問題を解決するには、
朝日新聞的には、
「付加価値の高い雇用をつく」り、「そこへ労働者を移していくために、職業訓練の機会を用意し、その間の生活を保障する」という。
>>> 正解のようだが、
「付加価値の高い雇用をつく」りというあたりで、社会主義の失敗がよく理解されていない。
成長産業が何かは大筋で市場が決めることであって、
計画経済では基本的に対応はできない。
しかもそのために「税や保険料の投入を増やすことも迫られよう」とすれば、ますますその問題を悪化させてしまう。
さてさて、皆様は如何に・・・
≪余談≫
電車内はさまざまな人が乗り合う場所のため、トラブルが発生しやすい。
しらべぇの調査では、「電車での赤ちゃんの泣き声にイラッとする」と回答したのは、全体の25.4%。決して少なくないのだ。
年収別では、よりたくさん稼いでいる人のほうが、泣き声に厳しいというデータも。
เพลงเกาหลีน่ารักๆ ฟังสบาย ❀
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